第9.75話 休日はデート ~前夜 彩乃スペシャル~
土曜の午後。
彩乃は、同級生の日向葵ちゃんの家で料理を作っていました。
「あ、葵ちゃん、まだメレンゲ出来てないですぅ」
「え~~こんなに泡立ってるのにぃ~~?」
「ダメですぅ、あと10分は掻き混ぜないとぉ」
なんとっ、今日は葵ちゃんのお誕生日なのですっ!!
そして今は、お祝いのケーキを二人で作っちゃってるわけですよぉ~~。
んん~~当の本人が、どうしてお料理してるかって言うとですねぇ。
な、なんと!
クラスの男子を誘ったからなのですっ!!
実は葵ちゃん、心を寄せている男の子がいるのですっ。
その子の名前は、島崎龍平君。
一年生で、既にサッカー部のレギュラー。
スポーツ万能でお勉強も出来る、クラスの女子にモテモテの男の子。
葵ちゃんも、彼のことが好きなんだって!
キャァ~~~~。
ですからぁ、今日はお誕生日を口実に、『島崎君とお近づきになる』という作戦なのですっ!
あぁ~~なんだか彩乃までドキドキしてきましたぁ。
よしっ! 張り切ってお料理しちゃうのですっ。
彩乃は、から揚げやサラダやパスタとかぁ、摘めるものを作ってぇ・・・。
メインのケーキは、葵ちゃんが製作するという段取りなのです。
ふっふっふぅ~、もちろんお料理は任せてくださいなのですよぉ~。
兄さんの為に培ったこの腕前で、島崎君なんて一ころですぅ。
あぁ~じゃなかった。
彩乃が狙っているわけじゃなかったんですぅ。
いいんですっ、葵ちゃんが作ったことにすれば、問題はないのです!
でも、葵ちゃんのケーキはちょっと心配ですねぇ~・・・・。
レシピは教えてあるんですけど・・・。
既にメレンゲを二度失敗。
ただ泡立てるだけなのに、どうして失敗するのかなぁ?
手伝おうとしても、
「だ、大丈夫! ちゃんと出来るからっ。」
と言って、意地になってるというか一所懸命というか。
そんなに島崎君のことが好きなんですね!
うふっ♪ 葵ちゃん、とっても可愛いですよぉ。
お料理も一段落し、ケーキも問題無く焼き上がった頃、玄関からチャイムが聞こえてきました。
「し、島崎君かなぁ。」
顔を見合わせる二人。
「わ、わたし行ってくるね。」
あきらかに緊張している葵ちゃんは、手にしていた生クリームをそのまま持って、行ってしまいました。
程なくして、聞こえてくる声。
「ええ~~!!なんであんたがいるのぉ~~!!」
島崎君の声は良く聞こえなかったけど、葵ちゃんの叫び声が耳に届く。
どうしたんでしょうか?
他にも誰か来たんですかねぇ。
うんまぁ~、お料理は多めに作ってありますから大丈夫なんですけどぉ・・・。
そして、パタパタドタドタとリビングへと近づく足音。
葵ちゃんがなにやらムッツリと、ご機嫌斜めで入ってくると、その後ろから現れた島崎君。
「よ、よう神崎、げ、元気か?」
「は、はい、元気ですよぉ。」
腰が引き気味の島崎君。
しかも、さっき学校であったのに、元気かって意味が分かりません。
島崎君っていつもこうなんですよ。
彩乃に対してだけ、なんだか遠慮がちというかぁ・・・。
「おっす彩乃。ケーキ出来たか?」
島崎君の後ろから現れる、慣れなれしい男の子。
彼は、山下圭介君。
葵ちゃんとは幼馴染で、学校でも良く話しかけてくる。
おかげで、彩乃も山下君とは結構親しいんですけどぉ・・・。
呼んでなかったですよねぇ、葵ちゃん。
変だなと思って葵ちゃんを見ると、こっちを見て「このバカ」って口パクしながら山下君に目配せする。
やっぱりそうだよねぇ。
ん~~ちょっと考えて、葵ちゃんが聞きづらいことを聞いてあげることにしました。
「山下君、どうして今日は来たんですか?」
彩乃の問いかけに、一瞬「・・・う・・」と声を詰まらせた山下君。
そんな彼を制して、島崎君が変わりに答えました。
「あ~いや、そのさ、僕一人で女の子の家に来るのってなんだか緊張しちゃって・・・山下に頼んで一緒に来てもらったんだよ。うん」
取って付けた様な言い方ですねぇ。
なんだか怪しいです。
葵ちゃんを見ると、物凄い目で山下君を睨んでいる。
「圭くんっ、いるのはいいけど、わたしの邪魔しないでね!」
「な、なんだよ邪魔って・・・俺だって、ちゃんとお前の誕生日を祝いに来たんだぞ」
彩乃には、葵ちゃんの言ってる意味が分かるけどぉ、山下君には分からないよね。
なんだか山下君が、ちょっぴり可哀相。
そう思い、彼のお相手は自分がしなきゃと気合を入れるのでした。
そしてお料理を並べて、後はケーキの飾り付けです。
男の子達は、携帯ゲーム機で対戦しているみたい。
好きですよねぇ、男子ってゲームが。
そうだ!
