19話
2016/3/27 修正
カーテンのそとが白み始める
「もう夜が明けたか……」
少し早いが行動を開始するか…
昨日までで能力値のテストは終わった。今日からは普通の日々が始まる
まあ今日は朝に結果が返ってくる以外は何もない
とりあえずはトレーニングと朝飯か
…
……
色々用事を終えて学校に向かう
寮の前で見知った赤髪が見える
あん?やけに足取りが重い……気のせいか?
「よう、仁。どうした?」
「あぁ、勇人か。別になんもねえよ。そうだ、一緒に行かねぇか?」
「ここでわざわざ分かれて向かう必要もないだろう。目的地は同じだぜ?」
「あ、あぁ、そうだな。」
???
どうしたんだ?こいつ
「いったいどうしたんだ?なんか変だぞお前?」
「…気にしないでくれ」
気にすんなって言われても気になるんだが……
「まぁ、お前がそう言うならほっとくが……」
「あぁ、そうしてくれると助かる」
なんなんだこいつ?
なんやかんやで世間話を普段よりもゆっくりと話していたら教室に着く
「あ、おはようございます、勇人さん、陸谷さん」
「おう」「お、おう」
……なんかどんどん動きがロボットみたくなってるぞ?ホントどうしたんだこいつ
「ゆ、勇人さん、陸谷さんはどうしたんですか?」
「さあ?ほっといて欲しいらしい」
「そ、そうですか…そういえば今日結果が返ってくるんですよね?何位くらいでしょうか……」
俺はこの時仁がビクッてしたのを見のがさなかった
「仁、まさか結果が返ってくるからそんなに挙動不審だったのか?」
「!??」
「おいおい、どうしてそんなに緊張するよ?」
「だ、だってよ…昨日調べたんだが、一年次に風紀委員になるには最低Cランクじゃなきゃダメらしいじゃねぇか…俺昨日の戦闘経験の結果聞きそびれてさぁ、何点かわかんねぇんだよ。もし40点いってなかったら……」
「はぁ、今更気にすることか?」
「それだけじゃねえ、風紀委員になるには学年で上位20%に入らなきゃなんねんだろ?50番以内なんて……」
ちなみにこの学園全体で720人、1年は241人いる。20%以内なら48番以上にいないといけない
「それだって気にしたところで何が変わる?駄目だったら駄目でどこ入るかまた決めようぜ?」
「だ、だがな、気にするなって方が「席につけ~」っ!?来た!!」
担任、秀吉が入ってきた。ここで結果が帰ってくんのか……まぁ俺としてはあまり返ってきて欲しくないものなんだが…
「起立、礼」
「さぁて、まぁ連絡はこれからは普通の日程になるってことだけだ。今日の午後の闘技場は第3だ。では、昨日、一昨日の結果を返すぞ~。番号順にとりにこい」
午後の闘技場の場所は各学年8クラス、計24クラスからランダムで3クラスずつ分けられる。違う学年同士が同じ闘技場になると、上級生に下級生が教わるなどのこともよくある。教師が楽したいだけなきもするが…
「次、六郎坂」「あ、は「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」………仁か」
「陸谷ぃ、嬉しいのは分かったから少し落ち着け!!」
「あ、は、はい!」
ふぅ、あいつはなんとかなったんだな…
俺は普通に受け取って席に戻る。結果は見るまでもない
「入れたのか?」
「あぁ、やったぜ!39位だ!なんとか入れたぜ!」
なんとも微妙な…まぁそんなもんか、こいつは
「おめでとう。まぁ、ほとんどのやつがD以下だかんな。その喜び方からしてCなんだろ?」
「あぁ、やったぜ!これで風紀委員になるための試験が受けれる」
「なんにせよおめでとう。楓はどうだった?」
「あ、はい。さすがは菫さんですね。勝てませんでした」
「その言い方なら2位だったんだろ?凄いじゃねぇか」
「ありがとうございます」
「なぁ、勇人はどうだったんだ?」
「…!陸谷さん!」
仁の言葉に楓が声を荒げる
「別にいいよ楓、二人の聞いて俺だけ言わないってのも変だろ?」
「そ、そうですか……勇人さんが良ければ」
「で、どうだったんだ?」
「まあもちろん241位、最下位だが?」
「は?嘘つくなよ……あんだけ100点とってるやつが最下位とか」
「陸谷さん、この学園の学年順位の付け方知っていますか?」
「え?能力値の合計点じゃねぇの?」
「確かにそれもあるんですが、その前にランクで大きく分けるんです。SランクからGランクまで。そして同じランクの中で能力値の大きい順に順位は決まります」
「?それがどうしたって言うんだ?」
「俺は魔法の詠唱が出来ない。詠唱速度の分野が0点だ。ランクは能力値の最低点できまる。俺の最低点は0点だ。この学園はかなりの倍率で入るだろ?入学時でもみんな少なくともFランク以上あるんだよ」
「はっ!?つまり、勇人はずっと最下位なのか?いくら頑張っても?」
「あぁ、俺はいくらやっても能力値は上がらねぇよ」
「……生徒会や風紀委員会に入れないのも」
「それが原因だ。例外なんか認めらんねぇだろ」
「…すまん」
「何で謝る?」
「いや、俺が無知だったからお前が傷ついたんじゃないかと」
「気にすんなよ。そのくらいで傷つくほど弱くねぇし、お前に悪気があるように見えるやつはいない。あんま気にすんな」
「あ、あぁ」
「はーい、授業始めるよ~?結果気になんのは分かるけど今は置いといて授業に集中!」
ったく……面倒な