第11話 突然の再会
(うおおおおおおおおおおおおおおお)←心の叫び
(魚ぉぉぉぉっぉぉぉっぉぉぉ!!!)←しつこいようだが心の叫び
何で朝なんだよーーーー!!!
起きたら朝だった訳で。
隣には、ス~ス~と気持ちの良い寝息を立てる白河が居る訳で。
一晩何もしないで添い寝しただとォォォォォオオおお!!!
しかも、美味しい思い出一切無しで。
起きた瞬間、うなだれる俺。
枕をムギュッと抱きしめながら寝ている白河。
か―――可愛い‥‥‥‥。
そして何故パジャマなのか。
良く見ると俺が買ってやったパジャマだったから、着てくれているのが嬉しい。
昨日はまだ夕方だったのに、帰ってきたらパジャマ姿の白河が俺のベッドで寝ていた。
家に帰って来てさ、アイドルがベッドに寝てたら皆だったらどうする?
100パーやっちゃうよね?
嗚呼、昨日の俺に戻りたい‥‥‥‥。
「う、う~~ん‥‥‥‥」
気だるそうな甘い声を出す白河。
一瞬ドキッとして、起きたのかどうか確認してしまう。
起きた時に何て言えばいいんだろうか―――悩む。
やっぱ、お早う――でいいのか?
う~む。
しばし考察中の俺。
しかし、白河を舐め回すように見ていたら、ある事に気付く。
半開きになった口から垂れるヨダレ。
ス~ス~呼吸をするそのお口から垂れて、枕に染みが出来ている。
はは、子供みたいで可愛い。
思わず携帯で写真を撮る俺。
うむ、こっそり待ち受け画面に設定しよう。
そしてその枕カバーは二度と洗わないと、洗濯の神様に誓う。
さて、バカな事を言ってないで本題に入らねば。
「おい、起きろ」
ゆさゆさと、白河の肩を揺らす。
「ゃ‥‥‥‥」
微妙にいやらしい吐息を漏らす白河。
「や、じゃねーよ。起きろ、こらっ」
もう一度揺らす。
「ぃゃ・・・」
再度漏れるいやらしい声。
‥‥‥‥。
だぁあああああああ!!
朝だからギンギンなのによー、勘弁してくれっちゅーねん!!
くっそ~、こうなったら‥‥。
反対側に横向きになっている白河の耳元に、息をふ~~。
ビクッと白河の身体が反応する。
面白いので更にふ~~~。
としたと同時にムクリと身体を起こす白河。
「あがっ!!」
顔を密着させていた俺は、鼻が激しく白河の側頭部と衝突。
「痛ぁ~い」
「痛っーーーー!!」
鼻が、鼻が折れるっ!!
てゆーか、鼻の感覚が無い!
や、やばいよやばいよ、何だこれ。
悶絶してベッドの上を転げ回る。
「ちょ、ちょっと何やってんのよっ」
「何やって――じゃねえよっ!鼻打ったんだよっ、お前の頭にっ!!」
「ええ~?なんでぇ?」
「きゅ、急にお前が起き上がるから‥‥あ―――」
ポタポタと、鼻血が垂れる。
「きゃっ、だ、大丈夫!?え~っと、ティッシュ、ティッシュ無いの?」
尋常じゃない鼻血に、俺も白河も大慌て。
必死に手で押さえたけど、既にベッドの中央付近は術後の手術台のようだった。
「残念ながら、手術は失敗です。ご家族の皆様には、大変申し訳なく‥‥‥‥」
「ちょっと手ぇどけてっ! あぁ凄い出たね‥‥こんなに出たの初めて見た」
俺のボケはスルーで、どこからともなくティッシュを見つけてきた白河が「大丈夫?」と鼻や手に着いた血を拭いてくれる。
「だ、大丈夫だ‥‥それより、『凄い出たね』のくだり、も一回言ってくれない?」
「え?凄い出たね‥‥‥?」
「あ、やっぱいい‥‥‥」
その後、「何で鼻ぶつけたのよ」と問い詰められるが、詳細は言えるわけがない。
こいつは暴力アイドルだから、扱いには最善の注意が必要だ。
「じゃあ神崎君、手を上げて」
真摯な眼差しで、俺を犯人扱いする白河。
「た、逮捕ですか?」
「いいから、もっと手を上げなさいー」
「お、おう‥‥」
息が触れ合うぐらいに間近まで迫って言われるもんだから、素直に手を上げる。
一晩一緒に寝た事を処罰されるのだろうか。
はたまた、さっき軽くイタズラした事を怒っているのか‥‥。
ドキドキしながら待っていると、ガバッとシャツを脱がされる。
「へ―――?」
「し、下は自分で脱いでよね―――それで、シャワー浴びたほうが――」
も、もちろん脱ぎます、すぐ脱ぎます!