せっかくだから・・・
「葵ちゃん、ケーキの飾り付けは彩乃がやりますからぁ、島崎君とゲームでもしてて下さい」
「え?・・あ、うんでもぉ・・・」
「いいですよね?島崎君」
「お、おう日向とか・・・」
むぅ・・なんで微妙に嫌そうなんですか、島崎君。
ジト目で睨んでやるのです。
じいいいいぃぃぃぃぃ。
「おわっと~~、日向とゲーム出来るなんて嬉しいぜ! 早くやろうぜ」
睨みが利いたのか、突然態度が変わる島崎君。
葵ちゃんは、「・・・うん・・」とちょっと照れながら近寄って行く。
う~~ん、あんな葵ちゃんは滅多に見れないですよ、初々しいですねぇ。
さて、ケーキに苺を乗せて・・・それから溶かしたチョコで文字を・・・・。
『葵ちゃん お誕生日おめでとう』
よしっ書けた。
後は、いっぱいハートマークを書いちゃう。
うふ♪ 可愛くできましたっ!
「ちょっとぉ~、島崎君強すぎぃ~~。もっとハンデちょうだいっ」
「ええ~、マジかよっ。もうハンデマックスじゃねーか」
「でもぉ・・・んじゃ、もっかいいくよ!」
「おういいぜ」
横目で見ると、なんだか楽しそうだ。
もうちょっと様子を見て、ケーキを持って行こう。うん。
島崎君はゲームに夢中みたいだけど、葵ちゃんは彼の顔ばかり見てる。
うふっ、頑張ってぇ!
そんな二人を、山下君は寂しそうに見てますねぇ。
しょうがないですねぇ、後で彩乃が遊んであげますよぉ。
頃合をみてケーキを運ぶ。
男子から、「おお~すげえ~」と感嘆の声が上がる。
当然そこで、「このケーキは、葵ちゃんが作ったんですよぉ~~」と紹介するのを忘れません。
みんなでローソクを立てる。
もちろん、13本ですよ。
点火は、島崎君に頼みました。
なんたって、今日の影の主役ですからぁ。
ローソクを倒さないよう、緊張してライターを持つ島崎君。
みんなが息を呑む。
外はまだ明るいけど、気にしません。
そして火が灯り、ケーキが急に賑やかになる。
「はっぴばーすで~~とぅ~~ゆ~~♪ はっぴばーすで~~・・・」
彩乃が歌いだすと、照れながら、渋々歌い始める男子。
嬉しそうな葵ちゃん。
良かったですねぇ。
そして「ふ~~~~~」っと葵ちゃんに火が消されてパチパチパチ・・・。
一瞬静寂が訪れる・・・・。
ここで一言!
「プレゼント贈呈タイムなのですっ!!」
持ってきましたかぁ~~と、二人を見廻す。
「おう持ってきたぜ」
「当然持ってるさ」
と、準備を始める男子。
なにやら紙袋をガサガサしてますね。
葵ちゃんは、もじもじとその時を待っているみたいです。
「それじゃ、彩乃からいきますっ! 葵ちゃんおめでとぉ~~~~」
持ってきていたプレゼントを渡す。
続いて、やっぱり照れながら渡す、男子二人。
彩乃からは、可愛いエプロン。
なんと、彩乃のお手製なんですっ!!
