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カラダがどんどん改造されるわけ  作者: 739t5378
第1章 カラダが改造されるまで
13/45

第10話 休日はデート その①

日曜日 朝―――――



俺は今、猛烈に反省している。


朝起きたばかりだが、反省している。


何をかって?


最近の自分の変態っぷりにだ。


自分でも思う。


どうしても、白河を見るとやらしい気持ちになってしまう。


白河だけだぞ。


他の女には、そこまでじゃない。


どうしてあいつだけ・・・・。


これって恋ですか?


いやいや、あいつが天然でイベントを発生させるのが悪いんだ。


そもそも、俺が率先してセクハラしたわけじゃ・・・・若干あるか・・。


でもな、こんな俺をあいつはデートに誘ってくれたんだよ。


こんな変態の俺をだぞ。


マジで嬉しいんだよっ!!


そして、普通に男として見てくれてた事に驚いてる。


だから、今日は絶対にあいつを楽しませてやるんだっ!!


アイドルからの、お誘いだぞ。


たまんね~な、全く。


まあ、ロリなのがちょっとな・・・残念だけどさ。


それでも充分可愛いしなっ!!



「兄さ~~ん、朝ご飯ですよぉ~~。」



下の階から、妹の呼ぶ声。


ん? なんであいつ、こんな早くに起きてんだ?


彩乃も出かけるのかなと思いつつ、寝巻きのままリビングへ。


妹は、いつもの朝の如く朝食を準備している。



「なんだお前、出かけるのか?」


「はいっ!! 兄さんと一緒ですよぉ~~」



目玉焼きをジュージューやりながら、元気良く返事をする妹。


朝からテンション高いなこいつ・・・。


じゃなくて、突っ込むところはそこじゃないだろ。


俺と一緒ってどういう意味?


まさか俺と白河の、甘~~いデートに着いて来る気か?


いや、さすがにそれはないだろ。


じゃあ、あれか。 あいつも今日デートってことか。



「彩乃、お前も今日デートなのか?」


「もちろんですっ!」



そうかそうか・・・。


あいつもやっと、真実の愛に目覚めたんだな。


俺も応援してやらねば。


とか言いつつ、だんだんイライラしてくる・・・・。


あいつ、誰とデートなんだ?


いや、素直に応援したいという一般的な気持ちもある。


けど・・・誰だっ!!


人様の妹に手ぇ出す奴はああああ!!


むむむむう~~~。


ダ、ダメだろっ、折角あいつが普通の女の子として、羽ばたこうとしているのに。


む~、しかし『あいつは俺のもんだ』って気持ちもある。



「あ、彩乃さん? 今日は誰とデートなのかなあ?」


「兄さんですけど?」



ホワッツ? 俺? 



「お前と俺がデート?」


「そうですよぉ。昨日の電話、聞いてなかったんですかぁ?」



・・・・・・・・。


聞いてませんでした。


ん~~てことは・・。



「もしかして、今日って三人で行くわけ?」


「いまさらなに言ってるんですかぁ。彩乃を置いていくつもりだったんですかぁ?」



あ、あははははは・・・。


そうだよね~。


白河が俺と二人でデートなんて・・・。


可笑しいと思えよ、俺。


どう考えても、好感度下げまくりだもんな。


いやでも・・・


一応誘ってくれてるわけだし・・・う~む。



既に妹の心配なんて、すっかり忘れている俺だった。



しかし・・・こいつの格好・・・。


もう家を出て、駅へと向かう道中。


彩乃のやつ、めっちゃオシャレしてる。



普段はツインテールの髪も下ろしているし、こいつにしては珍しいヒラヒラのミニスカート。


ちょっとヒールの付いた靴に、白いニーソックス。


そして、フリフリでいっぱいのノースリーブシャツ・・・。


しかも化粧してやがんな、こいつ。


マセてんじゃねぇよ。



いや可愛いよ。


新鮮だしな。


だけどな、こんな気合の入った妹と、兄が一緒に歩いていたらどうよ?


世間的に。


しかも、俺なんか普通にTシャツにジーンズだし・・・。


一応、お気に入りチョイスだけどさ。



ま、いいか。


結局そうなる。



で、いつもの如く手を繋いでくる妹。


いい加減やめろって何度も言ってるんだが、言う事を聞かない。


まあ別に嫌じゃないよ?


いつまでも兄さん兄さんって、甘えてくる妹を嫌いな兄貴なんていないだろ?


だけどさ、これまた世間体ってやつ?


