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カラダがどんどん改造されるわけ  作者: 739t5378
第2章 カラダが改造されたあと
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第5話 俺に自由は無いのか

「あ、ちょっ! 変なとこ触んじゃねーっよっ!」


「しょーがないでしょ!? ちゃんと洗わなきゃダメなんだからっ!!」


「いや…でも…だってお前…」


「が、我慢してよ…」


「我慢するけどさ…何で手で擦るんだよっ! か、感じちゃうんですけど…」


「やっ―――!!! やめてよそういうこと言うのっ!! 変態っ!! しょうがないでしょ!? いつもそこは手で洗ってるんだからっ!!」


「変態ってお前っ! お前のま――いや…ア――…あ~っと…とにかくっ! そこは敏感だからもっと優しくしてくれっ!!」


「う~~~もうやだ……泣きたい…」


「俺もだよ…」



え? 楽しそうだって?


ぶっとばすよ!?


確かに絶賛白河とシャワータイム中なんだけどさ…。


これでもかってくらい目隠しされてるし、後ろ手できつく縛られてるし。


俺の自由はまさに皆無。


まあしかしだな、正直言うと楽しくない…こともない。


あいつ大事な所は手で洗う派らしくてだな…妹の手だが、白河が白河の部分を洗って…って! ややこしいわっ!!


そんでもってだな! その時にっ、思わず声が出ちゃいそうなんだよっ!!


分かる!? その時の恥ずかしさ!?


元に戻ったら、たっぷり思い出してやるからな!!


じゃなくて!!


自分が感じてる姿を思い出して萌えられるかっ!!


ややこしすぎるわ!!


ああ~~…もうわけわかんね~。


…………こほん。


実はだな、研究所を出てからずっと白河と二人っきり。


彩乃は研究所に残ったから、二人で俺んちに直行。


そして家に着いたとたん、



「シャワー浴びてよ…」



って言うもんだから、「喜んで!」と返事したところ今に至るってわけ。


一瞬一人で入れるのかと思った俺は、あんな事して――こんな事して――なんて思わず夢を膨らませちまったがな…。


そりゃそーだ、一人で入れるわけがねー。


それでも俺は、もちろん諦めなかったさ。


目隠しする為に頭を手拭いでグルグル巻きにしてあるからな? そのままじゃ髪洗えないだろ?


予想通り、その時手拭いを外された俺は全力で開眼。


彩乃の顔が目の前に見え、そしてすぐにシャンプー液が侵入…。


目が死ぬかと思ったぜ。


しかも目と目が合ってバレちゃって、「もう絶対信用しないっ」とか言われるし。


その後のガードの硬いこと硬いこと…。


しかしだな、冒頭にあったようにその後はエキサイティングだったぜ。


こいつさ、身体洗うのに基本スポンジ使ったんだが、何故か最初に全身に泡を伸ばすんだよ。手で。


しかも重要な場所を手で洗いやがって…。


傍からみたら絶対怪しい関係だよ。女の子同士で。


このまま戻らなければ同性愛に発展するのか…? など考えていると、なにやら白河が一人ブツブツ言い始める。



「あ…やだ…どうしよ…最近いつしたっけ…?」



したって何だよ。


ちょー気になるじゃねーか。



「ねぇ神崎君、いつ元に戻れるのかな?」


「さあな…如月さんが何とかしてくれるとは思うけどさ」


「そうだよねぇ、う~ん…」



何でか知らんが、シャワーでそんなに悩む事があるのか?


俺なんか、5分でシャワー終わらせんのに。



「なんかまずいのか?」


「べ、別に…何でもないからっ! へ、変態は黙っててっ!」



気になって話しかけたら怒るし、意味わかんねえ。



「ちょっと手上げてくれる?」


「上がるわけねえだろっ」



後ろ手で縛られてんのに腕を上げろと?


またこの天然娘は、意味不明な事を仰る。


結局、腕の拘束を外され自由の身になった俺は言われた通り万歳をする。



「言っとくけど、手を動かしたら絶交だから」



絶交は恐いので言われるがままの俺。


そしてそのまましばらく放置―――。


何してんだよ…。



「あのー、上げた手がしんどいんですが…」


「いいから黙ってて」



冷たくあしらわれ仕方なくジッとしていると、脇の下を指でスリスリと擦られる。


右脇をスリスリ…左脇をスリスリ…。


…………。


あー、何がしたいか分かった。


妹は目が悪いからな。


触らないと分からないんだろう。


そしてその行動の意味を理解した俺は、つい白河をからかいたくなる。



「わき毛でも生えたか?」


「バ―――そ、そんな物、は、生えるわけないでしょ!?」


「あ、そうなんだ」


「ち、違うからねっ」



そんなに噛みながら否定しちゃって、可愛い奴め。


まあ確かにあれだ…俺自身、好きな女の子――白河には幻想を抱いていたからな…まさかそんな所に毛が生えるなんて、正直考えもしなかったぜ。


でも…そうだよな、同じ人間。


みんなだって、きっとそうなんだろ?