えっへん。
早速着けて、喜んでくれる葵ちゃん。
島崎君からは、・・・・・・なんだか変なぬいぐるみ。
犬だか猫だか良く分からない、お世辞にも可愛いとは言えないものでした・・。
フォローの言葉がみつかりません。
でも、それを見て一瞬固まる葵ちゃんだったけど、健気に大喜びしている。
そうですよね! 好きな人からのプレゼントですからっ。
そして山下君。
なんだか、小さな箱・・・。
変な物じゃなきゃいいんですけど・・・。
学校では、いつも葵ちゃんをからかう山下君。
ちょっと心配ですぅ。
ゆっくりと、箱を開ける葵ちゃん。
すると、そんな心配はどこ吹く風。
パァっと彼女の顔は明るくなり、立ち上がった。
「可愛いいっ!! なにこれぇ~~~!!」
星の形をしたペンダントでした。
葵ちゃんは星の形をしたものが大好きで、いろんな★型のグッズを最近集めていたんですよ。
もちろん、彩乃製のエプロンも星が入ってます。
しかもあのペンダント、銀製ですね。
結構高そうです・・・。
「こんなにいい物、貰っちゃっていいのっ!?」
本気の大喜びで、山下君を見つめる葵ちゃん。
「あ?・・・まあ、お前・・・喜ぶと思ってよ・・・」
ぶっきらぼうに、そっぽを向いて話す山下君。
鼻の下を指でゴシゴシとしている。
照れてるのかな。
「ありがとぉ~~圭くぅ~ん」
さっきまで、冷たい目で山下君を見てたのに、満面の笑みですねぇ。
良かったですね。
持つべきは、幼馴染ですよぉ。
そんなこんなで盛り上がって、楽しくお食事が始まりました。
でも、大問題発生ですぅ。
なぜか、彩乃の隣から離れない島崎君。
そして、間に割って座っている山下君。
これじゃ、葵ちゃんが島崎君とおしゃべり出来ません。
しかも島崎君は、さっきから彩乃にいっぱい質問してきます。
「な、なあ神崎ってさ、お兄さんいるんだっけ。年、いくつ離れてるんだ?」
そんなのどうだっていいですぅ。
「あ、神崎って、嫌いな食べ物とかあるの?」
もっとどうでもいいですぅ。
葵ちゃんが、恨めしそうに見てますよぉ。
うう、怖いですぅ。
向こうもなんだか、山下君が一所懸命に話しているみたいですけど、そんな状態の葵ちゃん。
会話が発展するわけがありません。
困った顔の山下君。
一瞬、彼と目が合う・・・・。
と、ちょうどそのタイミングで鳴り出す彩乃の携帯。
兄さんからです。
島崎君が話しかけてくるけど、ためらわず携帯に出ちゃいます。
「兄さん?」
「おう」
「どうしました?」
「ああ、今日葵ちゃんの誕生日なんだろ? メール見たぞ」
「はい、そうなんです。ですから今日は・・・
と言い掛けて、閃く。
「おう、ゆっくりして来いよ。俺は適当になんか食うし」
「ええ!! それは大変ですぅ!!」
大きな声で叫んだ。
みんなが注目している。
よしよし、いいですよぉ。
「は? お前突然・・・
「分かりました。残念ですが、今すぐ帰ります」
「お、おい、彩乃・・・
ピッ
強制的に切りました。
ごめんなさい、兄さん。
当然、みんなが何事かと見てます。
「ごめんなさい、彩乃は急用が出来て帰るのです」
心底申し訳なさそうに言う。
「え、大丈夫なの? なにかあった?」
「か、神崎、どうしたんだ?」
「おう、気をつけて帰れよ」
それぞれ、一様に声をかけてきます。
ごめんね、葵ちゃん。
片付け、手伝えなくて。
でも、こうするしか道は残されていなかったのですっ!!