こ、これってあれだよなっ、「Hしよ?」って事だよな!?
大急ぎでズボンを脱ぐ。
「え、え? ちょ――なんでここで脱ぐのよっ!!」
少し顔を赤らめて、抗議する白河。
「気にすんな、これからお前も脱ぐんだからなっ!」
そう言って、もう我慢出来ない俺は白河を押し倒す。
「ちょ、何するの!?」
ジタバタ抵抗する白河の手を押さえつける。
「え――? や、やだ‥‥こ、怖い顔してるよ、神崎君―――」
う―――。
白河の悲しそうな顔に、今にも爆発しそうな位燃えていた身体が一瞬で沈下する。
は、ははは―――。
ここまでしてやめるのか、俺―――。
俺と白河、二人の間に永遠とも言える無言の空間が訪れる。
何を言えばいいのか分からない。
白河の上からどかなきゃ―――と思う反面、一応彼氏彼女って事になってるんだし、行ってもいいんじゃね?
と言う気持ちが俺を後押ししてくる。
無言で見つめ合う二人―――。
張り詰めた空気に耐えられずゴクリと唾を飲んだ俺は、「あ、あのさ―――」とこれからする事の了解を得ようと喋りだした瞬間、
「神崎君起きてー、彩乃ちゃんが朝ご飯みんなで食べようって―――」
背後から声が聞こえて、ガチャリと誰かが部屋に入って来た。
俺は振り返り、そいつと目が合ったと同時、二人は同じ言葉を漏らした。
「「あ―――」」
部屋への訪問者は麻生七見だった。
同じクラスの学級委員長。
長く伸ばした黒髪に、黒縁メガネをかけた如何にも真面目そうな女子。
何故こいつが俺の家に―――。
等と考えている時間は無かったらしい。
「し、白河さんとホントにそんな関係だったなんて―――」
両手を口に当て、目をまん丸くして驚く麻生。
「お、おい誤解だ、ななみる」
「下の名前で呼ばないでっ!」
まずい‥‥。
こんな場面を見られてマジ恥ずかしいが、そんな事より白河と付き合ってるのが学校でバレるのは最悪だ。
俺がまずいんじゃなくて、白河的に。
反射的に白河がどんな反応をしているのか確認すると、顔を反らして黙っている。
すぐにでも、いつもの瞬間移動で消えてくれれば『見間違い~~』で終わったのに‥‥。
そうするには、もう手遅れだな。
それでも、なんとか言い訳しようと口を開こうとした時、そいつが入って来た。
「ずっこいぞみるみる~、駿ちゃん起こすの加奈子つったじゃん」
麻生の後にひょっこり現れたやつ―――如何にも可愛い系の女子が着そうなフリフリのシャツにヒラヒラのスカート、毛先がくるっと内巻きになった短めの髪の毛。
―――そして一人称が加奈子。
加奈子‥‥。
「加奈子―――!?」
慌ててベッドから飛び降りる。
「加奈子っ!!」
叫びながら、俺は加奈子の手を取る。
「変わってねーなお前! 何で連絡しなかったんだよ!!」
「う、うん‥‥‥」
すまん、皆には話してなかったけど、こいつと会ったのは2年ぶりなんだ。
実は、加奈子とは色々あってだな‥‥。
「‥‥おっす! 駿ちゃんお久~~って、お楽しみ中邪魔した?」
あ、あれ‥‥‥‥?
