14話
2016/3/25 修正
「よし、そろったな。んじゃぁ行くか」
「そうだな。どこから行く?」
「序盤は比較的校舎から遠いところが空く傾向にあるわよ?」
「なら遠くから段々校舎に近づく感じでいいのかな?」
「それで良いと思うぜ?」
「考えてても始まりませんし、行きましょう」
「そうだな」
……
「94点!流石だな」
「どうも」
94!?学生でその点数かよ。化物じゃねーか
「あれは……誰だ?」
「ええと、彼は豪徳寺大和君ね。彼はこの学校の第三位よ。あのくらいならね」
ほう。第三位か。思ってたより上の連中はそれなりに凄そうだな…
90点オーバーで三位止まり、しかも十和家じゃない人間が
学園程度ってなめるもんじゃないか
「すごいな。魔法格闘部とは比べもんにならねぇな」
「それは酷い言いぐさだが…確かにちげえなあ」
「まぁ、レベルは段違いなのは確かね。それより早く測っちゃいましょう」
「そうだな…」
魔法威力、か。豪徳寺大和はパワーファイタータイプか…?
「ここは魔法威力ね。装置があるから自分の一番の魔法をぶつけるか、身体強化して殴るかで測るのよ。ちなみに、豪徳寺君は後者よ?」
やはりか。なら、負けてらんねえよな
「兄さん?どうしたの?」
「ん?あぁ、少し考え事をな……」
「?」
菫が小首をかしげて見上げる仕草を見せる
「まぁなんだ。闘り合ったら楽しそうだと思ってさ」
「!?…第三位よ?正気なの?」
「んー、まぁ見とけよ」
うーし、いっちょやりますか……ま、結果は見えてるがな
「身体強化………」
呟くように体に魔力を纏わせ
ドガァァァァァァン!!!
ぶん殴る、ただそれだけ
「っ!?ひゃ、100点!?」
「な!?」
「!!兄さん、また強くなった…」
「流石勇ちゃんね…」
まぁ、こんなもんか…
加減はだりぃな
「どうだ?」
「勇人、お前本気で番号持ち狙えるんじゃねぇのか?」
「いや、それは無理だな」
「え、なんでだよ!?」
「ん~、そのうちわかるさ」
「?」
「「……」」
二人は分かってるからな、なんも言えねえか
…
……
「で、次はこれか」
なんだ?これ……
「これは、魔力変換率を測る装置ね。この機械の範囲の中で魔法を使えば放出魔力と実際に魔法に使われた魔力を計測して、何%魔法に使われたかがわかるの。得点は小数点以下四捨五入の%よ」
魔力変換率が高ければ無駄な魔力が少なくてすむ。魔力の絶対量が少ないやつらはこれが高くないとやっていけない
俺も昔は全くと言って良いほど魔力が無かったため、この訓練はかなりやって来た…まあ、テキトーにやっても
「っ!?99.7%!?点数は100点だ」
「……もうお前何もんなんだよ勇人」
「ゆ、勇人さん、凄いです」
「これは昔から凄かった」
「うん、そうだったわね……」
若干仁と楓に呆れが出てきてるな
「てか、そんなんで無所属とかなに考えてんだ?勇人。普通に生徒会とか入れんだろ?」
「いや、無理だな。それも俺には不可能だ。それよりも仁、お前こそ頑張らないと風紀委員になれねぇぞ?」
まあ、嫌だって感情の方がデカいが
「お、おう、そうだな!よっしゃやってやんぜ!」
…
……
「ここが次なのか?」
既に面倒になってきたが仕方ないか
「はい。ここでは魔力含有量を測ります。ただ水晶に手をかざすだけですが」
「ふーん…献血の会場かと思った」
「ふふっ、確かに似ていますね」
魔力含有量、要はどんだけ魔力持ってるか…
「どうやって数値化するんだ?」
「なんでも平均的に中級魔法一発に必要な分を一点として、MAX100、それ以上も100換算だそうよ」
中級魔法一発分……なら100点で上級4~50回くらいか
…まぁ、回復力も人それぞれだから一概には決められないと思うが、魔力量が多い方が有利だな
てかまぁ、俺のは
「ほぇっ!?え、えぇ~と……最大値測定不能、100点…ですね」
「はぁ、もうなにも言う気になれねぇよ」
「す、すごいです」
「え!? 昔あんな少しだったのに……!!?」
「ゆ、勇ちゃん、何をしたの!?」
あぁ、やっぱり来るよねぇ…
昔の保有魔力量なんて思い出したくもない、身体強化が数秒しか持たないなんて
「ま、裏技使ったりなんだりとね。詳しくは企業秘密ってことで」
「むぅ…」