…と、意味もなく全国の女子達に心の中で聞いてみる。


幻想が打ち砕かれた気分でちょっと切ないが、それ以上に白河の秘密の部分に触れて結構満足な俺。


ああ、男って不憫だぜ…。


しかしだな…何だか俺自身も恥ずかしくなって黙っていると、その後も全身を執拗にサワサワと触ってきやがる。



「は、ははははは! 何すんだよっ、や、やめろ! こそばい!」


「い、いいから黙っててよっ」



何がしたいんだよ…。


まあ間違いなく、そういう事だと思うけど。


執拗に全身、太ももから足の先の方まで撫でられました。



「お前…そんなに毛深いのか?」


「ち、ちが――!! え、えぇと…マ、マッサージ! そうよっ美容の為にこうやって擦ると、血行が良くなって…」



いや…絶対無駄毛のチェックだろ。


必死に言い訳しやがって、更に可愛い奴。


しかし…あれだな。


アイドルでも毛は生えるんだよ。


ピュアな俺も勉強になったし、なんだか少し興奮してきた。


目隠しもされてるせいかさ、想像力が膨らんじゃうっていうか…。


クッ―――!! 新たなフェチ要素を俺に植えつけるんじゃねーっ!!


相変わらず、こいつは天然でHな事をしてくる。


き、危険だ…。



「う~ん…まぁいいかなぁ…じゃあ出よっか」



と、明らかに『まだ処理しなくてもいいか』と心の声が聞こえてきそうなコメントを残して、風呂場を後にする俺達。


前から思ってたけど、お前は絶対嘘をつけないタイプだな。


そういうトコ、激しく好きだぜ。


と、一方的に愛を深めたところでシャワータイムは終了。


そして目隠しのままお着替え。


なんだが…。



「俺は何を着るんだ?」


「あ…」


「…い、いっておくが、俺のせいじゃないからな」


「分かってるわよ…」



当然の如く、着替えの無い白河の身体。


俺としては、別にノー下着でシャツを着る―――とかでもいいんだが…。



「しゃーない、脱いだ服着るか」


「い、いやよそんなのー。ダメに決まってるでしょ?!」


「んじゃどうすんだよ、買ってくるのか?」


「誰が行くのよ」


「お前」


「き、君を一人に出来るわけないでしょ!?」



そんな事言ったってな~。


ああ~何この状況。


風呂場の前で、依然二人は素っ裸。


そして俺は目隠しに再び縛り手。


意味不明状態。



「は~、座っていい? 目隠しのまま立ってんの疲れるんだよ」



ペタン。


その場に女の子座り。


あ――――。


なんだかモフモフというか、モゾモゾというか…。


え? なにがって?


いやその…毛が…。


足と足の間って言えば分かる?


何だかさっきから、毛の事ばっかり考えてるんだけど…俺。


でもしゃーないんだって、男だったら、いつもプランプランさせてるものは無いし…。


要するにアレがあるせいで、ピッタリと足を閉じる事なんてない訳で。


つまりはそう言う事でして…。


「美琴呼んでくる」


気になる…。


どうやったら感じる事が出来るんだ?


う~む…。


色々と態勢を変えたり、腰を動かしたりしてみる…。



「……な、何してるの……」


「いやその、毛が気になって…」


「…………」

「…………」



げっ!!


やべっ、つい思った事が口にっ!



「き、君ねぇ……」


「いやっ! ち、違うんだ!! これには訳がっ!!」


「どんな訳よっ!?」



はい、怒られました。


たかが足を閉じてモジモジしていただけなのに…シクシク…。


しかも、今度はその足も縛られてしまう。



「これ以上変な事したら、元に戻った時ホントに酷いんだからねっ」



言葉だけ見れば所詮女の子。


酷いって言っても大した事ないって思うだろうけどさ、こいつはキレると本気で暴力を振るうんです。


しかも最近は、新たな能力でどこからともなく凶器を呼び寄せるしだな…。


学校で白河がやったように、机や空き缶を遠隔?で瞬間移動させて――なんて事、今の俺にも出来るのかな? と、ふと考えてしまう。


ま、必要に迫られたらやり方を白河に聞いてみよう。


そんなこんなで、過去に受けた暴力の数々を思い出しつつ、足をガッチリ固定され大人しくなった俺。


どんな縛られ方なのかはご想像におまかせしますが…絶対これ何かのプレイにしか見えないからっ!