・・・・・後で電話で説明しますから、葵ちゃん。
急用ですから、さっさと帰り支度を整えます。
「葵ちゃん、後で電話するから心配しないで下さいね。まずい様なことじゃないんですぅ」
とだけ告げて、すぐに家を出ちゃいました。
これでいいんです。
彩乃はお邪魔虫さんですからぁ。
ふ~、旨くいきませんねぇ。
結局、島崎君は葵ちゃんのこと、どう思っているんでしょうか・・・?
そんなことを考えていたら、
「神崎っ!!」
呼ばれて振り向くと、島崎君。
ぜ~は~と、走ってきたみたい。
スポーツマンの彼が、息を切らしている。
どうしたんでしょうか?
「島崎君、何かご用ですかぁ?」
つい、事務的にお応えしてしまう。
「いや、はあ~はあ~・・その・・ほら、もう暗いだろっ、送るよ!」
そう言ってニコッと笑顔の島崎君。
空を見上げてみました。
確かに、夕暮れ時。
でも、まだ暗くありません。
「大丈夫です。彩乃の家はここからすぐですから、戻って下さい」
「・・あ・・でも・・その・・もう帰るって出てきちゃったし・・はは」
照れくさそうに頭をかく島崎君。
なんだか可愛いですぅ。
その姿を見て、もう戻れって言えなくなりました。
しかも、送ってもらいたいなって・・・・。
なんでしょうか、この気持ち・・・・。
兄さん意外の男の子って、良く解りません。
結局、そのまま自宅まで送ってもらい、兄さんに見つかりませんようにって思う彩乃でした。
場所は戻って、葵宅――――――
「何で圭くんがまだ居るのっ!」
「はあ? いちゃいけないのかよっ!」
葵と圭くん。
二人は微妙な空気だった。
「まだ料理あるし、お前が作ったケーキ食べてねえんだよっ」
「あ・・そ・・そうだね。じゃあ食べたら帰って」
「やだね。食べたら片付けるからな」
「しょ、しょうがないわね、じゃあ早く食べなさいよぉ」
「そんな事より、俺が渡したペンダント、着けて見せてくれよ」
「えぇ?今?」
「今」
仕方ないわね・・・と照れながら、でも嬉しそうにペンダントを出す葵。
「ちょっと貸してみ。俺が着けてやるよ」
「え・・やだ、自分で着けるしぃ・・」
「いいからいいから、ほら」
ペンダントを受け取ると、そっと葵の首に回す圭くん。
恥ずかしい気持ちになって、顔が赤くなる葵。
「よしっOK、立ってみ」
「う・・うん」
立ち上がり、くるりと一回転して「どうかな?」って聞く葵。
そしてニコッと笑顔。
その一連の動作と最後の笑顔にドキッとし、思わず赤面してしまう圭くん。
つい動揺してしまい、「すっげえ似合うよ!マジ可愛いって!!」と本当は心の中で思っていたが、
「あ、あ~~いいんじゃね」
結局、ぶっきら棒に返してしまう。
当然葵はムクれてしまい、
「な、なにそれ、その素っ気ない態度! 似合ってないって言うの?」
「へっ、バ~カ。お前に似合うもんなんか、中々見つかるわけねえって」
「ひ、ひどぉ~~い!! 圭くんのバカぁっ!!」
折角良い雰囲気だったのに、
やっぱり、幼馴染な感じに戻ってしまう二人なのだった――――――
そして場所は神崎家。
彩乃は戻ってきました。
島崎君のこと、兄さんにバレなくてなぜかほっとします。
はぁ~~。
なんだか溜息。
よしっ!と拳を握り、
「ただいまぁ~~~兄さん!」
いつも通り、元気に挨拶。
「おう、お帰り~~」と奥から声がする。
そして彩乃は、愛する兄さんの下へ走りだしました・・・。
その後、やっぱり自分で食事の用意が出来ない兄さんの為に、夕飯を作ったのです。
「お前の料理はやっぱうめーな」といっぱい食べてくれる兄さん。
彩乃は幸せです。
ごめんなさい、兄さん。
もう、他の男の子と並んで歩いたりしません。
男は甲斐性。
女は一途が武器なのです!
