異世界転生
「―あなたに転生の機会を与えましょう―」
俺、高橋 始はごく普通の会社員だった。
いつも通りの帰り道、信号の交差点で俺は信号無視のトラックに轢かれ意識を失った。
気づけば俺は何も知らない真っ白な世界で目覚めたのだった。
正面にはこれまた白い事務机とその上になにか書いてある数枚の紙と羽根ペン、その他にも何やら色々なものがおいてある。
なにより美しい女性―女神、そう思われる、が椅子に座っていた。
「私は女神…あなたに転生の機会を与えましょう…高橋 始さん。」
トラックに轢かれ…おそらく死んだのであろう。
いきなりのことであまり頭が回らないが、これは間違いない、異世界転生というやつだ。ありふれた人生を変えるチャンスが来たのだ!!
「女神様…転生というと、やはり異世界転生でしょうか!?」
女神「そうです…あなたは選ばれたのです…。」
女神「どうか異世界に転生し魔王を討ち倒し世界をお救い下さい。」
生前あまり読書をしなかったため聞きかじったというより見かじっただけの知識しかないが異世界転生というとチート能力をもらい異世界に転生して無双する…そんな感じだった気がする。
正直これまでの人生は目立つところも落ちぶれるところもなく…退屈していた。
死んでしまったのは悲しくもあるが、非日常に憧れを抱いていたところがあるのは間違いなかった。
女神「もちろんこのまま、ではありません。あなたには私から異世界転生の”特典”をお贈りします。」
女神「なにかしたいことや欲しいものなどありますか?」
「では…魔法が!魔法が使いたいです!!!」
やはり異世界といえば剣と魔法の世界なのではなかろうか、もちろん現代日本で西洋剣も刀も振り回すどころか持つ機会すらなかったが、剣や体術が上手くできるよりも炎を出したり浮いたりできそうな魔法のほうが楽しそうだ。
それに剣ぐらいなら自力で向こうで身につけられる気もする。
女神「では…あなたには六属性魔法、火水風土光闇、全ての属性の全ての魔法が使える<<魔法の加護(神級)>>を持った状態で転生してもらいます。」
女神「よろしいでしょうか。」
「はい!!!」
女神「ではこちらの『転生における規約書』をよくお読みの上でこの契約書にサインをお願いします。」
そういって女神は椅子から立ちこちらに近づいてきて木製のバインダーに挟まった二枚の紙とペンを差し出してくる。
一枚目が契約書、二枚目がその…規約書?とやらっぽい。
どちらの紙にもなにやらたくさん小さい文字で書いてあるが、ここまで来て転生しないという選択肢が浮かばなかったので特段読まず、契約書のサイン欄にだけさらさらと自分の名前を書いた。
女神「ではあなたを剣と魔法の世界…『アドガルム』に転生させます。どうか、その力を駆使してかの魔王を討ち倒して下さい。」
そういうと女神は立ち上がり右手をこちらに向けて何やら唱え始めた。
足元に魔法陣が出て…視界がゆっくりと光につつまれてゆく。
「いってきます!」
女神「いってらっしゃいませ。」
光が強くなって…意識が、、消えた。
目が覚めるとそこは緑の丘の上だった。
遠くにはれんが造りの家々が見える。おそらく、村だろう。まだ中世ヨーロッパの田舎に飛ばされた可能性もなくはないがおそらく違うだろう…少なくとも日本ではないのは間違いない。
「異世界だ!!転生したんだ!!!人生をやり直すぞー!!!!」
俺は空を見上げる。世界が、祝福してくれている気がした。
これからたくさんの人と出会って、仲間を見つけて、世界を旅するのだろう。そしてその先に魔王を倒して世界を救うのだ!
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「おっしゃあ!1名様ご案なぁ〜い」
そう言ってガッツポーズをするのはたった今異世界に高橋 始を転生させ終わり、白い机に長い脚をドンッと乗せ、背もたれを限界まで倒し、美しい顔を歪ませ「ガハハ」と笑う女神…リベアだ。
「今期のノルマまであと9人!世界救ってくれなきゃ意味ねぇけどとりあえず転生させときゃ怒られねぇからな!」
そういってリベアは契約書を満足気に見つめ、真っ白い空間、もとい『転生部屋』の扉を開けて部屋を出るのだった。
なにか書き方おかしかったりしたら指摘が欲しいです…