いいのか!?


これ、お前の身体だぞ!?


元に戻ったら、同じように縛ってやろうかと変態想像まっしぐらでいると、すぐ側で一陣の風を感じる。



シュッ―――。



当然周りが見えないので、何があったか知らん。



「あのさ、どんなプレイ中なわけ?」



そ、その声は!


美琴がきたらしい。


ナイスタイミング!


……なのか!?



「え~っとさ…まだ中身神崎君だよねぇ?」



いまいち状況が分かってないのか、不思議そうな美琴。



「あ、あのさ…一体二人で何してたの? どうやったらそんな事になるわけ? どんなプレイ?」



明らかに、『私ついていけないんですけど』的な反応の美琴。


ま、まあ正常な反応と言えよう…。


仕方ないんで簡単に事の顛末を美琴に説明。


二人でシャワー浴びて全身洗ってもらって…そして恥ずかしい部分は上手く説明出来ない俺。



すると「楽しそうで良かったね」などと、完全に第三者的な雰囲気を醸し出しているんで、つい同じボディーをお持ちの美琴さんにうっかり聞いてしまった。



「あのさ、白河って実は毛深いのか?」



この一言が運の尽き。


ほぼ同じ性格の持ち主である。


どこかのスイッチを入れてしまったのか、



「き、君って人は……お、女の子に何て事聞くのよっ!!」



恐らくこの身体が白河の物だという事も忘れていたのだろう。


一瞬で頭上に無数の気配を感じ、次の瞬間にはドサドサと何かが降り注いで俺に打撃を与えてくる。


たぶん匂いからして本やら雑誌やらだろう。


硬い物じゃなくて良かったと思いつつも、



「痛っ!」



中にはハードケースの角といった凶器も含まれる。


そして怒った美琴は「ふんっもう知らないっ」と、どこかへ行ってしまう。


再び一人にされてしまった俺。


傍から見たら、手足を縛られた少女が何十冊という本に埋もれて、伸びているという図である。



「彩乃~早く帰ってきてくれ~~」



普通に妹に助けを願う俺だった。




◇◆◆◇




「じゃ私そろそろ帰るね、明日早いし」


「あーうん、そだね。朝普通に事務所に出勤だから」


「うん、りょうかーい」



あの後、なんとか落ち着いた俺達。


明日の白河の予定―――テレビ出演と打ち合わせを美琴に頼み終わった俺達は、リビングのソファーでくつろいでいる。



「ふあぁ~…もう眠いね」


「ああ、さすがにな」



既に結構遅い時間だった。



「んじゃ、白河は彩乃の部屋使ってくれよ」


「うん分かった」



という感じで、お互いの部屋に別れたはずだったんだが…。



「紐解いたらどうなるか分かってるよね?」


「も、もちろんです」


「ちゃんと寝てよ? 寝不足はお肌に悪いから」


「ああ…で、でも寝れるかな~」



何故か妹のベッドで一緒に寝ています。


お互い、姿形が変っているとはいえ、基本は俺と白河です。


二人で寝るなんて…悪くねえ。


悪くないんだが…。



「あのー白河さん? せめて足だけでも自由にしてもらえないでしょうか?」


「それは無理」


「じゃ、じゃあ…後ろで縛っている手をせめて前で縛ってほしいなあ、なんて…」


「あーもっと無理」



シクシク…。


こんな状態で寝れるかっちゅーのっ!!


酷くない!? 俺の扱い酷くない!?


こうして、初めての二人の初夜は何事もなく更けていったのだった。


隣ではス~ス~気持ち良さそうに寝息を立てる、我が義妹の可愛い寝顔。


そして身体が不自由で、ゴロゴロと寝返りを繰り返すが眠れない俺。


明日は土曜日だ。


この状態で、一日白河と一緒なんだよな…。


どう過ごそうか…はたまたこの天然娘が何を言い出すのか…色々妄想しつつ、やがて眠りに落ちた。





6話に続く

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