こんなところ、坂崎にでも見られたりしたら・・・・・別にいっかあいつなら。


いやそれよりも、クラスの女子に見られた時の方がやっかいだろ。


シスコンの烙印を押され、影口叩かれるのは目に見えてる。


今以上にモテなくなるのは辛い。


なんとか知人に見つからないよう、祈るばかりだ。



「兄さん兄さん、今日はいっぱい絶叫マシーンに乗るんですよっ!」



楽しそうに、繋いだ手をぶんぶん振る妹。


あれ? 


こいつ絶叫マシーン苦手じゃなかったっけ。


確か、だいぶ前に行った時は『やだやだ乗らないですぅ』とか言って、怯えてなかったか?



「お前も乗るのか?」


「頑張ってみますっ!! ・・・あぁ~でもぉ~白河さんと楽しんで下さいねぇ~」



俺を覗き込み、その後「ふふふ」とこっそり笑みを浮かべる、我が義妹。


何か企んでやがるな、こいつ・・。


そんな影でニヤリとされたらバレバレなんだよ。


まあどうせ、大した事じゃないだろ。



程なくして駅に着いた俺達は、電車に乗って、白河との待ち合わせ場所を目指す。


合流ポイントは、3つ先の駅。


白河のマンションからの、最寄駅だ。


電車を降りて、ホームで待つ。


白河はまだ来ていないみたいだ。


まあ、約束の時間まで15分あるからな、そろそろだろ。



5分程、ボ~っと佇んでいたら、妹に電話がかかってきた。



「はい、彩乃ですっ! おはようございますぅ~―――――――はいっ・・・えっ?そうなんですか?・・」



恐らく電話は白河だな。


ちょっと遅れるとか?



