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Future  作者: 神山 備
第二部 それぞれの未来(みらい)
46/55

旅立ちの季 2 M-30

【お帰り、ミク】

【ただいま】

私にお帰りのキスをするジェラールに、私も首筋にキスを落として応えた。

【両親を一度になくしてしまうなんて、辛かったね。大変だったろ】

【ううん、ずっと離れてたから現実味なくてね……それに、大変なことはみんな明日香に任せちゃったから。】

【子供たちとも会ったの?】

それから彼は遠慮がちに私にそう聞いた。

【ええ、立派に憎まれ口を叩けるようになってたわ。私、嫌いだってはっきり言われた】

【そうか……テオと同い年だったっけ? でも、嫌われたって言う割には嬉しそうじゃないか】

【嫌いだって言われた後、産んでくれてありがとうって……】

【そりゃ、やられたな】

ジェラールはそれを聞いて笑った。

【ミク、良い子たちだね】

【そう、とっても良い子たちよ。でも、私じゃあの子たちをあんな風に育てられなかったわ。妹たちのおかげ】

【そうか、そんな良い子を振り切って君はここに戻ってきてくれた訳か。私はね、もうミクが戻ってこないんじゃないかと思ってた】

【どうして? 両親がいなくなった今、私はもうここしか戻る所はないわ。それとも私はここにいちゃダメなの?】

私がそう言うと、ジェラールは、

【まさか!? その反対だよ。だから、君にこれを……】

と、言って照れながら私に一枚の書類を取り出して渡した。その書類――結婚証明書の申請――の文字がみるみる涙で歪んでいく。

【ホントに……私なんかで良いの?】

【当たり前じゃないか。実を言うとね、ミクが日本から帰ってなかなか戻ってこないから、アンに責められてたんだ。『ママンは私たちのベビーシッター?いい加減きちんとしてなかったから、ママンはダディの許に戻ってこないのよ』ってね】

【そうなの? 私はそんなつもりで、日本にいた訳じゃないんだけど】

アンヌも私の事情を知ってるはずなんだから、これはたぶん、煮え切らない父親にわざと発破をかけていただけなのだろう。わたしは、いかにもアンヌらしいと思った。

【だから……改めて言っておくよ。私は子供のためじゃなく、私のためにミク……君が必要だ。これからも一緒にいてくれるかい】

【もちろんよ!というより、私がみんなと一緒に居させて、お願いします】

ジェラールは私の返事を聞くと、片手に私の荷物を持ち、反対の方で私の肩を抱いて……私たちは歩き出した。

――私たちのFuture、明日にむかって――


 そして、その週が明けた日曜日、私とジェラールは子供たちや親しい人の前で、永遠の愛を誓い合った。


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