第伍話 夜の闇と心の闇
==夜==
「百鬼ィィィ!!!手前ェ、また俺の魚取りやがったな!!!!!」
「|はあは、ほうほああいんえうお。。。」(原田さん、防御甘いんですよ。。。)
「何ィ!!!百鬼!!表出ろ!!!」
ゴクッ
「原田、五月蝿ェよ。喧嘩なら外でしろ」
今晩の晩御飯である『みそ汁・白飯・焼き魚・漬物・煮物』をめぐり、毎日このやりとりが見られる。
百鬼は俺が知ってる限りじゃ、この一つの戦争・・・通称『晩御飯。早くしないと食べちゃうぞ』戦線において最強だ。
たまに親友であるこの俺の皿からも持って行く
ほら今も・・・・・って、
「百鬼!!!言ってる傍から俺の分までとるなよ!!!お前の分はここにあんだろうが!!!」
「おい、待て!!それ、俺のだぞ!!!おい、恭夜!!!!」
原田の皿へ手を伸ばし、恭夜が百鬼に差し出す
「てか、百鬼自分の分どうした!?何で食べ始めて一分と経ってねェのに人の皿に手ェ出してんだよ!?」
「俺の分・・・・・」
「原田さん、無駄ですよ。百鬼は飯食うの早いんすから。ほら」
何も乗っていない皿を原田の前へ恭夜がさしだす。
空。
「・・・ッ!!!。。。だ、だからって俺の皿に手出すな!!!ほら、高杉の分やるから、な?」
原田が隣に座っていた高杉の皿を百鬼に差し出す。
「待てよ。なんで俺の皿なんだ!!!桂ので良いじゃねェかよ。ホレ」
高杉は更に隣に座っていた桂の皿を差し出した。
「高杉!!!俺のでは無く、坂本の皿にしろ!!!!」
桂も隣に座っていた坂本の皿を百鬼の方へ差し出す。
「なんで、ワシなんじゃ~、ホレ、百鬼。これでも食いとおせ」
坂本も隣に座っていた久坂の皿を差し出す。
「あ、ちょっ!!!・・・しょうがねェ、百鬼!!!この斉t『ギロリッ』・・・(汗)、、、じゃ、じゃあ、沖田s『何か言ったけ?』(汗汗)、、、ひ、土かt『あ゛ぁ゛?』・・・(汗汗汗)」
「ダァあァァァァァァァァァァァァァァァァああァああ!!!!!!!!どうしろってんだよ、オイィィィィ!!!!!!!!」
久坂への理不尽さでこいつがブチ切れて茶碗を投げるまで後、5秒程。
ことっ
「・・・・・・」
「これ食っとけ」
魚の乗った皿を百鬼の御膳に乗せ、そう言って頭を撫でてくる少し茶色い髪をした人
「・・・ありがとうございます。近藤さん」
『いろは四十七隊』局長。近藤勇
「いいや。お前は育ち盛りだからな。・・・ほら、恭夜と平助も皿貸せ。」
ニカッと笑いながらそう言い、恭夜と平助の皿にも乗せる
「やっりー!!!」
「ありがとうございます。近藤さん」
平助が喜びながら皿を持って行き、白米とともに自分の席で食べ始める。
隣にいた沖田に少しへずられているが・・・本人気付いてないようだからいいか
原田や高杉、坂本達はさっきのことが原因でまだ乱闘しているようで、たまに桂と土方に『ほこりが立つだろうが!!!!』などの怒声を飛ばされている。
他の隊士たちは笑いながら観戦したり、野次を飛ばしたり、巻き込まれないようにとさっさと食べ終わり、食堂から出たりしている。
「・・・・・。騒がしいな」
「あれ?百鬼、こういうの苦手だったっけか?」
隣で魚を食べつつ乱闘騒ぎをかんさつしていた恭夜が声をかけてきた
「いや、、、好きだけど」
「ま、騒がしいよな~。。。近所迷惑なってなきゃいいけど」
皮肉を込めて恭夜が呟く
近所迷惑。
なってるだろ、こんだけ騒いでたら。。。
「夜番もあるし、今はとりあえず飯食っちまおうぜ」
夜番。
夜に出る化け物や犯罪を討伐する担当のことだ
「お前、日中寝てる分、ここで点数かせがねェと、給料減らされるぜ?頑張れよ、副長補佐、兼、旗持ち、兼・・・夜番切り込み隊長サマ」
おどけて言って見せながら恭夜が言って来た
「頼りにしてる。副隊長。」
「ノリ悪いぜー!!!」
夜番。
人間の犯罪と人ならざる者のいるこの世界にとって大切な仕事
いろは四十七隊において、本業とも呼べる仕事
妖怪退治。
悪鬼を懲罰する。
それが俺達の夜の本業。
さァ、始めよう
妖怪との戦いだ