「え~でもぉ~・・・・はい・・・ほんとに先行っちゃっていいんですか?」



先行けってかっ。


どんだけ遅れるんだよ、あいつ。



「兄さん兄さん」と、妹が困った顔で俺の手を引っ張る。


「先行けってんだろ?」


「はい・・そうなんですぅ」



まあ妹が心配するのも当然だな。


遠出で遊びに行くのに、先行けってんだから。


でも、実は問題無いんだよ。


あいつは例の能力があるからな。


たぶん、連絡無しのピンポイントで、俺らの前に現れるだろう。


心配顔の妹に、面倒なので大した説明もせず、とりあえず現地を目指した。




少し時間は戻り、白河の自宅――――――



私は悩んでいた。


今日、なに着て行こうかと。


昨日、あらかた中学時代の服は出しておいた。


こうして、部屋にいっぱい並べて、どれにしようか考えているところ。


だってね、絶対彩乃ちゃん、オシャレしてくるもん。


彩乃ちゃんって、凄く可愛いしモテると思うのよね。


だから、一緒にいると注目されちゃうし・・・。


あ、別に対抗してって訳じゃないんだけど・・・。


い、一応・・私の方がお姉さんなんだし、負けたくないっていうか、そのぅ・・。


並べた服を見返す。


どれも、なんだか子供っぽい感じがする。



「彩乃ちゃん、どんな服でくるのかなぁ」



想像してみる。


脳裏に浮かぶ、彩乃ちゃんの可愛い姿。


うん、きっと可愛い系でくるに違いない。


そう思ったのには、理由がある。


実は私も、可愛い系しか持ってないんだよね・・・。



「い、今はちょっと大人っぽいのだってあるんだからっ」



誰に言い訳するでもなく、つい呟いてしまう。


どれがいっかなぁ~~♪


黒いミニスカートを手に取る。


3段カットのフリル。


これなら、ボリューミーでいい感じかも。


ちょっと子供っぽいかなぁ~。


とりあえず履いてみる。


そして鏡の前で、飛んだり跳ねたりクルっと回ったり・・・。


うふっ♪ 可愛いぃ~~。


ミニだけど動いても殆どめくれないし、これにしよっと。


と思ったけど、こっちのパニエもいいなぁ~~。


これだったら、上は・・・・・。



一時間経過――――――



よしっ、完璧っ! 絶対可愛い。


鏡に向かってアイドルポーズ。


うん、満足。


結局、下はシフォンの黒いパニエ。


で、銀の花柄ラメのキャミとぉ~、白いニーソックス。


ニーソックスはピンクのフリル付きだけど、網状だから大人っぽい。


もう一度鏡を見る。



や~~~やっぱりダメぇ~~~~。



なんだか、キャミから露出してる、ブラの肩ヒモが子供っぽい・・・。


う~~~~このサイズだと、大人っぽいのないのよねぇ~~。


恨めしく自分の胸をさする。


これかぁ、どうしよ・・・。


光沢のある、ピンクのブラを取り出す。


着けてみるけど、やっぱりサイズが大きくてパカパカする。


でもこれにしよっ。


しょうがないんだもん。


ちょっと大きいけど、我慢する。


どうせ当ててるだけなんだし・・・。



ふと時計を見る。



「やっば~~~いっ!! 時間ないじゃないっ!!」



急いでお化粧する。


日焼けが気になるから、ファンデして。


リップは薄めで。


う~~ん、幼い・・・・。


当然だけど・・・。


目元を弄りだす。


ラインを入れて、ちょっと吊り上げる感じで大人っぽくして・・・。



・・・・・・・・・・。



はっ!!!


今何時!?


キャァ~~~~~~~~


もうすぐ待ち合わせの時間じゃない!!



急いでバックを片手にかけ玄関に。


そして振り向く。


もう一度、鏡の中の自分を見る。



「あ~~ん、リボン着けてなぁ~~~いぃ」



中学の時、よく着けてた黒いリボン。


あれがないと決まらないのよっ。



探す。 探す探す探す・・・。



でも・・・見つからない。


「あ~~~んどうしよぉ~~~」


どうしよっ、どうしよどうしよ。



どうしても、あきらめきれない自分の性格を呪いつつ、



「電話しよっ」



という結論に至る。


ダメだ、彩乃ちゃんに先行っててもらおう。


ちょっとずるいけど、例のあれですぐ追い着けるし・・・。


彩乃ちゃんに電話して、その旨を伝える。



ごめんね、彩乃ちゃん・・・・・。



結局、準備が整ったのは30分も後だった。


よしっ! いくよっ。


気持ちを集中させ、周りの気配を感じ取る・・・。


すると、ドアの向こう、そして駅、大勢の人達の気配を感じる事が出来る。



「もっと遠く・・・」



彩乃ちゃんを探す・・・。


いたっ!


やっぱり電車の中。


あれ? 見つけたけど、もう一人知っている人の気配を感じる・・・。



「ええ!! なんであいつがいるの~!?」



一緒にいるのは、あの変態。


うそぉ~~~どうしよぉ~~。


でも、今更行きたくないなんて言えないし・・・。



・・・・・・・・。



ちょっと考えて、下着を履きかえる。


見られてもいいように、もう少し大人っぽいのにした。



「ち、違うんだからっ。べ、別に見せる為じゃなくって・・・」



だって、あいつ覗くかもしんないし・・・。


変態だから。



あ、やばっ!


気配を見失っちゃう!!



もう一度集中し、ポイントを定め・・・・


そこにジャンプするイメージを頭に強く浮かべる。


自分の気配が、彩乃ちゃんの隣に現れるのが分かる。



すると「シュッ」という音を残して姿が消える――――――




電車の中、俺は妹と、ドア付近で向かい合っている。


あいにく混んでいて、座る事は出来ない。


ま、別に疲れてねーし。


妹は、携帯を弄くっている。


「白河さん、今どの辺ですかねぇ・・メールしてみますっ」と言って、現在操作中だ。


しかしこいつって、ほんとメール打つの遅いな。


料理や裁縫とか凄い器用なのに、機械的なものが絡むとからっきしダメだ。


未だにテレビの録画失敗して、ぎゃーぎゃー言ってるもんな。


良く解らん。



「ふぅ~~、送信っと・・・」


大した長文送ったわけでもないのに、酷くお疲れの我が義妹。



「ん~~返事きませんねぇ」


今送ったばっかりだろ。



暇なので、心の中で突っ込みをしていると、俺と妹の間に風が起きる。


ん? 変だな、窓開いてねーのに・・。



「うおっ!!!」



突然何かに弾かれて飛ばされる俺。


そのままゴロゴロと反対側の壁に「ゴンッ」と衝突する。



「痛え~~~~、何だよ・・・・」



壁にもたれるような体勢で元の場所を確認すると、俺がいた場所には白河がいる。



なんだあいつかよ・・・。


酷くね? 俺ふっ飛ばして登場って。



しかも、俺がん無視で妹と話してるし・・・。



「彩乃ちゃ~~ん、ごめんねぇ。ちょっと用意に手間取っちゃって・・」


「あ、はい・・って、えぇ!? どうして白河さんの妹さんが・・・」


「え? 妹? なんのこと?」



あ~~しまった。


俺のついた嘘で、会話が噛み合ってないな。


白河にバレるとやっかいだ。


面倒だったが、二人に割って入るか。



「おう、白河。遅かったな」


「あれ? いたの、君?」



おや?


