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カラダがどんどん改造されるわけ  作者: 739t5378
第2章 カラダが改造されたあと
28/45

第8話 どんな展開だよ

落ち着いた静寂の中ゆったりとした空気が流れるリビングで、俺達5人はまったりとお茶をしていた。


何故まったりする必要があるのか知らんが、確かに未だ不明の昨日からの状況に対しての説明が欲しいところ。


つまりは落ち着いて話そうってことなんだが…。



「てめー、くっつくんじゃねーよ」


「……」


「お前に言ってんだよっ」


「あ、失礼、僕の事でしたか」



優雅に人の横で茶をすする例のシロー(キモ男)。


二人掛けのソファーに3人座ってるんだよね。


当然狭くて仕方がない。


まあそれは良いとしてだ。


どうして、このシローとか言うキモ男が俺の横なんだよ。


そしてなんでこいつを挟んで白河が座ってるわけ?


俺は納得出来ない――と言った顔を、その横の白河に向け訴える。


しかし意志が通じず、敢え無く無視される。



「あの…聞いてもいいですか? シローさんってどんな人なんですか?」



かしこまってキモ男に話しかける白河。


いや、かしこまるだけならまだしも、声は上ずり目は輝いている。


ちぇ、俺に対してそんな態度とったことないのに。


なんかムカつく。



「僕ですか…僕はマスターによって設定されマスターの為に存在し、マスターをお守りするのが役目です。しかしこの時代での稼動時間はごく僅か、残すところ後3時間程度…」


「えっ、もうそんだけ!? 早く言ってよシローちゃんっ」


「申し訳ありませんマスター。昨日、この時代の情報収集に時間を使ってしまったので…」



俺達3人――俺、彩乃、白河を置き去りにして、会話を進めるキモ男とノノとか言う女の子。


全く意味不明。


しかもこの時代とか言ってるし、もしかして頭イっちゃってる人達なんだろうか。



「シローちゃん居なくなると困っから、起動オフにするよ」


「はい、マスター」



何が起動オフだ、何かのアニメの真似か?


などと思っていたら、ノノが耳元のスカウター(?)に手をかけピコピコ弄り出す…。


するとキモ男がシュッと消えて、それはまさに白河の瞬間移動のようだった。



「ぬおっ!」

「ええっ!?」



真ん中のキモ男が消えて、目を真ん丸くして見つめ合う俺と白河。


何度も言うが、説明が欲しい。


説明が欲しいが、ノノとか言う女の子はちょっと頭弱そうなんで、事情を知ってそうな彩乃に目で訴える。



「に、兄さん…そんなに見つめないで下さい…」



だーーーっ!


説明しろってんだよっ!!



「彩乃、分かってんだろ? 説明しろ」


「あー、シローさんですかぁ? え~っと…なんでしたっけ…?」



俺の問いに答えられない彩乃は、横に座るノノへと視線を向けた為、結局本人からの説明を待つ。


まあ待つ暇も無く即答だった訳なんだが、いまいち分からない。



「TP4000W人型――だけど、何か?」



当然のように答えるノノ。


唇に人差し指をあてながら、首をちょっと傾げるしぐさで俺達に訴える。


ダメだ…この子に説明を求めても無駄らしい。


そう思い、再度彩乃に話しを振ってみる俺。



「彩乃、そもそもこいつは誰なんだよ」


「え? ノノちゃんですか? え~と、兄さんと白河さんのひ孫さんらしいですぅ」



突拍子もない話に、間髪入れず白河が割って入る。



「ちょ、ちょっと彩乃ちゃん、それってどういう…」


「俺と白河のひ孫って…」



俺も追随するが、『俺と白河のひ孫』っていうところがちょっと嬉しくてニヤッとしてしまう。


何となく、白河と子作りに励む――という妄想を始める俺。


そんな訳で全身の血液がある一点に集中し出したのも束の間、トリップもそこそこに彩乃の説明が続き、彼女は未来からやって来た俺と白河の子孫――ひ孫的な存在だと言うことが判明。


本当か?


にわかには信じられない話しなんだが…


って事は俺と白河が結婚して子供作って――という事になるな。


妄想的中――等と、ちょっと想像して嬉しくなる。


そして再度トリップに突入する俺。


子作りへの第一歩はいつなんだろう…ウヘヘヘ。



「ちょっと待ってよ! それって私と神崎君が結婚するって前提の話しだよね!?」


そうそう前提。何か問題でも?


愛し合う二人に何が問題なのか知らんが、白河が不満そうな意見をぶっちゃける。


なんでそこで不満そうなんだよ。



「ホントだよ。ノノは可愛いひ孫なんだよ? 会えて嬉しいっしょ?」



悪戯小僧みたいな表情で、ニヒヒと笑うノノ。


言われてみればこいつの顔の輪郭といい、目や鼻や…口、なんだか白河に似ている気がしてならない。


髪型も短めで、上で一箇所結わっているのを除けば、白河と同じ位の長さだし。



「そんなに見つめないでよ、じーちゃん」



キャハッ――っと照れ笑いのノノ。


白河に似てると意識すると、なんだか可愛く思えてくるから不思議。


ただ雰囲気が悪戯っ子なんで、かなり斬新な白河像だ。


たぶん年も結構近そうだし…。


いやいや待て、でも未来人らしいぞ。そんな事を信じて良いのだろうか?