感動の再会だったのに、なんだか態度が―――。
「―――って、みるみる、あの子って白河真琴!?」
「みるみる言うなっ!―――じゃなくて‥‥昨日聞いた神崎君の彼女でしょ」
「おお!ホントに駿ちゃんの新しい彼女って白河真琴だったのかっ、シャレかと思ってた!」
勝手に話しを進める二人。
軽く加奈子に無視されてる感じで、割り込めない俺。
いや、割り込めるわけがない。
だって今は、白河が居るから。
加奈子に、何て言っていいか分からない。
だから俺は、取り敢えず場の空気に合わせるしかなかった。
「ふざけんな、『新しい彼女』って、俺が色々女と付き合ってる‥‥みたいじゃねーか」
「え?加奈子と付き合ってたじゃん」
「つ、付き合ってねぇ‥‥し‥‥」
ロリ可愛いくせに口が悪くて‥‥‥相変わらず生意気だな‥‥加奈子のやつ。
実を言うと、思い出して涙が出そうだ。
でも白河がいるし、どうすりゃいいんだ‥‥。
非常にバツが悪いが、無言で白河から離れる。
白河も無言で起き上がり、別にボタンが外れてるわけでもないのに、パジャマの胸元を閉めて押さえるしぐさをする。
それじゃ、まるで俺が襲ってたみたいじゃねーかよ‥‥。
ちょっと待て、一旦退避だ。
状況がつかめない。
「ちょっとお前ら落ち着け、妹はどうした」
「落ち着きないのは神崎君でしょ」
「まー加奈子が来て嬉しーのはわかるけどさー」
はい、嬉しいです。
ホント言うと、こいつとは話したい事が山程ある。
でも‥‥白河の前じゃちょっと‥‥。
麻生はいいとしても、加奈子をなんとかしなければ――。
俺が深い溜息をついていると、その二人が白河を囲んで何やら騒ぎ出す。
「ちょ、ちょっとこれって―――」
「う、うん‥‥間違い無いよねぇ」
ベッドの前で何やらヒソヒソと話している。
俺のベッドがなんだっつんだよ。
白河は、相変わらずベッドの隅っこにちょこんと座っている。
「あーそのー何て言ったらいいのかしら? 神崎君――」
「なんだよ」
かしこまって話そうとするが、モジモジと挙動不審な麻生。
顔も赤い。
「みるみるも超ウブー」
「だ、黙りなさい加奈子!」
話が進まねーな、だから―――
「何があったんだよ」
「え、えっと~その、ですね‥‥」
チラチラと、ベッドに着いた鼻血の染みと白河とを交互に見て、目を泳がせる麻生。
鼻血がどうしたってんだ―――。
「ふ、二人の記念日にお邪魔しちゃって、す、すみません!!」
深々と頭を下げる麻生。
「まー、キミが彼女と何しようが勝手だけどさ、なんかムカつくよねー」
腕組みをし、生意気な態度の加奈子。
そんな二人に対して、未だに意味が分からない俺&白河。
目と目で『どういう事?』『いや、さっぱり』とアイコンタクトを打つ。
―――が、加奈子が割って入って来る。
「まぁ加奈子達もさ、勝手に入って来てなんだけど、妹がいんのにそんなコトしたらダメっしょ」
ポンポンと肩を叩かれる。
「誰が見たって、昨日は初夜だってバレバレだから――」
はああ――!? 初夜ってなんだよ、初夜って!!