予想以上に冷たい対応なんですけど・・・。


可笑しくね? 一応誘ってくれたんですよね?



「いたの?って、なに言っちゃってるかなー、俺がいたらまずいのか?」


「まずくはないけどぉ、良くもないわね」



う・・・・・冷たい視線を投げつける白河。


ああ、まだあの時の事怒ってるのかなー。


先日の、ブリーフ見せつけ事件。


あれは確かにやりすぎだった。


事実、あれから殆ど口を聞いてなかったもんな・・・。



「で? どうして君がいるわけ?」


「ひゃい!?」



思わず声が裏返っただろっ!


なぜに、誘ってないのにいるの的な・・・


考えて、原因に辿りつく。


お前だろっ!


彩乃をジト目で見る・・・・。



じーーーーーーー。



対する彩乃は、そっぽを向いて、鳴らない口笛を吹いている。



「あ~~や~~の~~」


「てへっ」



てへっじゃねえよ! 


可愛くはにかんで、舌出してんじゃねえっ!!



「はぁ~~。 彩乃ちゃんが誘ったんだ・・」


「・・ぁ・・はいぃ。 嫌でしたかぁ?」



思いっきり甘えた口調で、白河に問い返す妹。


自分の武器を最大限に生かしているな。


なかなかに腹黒い。


さすが我が義妹。


そんな調子で妹と白河のやりとりが続き、やっと存在が認められる俺。


そこまでしないと、同行出来ないのかよ・・・。



しかし、ふと気付く。



「白河、お前って無賃乗車だろ」


「・・・あ・・・・」



今気付きましたとばかりに、ビクッとする白河。


しかも、実はさっきからずっと注目の的なんですよ、俺達。


そりゃそうだろ、突然女の子が現れたんだ。


まあ、吹っ飛んだ俺が目立ったから、気付いてる人少ないみたいだけど。


でも対面にいる女の子グループは、ひそひそこっちを見ながら、ずっと何か話してるし・・・。



「あ、あははははぁ~~。じゃあ私、先に行ってるね」



ヒラヒラと手を振る白河。


ん? その右手でヒラヒラさせてるのって・・・・まさか・・・。



「お、お前・・・その手に持ってる物って・・・」


「え?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



白河が、慌てて持っていた物を広げた。


そしてそれが何なのか、はっきりと分かる。



ピンクの布地に、黒い水玉模様。



間違いなくそれは、『パンティー』



一瞬場が固まる・・・。



もうそれは、対面の女の子達をも巻き込む静寂・・・。



そして目が合う俺と白河・・・。



「キャ・・キャアーーーーーーーーー!!!」



本気で叫びやがったっ!!



「バ、バカお前っ、こんなとこで叫んでんじゃねえっ!!」


「し、知らないわよっ! この変態っ!!」



ゲシイイイイィィィィィッッ!!!!!



パンツ握り締めた手でグーパンチされる俺。


そして勢い余って後ろによろめき、ちょうど開いたドアのせいでホームに投げ出される。


なんてタイミング。



「痛ててて・・・・」



そしてドアが閉まり、行ってしまう電車・・・・。



何度も言うけどさ、酷くね?



朝も言ったよな、俺。


案の定、早速イベント発生ですよ。


今の見ただろ?


絶対、俺のせいじゃないよな。


普通さ、パンツ手に持ち歩いてる美少女なんているか?


いたら会いたいよな?