頭弱そうな女の子の、未来人発言を信じて良いのかって事だぞ。



「そういえば…ノノちゃんって神崎君には全然似てないよね…」


「そうか!? 俺は白河にそっくりだと思うぞ?」


「うん、確かに私には似てるんだけど…」



この時は、女の子だから白河に似ていて良かったな――と、素直に思っていた。


そして当の本人であるノノも、「じーちゃんには似てないよ…」と一言。


まあそんな事はどうでもいい。


それより、未来人ってのは本当なのかってのが知りたいんだが、ストレートに聞いてもこいつは意味不明なんで気になる事を少しずつ聞いていくことにする。



「お前さ、今いくつ?」


「14」


「――ってことは、二つ下か…」


「違うよ、もうすぐ15っ」



ふ~ん、成る程…。


一つ下か…そうかそうか、どうりで…。


まずまず発達している胸を見て納得する俺。


さすが白河の遺伝子、ちゃんと引き継いでいるらしい。



「あのさーノノちゃん? 私達って未来ではまだ生きてるの?」



未来人を完全に受け入れた感じで質問する白河。


さすが能力者、器がでかい。


パイもデカいからな。



「もちろん生きてるよ!? 何言ってるの!? ばあちゃんまだ現役のアイドルだよ!?」



は? 現役のアイドル? ひ孫がいるのに?


さすがに白河でも、ばーちゃんだぞ…?



「ちなみに確か…102歳だったかなぁ」


「102歳!?」

「102――!?」



ノノからの衝撃的な事実に顔を見合す俺と白河。


当然だろ、102歳って…。


俺達って長生きなんだな…。


ってそうじゃなくて!



「いや、はっきり言おう。お前がひ孫だとか、いまいち信用出来ないんだよ」


「あ~めんどくさー。じいちゃん物分りわるーい」



この後ノノの説明が続くが、本当に分かり辛かった。


要するに未来人っていうのは本当で、例のシローとかいう男は、未来では普通にフィギュアとして売られているような単なる玩具的な物らしい。


普通に秋葉で買ってきた――等とノノは主張し、しかも設定したマスターに忠実で何でも言う事を聞いてくれるらしい。


何やら、何とかってアニメのキャラなんだと。


知るかってんだよ。


しかし…どうなってる?未来の日本――的な事は今は置いといてだ。


聞きたい事は山ほどある訳なんだが…面倒なので今は終了。


白河も、入れ替わった美琴が心配だって言うから一時中断。


厄介者は彩乃にまかせ、俺は自室に退散する事にした。




◇◆◆◇




一人部屋でニヤニヤする俺。


ぬふふふ…だってよ、白河と結婚する未来確定だぜ?


顔の緩みが止まらない。


え? あいつの言う事を信じるのかって?


信じるよ?


だってノノは妙に白河に似てるし、都合の良い事は信じる主義なんだよ。


文句ある?


ぐふふ…子供何人作るのかなー、いやそもそも最初の子作りはいつなのかな~。


輝く未来に乾杯だぜ!


まさにトリップ全開な感じで、子作りシーンを妄想中な俺。


もちろん血流全開な為、ギンギンになった物を取り出し、ティッシュの準備。


だってしょうがないだろ? 我慢出来ないんだよ。


しかしそのタイミングでドアが開く。



ガチャ―――。



ひょっこり顔を出す白河――。



「あ」

「あ」



二人してポカンと口を開け、互いを交互に見たり、俺の息子に視線が行ったり…。



「ギャーーー!!」

「キャーーー!!」



俺の発狂と同時に叫ぶ白河。


そして「神崎君の変態っ!!」と言って走り去る白河。


取り残され、息子を握っているままの俺。


しくしくしく……。


泣いて良いですかね?


固まって動けないでいると、ひょっこり白河が顔を出す。



「まだやってんの?」


「ギャーーーー!!」


「それはもういいって…」



慌てて股間を隠す俺。



「ちなみに~ノノちゃんでしたっ!」



テヘッと舌を出す、ノノ。



「お前かよっ!」


「どお?似てるっしょ?」



下ろした前髪を上げ、上で結ぶノノ。


その姿を見て、超脱力の俺。



「じーちゃんさ、相変わらず自家発電してんだね」



ニヒヒヒ…と怪しくニヤニヤするノノ。



「何だよ、相変わらずって…」



一つしか違わないが、こんなガキに舐められたらいかんと、敢えて冷静な俺。



「じーちゃん未来でも、いつも自家発電してるし」


「はっ!? 未来って、俺102歳だよな?」


「うん102歳」



ガクッ――102歳で自家発電する俺って一体…。



「じーちゃん102歳で童貞らしいよ」


「なんだって!?」



衝撃的な事実発覚――。


おいおい、ちょっと待て。



「ふざけんな、ならどうやってお前が生まれる!? お前は俺と白河のひ孫だろ!?」


「さぁ…じいちゃんが童貞だって言ってたし…う~ん、詳しい事は知んない」



末恐ろしい未来の予感。


そしてこの後、更に新事実が発覚する。


どうやら102歳の白河と俺は、今と同じ姿――若いまんまらしい。


どうなってんだよ!?





9話に続く



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