「白河さん、貫通おめでとー。痛かったっしょ?」
「加奈子っ、その言い方はデリカシーに欠けているわよっ」
「へいへい‥‥」
その後は大変だった。
妹まで部屋に乱入してきて、
『兄さん、ついに男になったんですね!』
だとか、
『ちゃんと避妊はしましたか』
だの、
『終わった後もまだ入ってるような感覚があるって、ホントなの?』
『二回目もまだ痛いって話ですよ』
等と段々エスカレートし、俺が聞いちゃやばいようなガールズトークが展開された。
恥ずかしくて語りべ出来ない事を、申し訳なく思う。
◇◆◆◇
結局誤解が解けないまま、皆でリビングにて朝食タイム。
俺、白河、彩乃、麻生、そして加奈子の5人で。
ノノは朝早くから坂崎とバイトに出かけたんだと。
いや、坂崎のバイト先に遊びに行くとかだったか。
あいつ、未来から何しに来たんだよ。
まあ今はそんな事考えてる場合じゃないし、あいつがこの場に居ないのがせめてもの救い。
話しがややこしくなるだけだからな。
それより問題なのは、結局、何度鼻血だって言っても信じてもらえず、
『分かりました、誰にも言いませんから』
と、未遂に終わったにも関わらず、さながら本番終了の雰囲気だっつーことだ。
いや、やつらにとっては既に確定事項になってるし。
「兄さん、申し訳ありませんでした」
「ん、何がだ?」
「お二人を勝手に泊めて――」
確かに二人がここに居る事は気になっていたんだが、まさか泊まってたのか。
理由を聞いたところ、どうやら俺と妹の関係についてじっくり話がしたかったらしい。
「妹さんが貴方にDVされていないか、本当の事を確かめる為です――」
というのが麻生の主張なのだが、そのタイミングで白河がちゃんとフォローしてくれた。
「神崎君が彩乃ちゃんにそんな事するわけ―――」
「ああ、それはもう本人に聞いたしさーもういいって。それよりさー、加奈子の駿ちゃん寝取っておいて、あんたは許さないから」
加奈子が白河に火花を散らす。
「断っておくが、俺は加奈子の物ではない。過去、未来において永遠に」
冗談じゃない――もう俺はお前の事なんか‥‥‥‥。
「ふーん、キミ、そういう事言うんだ――」
「な、なんだよ‥‥」
真上から目線で、俺を見つめてくる加奈子。
そのクリッとした目を半開きにしてくる目線――それが懐かしくて、背中がゾクッとする。
相も変わらず口が悪いが、それを補って余りすぎる程の可愛い容姿なんだよ、こいつ。
しかもな、はっきり言ってこいつには、弱みの一つや二つ――いや、数え切れない程のやばいネタを握られている。
やりずれぇ。
「じゃあ言っちゃうけどさー、加奈子のパンツ下げて――」
「うおお!?」
「お前、加奈子のアソコ見―――」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
そ、それだけは言うな!
「た、頼むから加奈子さん? そ、それだけは内緒でお願いします。お前的にもその方がいいだろ?」
「べっつにー、加奈子は他人にどう思われようが気にしないしー」
くっそー、こいつ‥‥どうやって黙らせようか。
俺が頭を抱えていると、既に着替えを終え私服姿となった白河が、横からシャツをグイグイ引っ張ってくる。
「ねえ、どういう事? 全部話さないと死刑だからね、君」
猫目を更に釣り上げて、さながらキツネ目で問い詰めてくる。
話さないと死刑って‥‥話しても多分死刑なんですけど。
「って!そうじゃねー!! 麻生がウチに泊まった理由は分かった」
加奈子を指差す。
「でもお前が居る理由が分からんっ!」
「あ、話しそらしたでしょ」
「い、いや‥‥そうじゃくてさ、ちょっと突っ込むのは待ってくれませんか、白河様」
「ふん、何よその言い方」
すぐに話しが脱線してしまう。
もう一度言う、
「何でお前が居る!」
そう、こいつ――加奈子は、2年前に引っ越したっきり帰って来なかった。
正直――色んな壁を乗り越えて、お前に向き直ったってのに―――。
一瞬黄昏ていると、加奈子が面倒くさそうに言う。
「加奈子の上の名前は?」
「は? え~と‥‥麻生、だろ」
「だよねー、じゃあみるみるは?」
「麻生――だな」
「じゃあ二人の関係は?」
二人共麻生‥‥?
