今日、日和、鬼何思ふ
今日の日和に鬼思う
「おーい・・・・起きろ百鬼」
「・・・・・すー・・・」
茶髪の青年が布団で寝ている少年に声をかける
彼はもう20分以上この少年・・・百鬼を起こし続けている
「早く起きねェと、土方さん呼ぶぞー」
「・・・・・・」
土方ということばに反応したのか布団でねている百鬼が目を薄く開けた
「お、百鬼起きたか」
「・・・・・あと72時間・・・」
「ぷっちん」
日本、江戸
今から30年ほど前にあらわれた一人の人によりもたらされた高度な技術と文化により飛躍的な成長を遂げ、高度な文明を手に入れた国の首都。
崩れかけていた幕府を立て直し、情勢を立て直したことにより鎖国解禁後、すぐに他国と対抗ができ、いまでは世界の中心国の一つとして運営している。
主要人種は日系の人。
そして、人から視覚されない者
よくに言う、妖怪と呼ばれるものだ
この者たちの存在は見える者だけにしか認められてはおらず、その殆どが山や奥深い森。
そして、古びた家と限られている。
人と妖怪。
互いに相容れぬ関係ながらも、同じ場所にて生きている彼らの悪事を取り締まる幕府直属の陰陽寮・寺院、それと並び立ち
そして、人の悪事も取り締まる警察
それが『誠・いろは四十七隊』
ここは『誠・いろは四十七隊』の屯所である
「いい加減起きやがれ。百鬼ィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!」
「うるせェなぁ、土方さん、朝からギャーギャー騒ぐんじゃねーての」
「百鬼、今はもう昼だ」
結局、土方さんに怒鳴り起こされる百鬼であった
改めまして、俺の名前は柏崎恭夜
『いろは四十七隊』『は組』の組長やってます
隣の黒髪黒目の日本男児は土方歳三
『いろは四十七隊』の副長です
んで、青みがかった黒髪に金色に近い色の目をしてるこの寝馬鹿は黒野百鬼
『いろは四十七隊』の副長補佐・・・・と、いう名のサボリ魔兼、『いろは』の旗持ち
「まったく、何で旗持ちしてるだけなのにんなに寝れんだよ」
ぼそりとつぶやいた言葉に気付いたようで、百鬼がこちらをジーとみてくるのがわかったが無視だ
「今日は午後から会議だ、早く用意しろ」
土方さんは要件を言うと部屋から出て行こうとする
「えー、俺まだ飯食ってない・・・」
あ、土方さんの額に青筋が・・・・・
「さっさと起きねェと、日の下で五時間正座させんぞ」
「心の奥底より謝罪申し上げます、ゴメンナサイ」
まったく心の奥底から謝罪していないが(まず棒読みだし)・・・・・
百鬼は日の光が苦手だ
おかげで万年肌の色は真っ白。
「早くしろ」
土方さんは舌打ちをしてからそう一言いうと部屋を出て行った
「はぁ・・・さっきも言ったけどよ、お前よく寝てられるよな、尊敬に値するわ」
「どーも・・・」
「あ、二度寝すんなよ!!!!!二度寝したら布団ごと外に放り出しといてやるからな」
「わぁってるよ、もうしばらくは寝ねェって」
百鬼が布団から出て、布団を畳むのを確認し、俺は百鬼の部屋を出た
「はぁ、面倒だ」
百鬼は布団をしまうとそう呟いた
さっきまで騒がしかった部屋も今は自分一人となるとシーンと静まりかえり、その声は静かな部屋にしみ込んだ
青みがかった黒い長髪を少し残して紐で結い、寝着を脱ぐ黒いズボンをはき、これまた黒い長そでの服を着る、その上からまたまた黒い着流しを着て着替えは終了
「・・・・・・誰だよ、この人間・・・」
その真っ黒な姿をそのへんに転がっていた鑑を見て呟くと、壁に立てかけてあった
『いろは・誠・四十七隊』と縦三行で書かれた大き目の旗を担いで部屋を出た
この世は
夢か
幻か
現であると知りつつも
我には夢幻と
思うしかなく