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2016/1/10 修正
side???
「辞めるというのは本気で言っているのか?」
「あぁ」
いきなり呼び出されたかと思えば辞めるだと?何がしたいんだこの男は……
「お前が辞めたら後釜はどうする………お前の代わりなぞ務められる奴なんかいないんだぞ、お前の我が儘で世界の力関係が崩れるということを理解しているのか?」
「そんなもんには興味ない。俺の代わりはお前がやればいい、それで十分だろ」
簡単に言いやがる、自分がどれほどの事をしでかしてきたか分かってるのか?
「待て!!これまで自分のやって来たこと全てを無駄にする気なのか?お前のやって来たことはそんな簡単に捨てられる物なのか!?」
「やりたい事をやっていただけだ、名声なんかに興味はない。それに、世界は既に動き出した。俺達がどうこうできるところはもうないさ」
「なら……この座におさまって世界の流れを見守ろうとは思わないのか?」
「もう一度だけ言うぞ?そんなものに興味はない、何度も言わせるな。それに、そういうことは性に合わない。俺は自由に生きる……昔そう決めた。誰の指図も受けないよ」
「………そんな事がまかり通るとでも?」
「通すさ。まあ安心しろ、俺はどこにも属さない。力関係が大きく崩れる事は無いさ。これからの事はお前に任せるよ、新たなる「第1位」君」
ああ、思えばこいつは最初からこうだったか。圧倒的力、それをもって他を圧倒するこの男………何物にも囚われない生き方
分かってるんだ、何を言っても今更この男が止まることは無い
「……最後に聞かせてくれ、お前の望みはなんだ?何を求める?」
「………簡単な事、自由と、平凡な日常だよ。じゃ、頼んだこと任せたぞ」
そう言ってこの場を去る。一瞬の事で既に私の感知出来る範囲には居ないか……
「クソったれ………それが、俺達の様な人間にとってどれだけ難しい事か知らん訳じゃあるまいに…」
side out