そう言えばそうか。
てことは、
「姉妹なのか!?」
「バッカじゃないの!? 従兄弟だっつーの! そもそも加奈子と駿ちゃんは同い年じゃんか」
そうか、そうだよな。
従兄弟か、ははは‥‥。
じゃあなんで、2年も連絡しなかったんだよ。
「キミさ、加奈子が戻って来て、実はかなり嬉しい感じ?」
にひひ――と不敵な笑みを漏らす加奈子。
「痛っ!」
横に座っている白河に、テーブルの下から脇腹をつねられる。
恐らく全力で。
本気で痛いからやめて?
「嬉しくなんかねーよ」と、ぶっきらぼうに答えた俺だったが、マジで嬉しいんだよ。
だって2年ぶりだし。
もう会えないと思ってたし。
でも今更―――。
「今更帰って来て、なんだってんだよっ!!」
俺が怒鳴ったせいでリビングに静寂が訪れ、やがて張り詰めた空気が漂う。
やっちまった‥‥‥。
威勢のいい加奈子も、「そ、そんなに怒鳴んなくてもいいじゃん‥‥」と下を向いてシュンとしてしまう。
そうじゃない、そうじゃないんだ。
俺は別にお前を責めたい訳じゃなくて‥‥‥いや、そうなのかな。
2年前の思い出が頭を過ぎる。
様々な葛藤が俺の中から生まれ、更に脳内を混乱させる。
「加奈子さん、兄さんの気持ちも少しは考えてあげて下さい」
多少は事情を知っている妹が沈黙を破る。
「禁断の恋ですけど、確かに兄さんは加奈子さんが好きでした」
「お、おい彩乃――」
「いいんです、兄さんは黙ってて下さい」
白河とは反対側の――要するに俺の隣に座っていた彩乃に手で口を塞がれる。
「わたしとしては、二人の間を認める訳にはいきませんでしたが、付き合っていたのは知っています」
「そ、そうなの加奈子!?」
「まぁ、そうだけどさ」
麻生は知らなかったのか‥‥そうだよな、クラス別だったからな。
でもまずいな、白河にはこの事だけは知られたくなかったんだよ。
一体今白河がどんな形相なのか、怖くて見る気にもなれん。
しかも、既に横から黒いオーラをビシビシ感じるし‥‥。
そして加奈子が白河の理性を吹っ飛ばす。
「毎日キスしたもんね。あん時の駿ちゃん、情熱的で可愛かったなー、にひひひ――」
「バ、バカお前――や、やめろ、そんな事言うな―――」
バンッ――――――!!!!!!
「うわっ!!」
「わわっ」
「きゃっ!!」
「ええ!?」
何もしてないのに、食卓テーブルが30センチ程跳ねた。
その衝撃で朝食のパンやら目玉焼きやらコーヒーが、酷い事に。
俺なんか、飲みかけのコーヒーがほぼ全部ズボンにかかった。
一同騒然、それぞれの服や床はびしょべた。
いや、それ以上に普通に起きたポルターガイスト現象に全員慌てふためく訳で‥‥。
その混乱の中、
「ちょっと君と二人だけで話しがある――」
と、腕を掴まれ一瞬で白河の自宅へと移動した俺達――。
言葉だけで捉えれば、甘い展開も予想されるが、もちろん期待出来るわけがない。
嗚呼、マジかよ‥‥‥‥。
説明しなきゃダメか―――。
12話へ続く