そしてこうやって、食後まったりと二人でテレビを見てるのが、とっても楽しいんですぅ。
テレビでは、なにやら特集の番組・・・。
ふんふん・・・今年の夏は絶叫マシーンが熱い・・・ですかぁ。
兄さんと行けたら楽しいですねぇ。
ちらっと、兄さんを見る。
期待を込めた瞳でっ。
すると、なにやら言いたげな兄さん。
わわわ、きっと誘ってくれるんですよぉ!
早く早く~~~。
「そういえばお前さ。電話で変だったけど、どうした?」
ずるっ
「も、もぉ~、そのことはもう済んだんですっ! 何もありませんっ」
「あ、そう。そりゃ良かった」
話しが終わってしまったじゃないですかぁ。
兄さんのいけず・・・・。
その後も続く、絶叫マシーンの紹介。
あ、来栖美月だ。
か、可愛い~~~。 美月ちゃん可愛い~~。
兄さんを見る。
全く興味ないご様子。
はて? 女の子に興味がないんでしょうか?
いえ、彩乃が側にいるんです。
きっと、他の女性が色褪せて見えるんですね。
罪な女ってやつなのですぅ。
ふふふふふ~~~。
「お前、何ニヤけてんだ? 気持ち悪い」
「に、ニヤけてたわけではありません! 彩乃と兄さんの愛について考えていたんですっ!」
「ああ~、その件については、母さんが帰ってきたらじっくりするから待ってろ」
ええ!? 兄さんまさか・・・。
脳裏に浮かぶ、あのシーン。
「母さん、彩乃を俺に下さいっ」
「いいわよ、幸せにしてあげるんだよ」
キャァ~~~~~~~~~~。
「だから、ニヤけてんじゃねえよ、気持ち悪い」
兄さんの声なんて聞こえませんよ~~~だっ。
♪♪♪♪~~~~~~~~~
携帯が鳴り出す。
「あれ? 誰ですかこんな時間に」
液晶を見る。
・・・・・・・・。
白河さんだっ!!
やっとかかってきましたぁ!
「こんばんわぁ~白河さんっ」
元気に出ました!
・・・・・・・・。
あれ?
「もしもしぃ?」
「あぁ~ごめんっ、彩乃ちゃんまだ起きてたぁ?」
もちろんですっ!
「起きてますよぉ~~。もぉ大人ですからっ」
「初めてじゃないですかぁ~、電話くれたの。かかってくるの待ってたんですよぉ~~」
やっぱり、年上の人に電話するのって気が引けちゃいますよね。
「あ・・そうだっけ、ごめんごめん」
「あ~あ~、謝らないでくださいよぉ。勝手に待ってただけですからぁ」
「う、うん・・」
その時、ちょうど目に映ったテレビを見て、閃きました。
「でも、ちょうど良かったですぅ~~、白河さん明日お暇ですかぁ?」
ふっふっふ。
「うんうん暇なのっ、実は彩乃ちゃんを誘おうと思って・・・・」
「ほんとですかぁ! 嬉しいですぅ~~。じゃあ明日、遊園地に行きましょう」
「行く行く行く行く、絶対行くぅ~~~!!」
「えっ、いいんですかっ!こんな突然なのに!?」
「いいの、いいのよ!私も遊園地に誘おうと思ってたからぁ」
「うわぁ~~、気が合いますねぇ~~~」
・・・・・・・・・・・。
その後、盛り上がってつい長話ししちゃいましたぁ~~。
でも・・・ふふふ。
兄さんを見る。
「お前、やっぱ白河と仲いいんだなあ」
「兄さん。明日白河さんが、兄さんとデートしたいって電話でしたっ!」
「ぶっーーー」
わっ! お茶が飛んできました!
ふふふふふ・・・・。
明日、ついに完成させるのです。
「お、おいお前、今のマジか!?」
恋愛にはなくてはならない方程式。
「本当に白河が、デートしたいって!?」
その名は!! 『三角関係』!!!!
「で、おいっ! どこに行くって!?」
始まるのですっ! どろどろの恋愛関係がっ!!!
「お~~い、彩乃~~~帰ってこ~~~~い。」
そして今日が終わった・・・・・。
第10話に続く。