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第肆話 今の帰る場所


受験おわた



あいつは言った




「守れ」




「何でも良い」





「必死になって守りたいものを最低でも一人は作れ」



「いいな?」





「       」














あれから何年経ったっけ?


もう覚えてねェ


ただ、俺の友人が言ったことだとは覚えてる


もしかしたら何百年も前だったかも知れねえけど


今の俺には関係ない事だ



今の俺は無力な人の姿で

闇を狩っている『いろは四十七隊』のしがない旗持ちクン


決して、――などでは無いのだから


俺は…














「百鬼!起きろ、んの馬鹿!!」


百鬼は親友である恭夜の声に目を覚ました


「(あぁ…夢か)」


金文字屋に手紙を届けた後に適当に街を巡り、何時ものように木に登り太い枝の上でサボっていたことを思い出す。


ふと表情に出さず慌てて自らの右側を見る


『誠』『いろは四十七隊』


一文字の漢字と二列の単語を確認して溜め息を吐く


「(よかった…)」


右手でしっかりといろはの隊旗を持ち直し、視線を目の前の青年に向ける


「何だ?恭夜…」


何時も通りの落ち着いた声で恭夜に問い掛ける



「何だじゃねえよ、何だじゃ!!もう、夕方。寝過ぎて時間感覚狂ってんだろ」


「夕方…」


百鬼はそう言えば日の光が弱くなってきたな…と声に出さず呟いた。

ポケットから携帯を取り出し、確認する


16時28分


何時もならもう屯所に帰っている時間だ


何故、恭夜に起こされるまで気が付かなかった?

その前に、誰か来れば気が付くはずなのに…


「ひゃ…き…き…てんの…よ」


ムンムンと一人思考を回してみるが理由が出てこない


何故なんだろうか…


「…い…!お…き…………おい、百鬼いい加減返事しろやァァァ!!!」


耳元で大声が聞こえ、はっと我に返る


「…はぁ………」


苛立たしげに百鬼が恭夜を見上げると、恭夜は溜め息をこぼした。そして百鬼の腕を引き、立ち上がらせた


「帰ろう。皆待ってる」


「…皆?」


「お前、本当に大丈夫か?皆は皆だよ、土方さんとか高杉さんとか!!」


「みんな屯所で、お前の帰りを待ってる。だから…ー」



『「帰ろう」』



笑って言うと恭夜は木の枝から飛び降りた。…一瞬、恭夜の姿が銀髪の友人と被って見えた

もう会うことの無いであろ友人と…


あいつの残像を追って、いや、俺は恭夜の後を追って木の枝から飛び降りた



俺の守りたいもの。


それが何なのか知りたかった

でも、何となく分かった気がする

人ならざる者の小刀あやかしのやくそく』とかじゃなくて


きっと俺は…



俺を待っていてくれるあいつ等を…

俺を黙って迎え入れてくれる仲間ってのを守りたいんだ



色々と新しいことが知れるな…ここは


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