ここにいるぜ。


・・・・・・。


置いてかれちまったな・・・。




それでも、俺はヘコみつつ次の電車に乗って目的の駅まで着いた。



そこには、ホームでボツンと待つ妹の姿。



「あ、兄さ~~ん」



こっちですよぉ~と手を振る我が可愛い妹。


はあ~~癒されるぜ~~。



妹と合流した俺は、目的地まで歩く。


白河は、電車が着いたと同時に、消えてったらしい。


先に行って待ってるんだとさ。


便利なやつ。


駅の前で待ってりゃいいのにな。



「兄さんっ、白河さんに妹さんなんて、いないじゃないですかぁ」



そういえば、そんな事もあったっけ。



「あっはっは~~、ジョークジョーク、気にするなあ」


「もぉ~~彩乃に嘘ばっかりつくんですからぁ」



ちょっとムクれているが、怒ってはいない我が妹。


さすが彩乃さん、お前のそういう所が好きだぜ。



「でも不思議ですね、白河さんも幼くなってるなんて」



ボソっと呟く彩乃。


だよなー。


説明が面倒くさかったが、俺と同じで『実験の効果』だと伝えると、



「へえ~そうなんですか」



と、相変わらず動じない我が妹。


もう少し驚いてくれないと、こっちが拍子抜けなんですけど。



そのまま二人で、だべりながら歩くこと15分。


目的地付近に到着。


遠目に白河を見つけると、向こうも気付いたらしく、次の瞬間には目の前に「シュッ」と現れる。


使いまくってんな、そのスキル。


俺はつい周りを気にしてしまう。



「遅かったじゃないのぉ~~」



いやお前が早いんだし・・・とは言わず、「おう」と挨拶してやると、後は妹にまかせる。


まだ微妙に怒ってるからな、妹のほんわかパワーで柔らかくしてもらわねば。



前を歩く二人を眺める。


既に電車の中から気になってたけど、白河の私服がめっちゃ可愛い。


いや、白河が着るから可愛いのか・・。


しかも化粧してるみたいで、幼いくせに妙に色っぽくなりやがって。


ロリなのに、俺をドキッとさせるなよ・・・。



そのままボケ~と、白河ロックオンで歩いていたら、なにやら二人が立ち止まる。



「あん? どうした?」


「兄さん、はいっ」



手を出されたので、そのまま手を繋いでやる。



「ほらぁ、白河さんもですよぉ~~」


「えぇ~~無理だよぉ~~、勘弁してよ彩乃ちゃ~~ん」



空いてる手で、白河を引っ張る妹。


へ? 何がどうなってんだ?



「ダメですよぉ、そんな子供の姿なんですからぁ。迷子になったらどうしますかっ!」


「でもさぁ~~携帯とかあるしぃ~」


「ダメったらダメですっ! 世の中には、怖い男の人がいっぱいいるのですっ!!」



きっ!と白河を睨む、我が妹。


珍しく気合入ってんな、どういう事?



「うう~~~、分かったわよぉ~・・・」



何だか、赤い顔で近づいてくる白河。


そして俺の隣に来て・・・・え?え?



そっと手を繋いでくる。



えええええええええええ!!!



全身が身震いしてしまう俺。



「ちょ・・ちょっとぉ!変な動きしないでよぉ~~」


「・・・は・・はい・・すみません・・」



な、なんですかこのシュチュエーション。


左手に我が義妹。


そして右手には、ロリ化したアイドル。



なぜかそのまま進む俺達。


妹は、鼻歌まじりで手をぶんぶん振って楽しそうだ。


白河は、俯いて表情が分からない。



しかし、やばいのは手だ。


何がやばいって、妹は普通に手を繋いでるだけだけど・・・


白河は、なぜか恋人握りなんですよっ!!!!!


俺からじゃないからなっ!


こいつが自然にそう握ってきたんだよっ!!


指と指の間に感じる、柔らかい感触・・・。


初夏の暑さで、薄っすらにじむ汗・・・。



や、やべええ~~~~~~


ドキドキしてきたあ~~~~



たかが、手を握ってるだけでなんでこんなに・・・。


ま、まあ妹以外とこんな状態になるのは、初めてだけどさ。



あ・・・さらにやばい・・・。


Hイベントでもないのに、俺の砲台がマックスパワーに・・・。


ど、どうするどうする・・・・。



頼むっ!!


俺のジーパンよっ!その姿を覆い隠してくれたまえっ!!


天に祈りを捧げ、前屈みで歩く俺。



「神崎君? 大丈夫ぅ? お腹でも痛いの?」



普通に心配して、横から見上げる白河。


大きな猫目が、俺を見つめる。


ダ、ダメだ・・・今のお前は、可愛さ10倍界王券だ。


ロリなのに、ロリなのに・・・・・


めっちゃ可愛いんですけどっ!!!


こ、これ以上は、身体がもたんっ。



きっと第三者から見たら、小学生に反応している変態にしか見えないぞ。



でもな、中身は白河なんだよ~~~~。



心を落ち着かせようと、妹を見る。


妹は、俺の股間を見つめて顔を赤くしている。


え、ええと・・・彩乃さん? 


ダメですよ、そんなところ見てちゃ・・。


すると、ふいに俺を見上げて、ニヤっとする我が妹。



げっ!!


妹に、そんな目で見つめられる兄って・・・・。



お、お前でこうなったんじゃないからなっ!


誤解しないでくれっ!!



その後入場するまで、一言もしゃべれない俺だった・・・・。





その②へ続く・・・・

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