第一の昼 【のらりくらり】
朝起きたら、学生は歯を磨き顔を洗い制服に着替えて、学校へと向かうだろう。
そんな規則正しい生活に楽しさはあるのか?本当の自由はあるのか?
感性は人それぞれだ。俺みたいなのが口出しするものではない。だが、唯一断言する。
人生ってもんは楽しんだ勝ち。その通りだ。
「行ってきます。」
誰もいない家に向かって呟く。
逢沢ヨル(14歳)そして不登校である。
最初の自己紹介が不登校とはなんとも印象が悪い。でも、それしかないのだから。両親は離婚し、今は母だけ。毎日朝から晩まで仕事をし、帰ってくる日も少ない。だから、1人の時が多い。
俺の活動時間は朝10時から。同級生にも会わず、人気も落ち着いたちょうどいい時間だ。
向かっている途中に自動販売機がある。土産にも酒を買って行こうか悩んだが、誰かに見られたら終わりだ。コーラだけを買う。
どこに向かっているかって?それはまぁ。
「いい天気だな…」
1時間ぐらい、ぶらぶらと歩き続ける。交番の前を通る時はヒヤリとする。なんなら人とすれ違うだけで。
「…そろそろいこいか。」
公園のベンチに座り、飲み干したコーラを捨て、俺はある場所へと向かう。
さっきいた公園から10分程度歩くと目的地がある。
「相変わらず薄汚いアパートだな…」
俺は苦笑しながら階段を登る。三階に着くと誰も住んでいないアパートから話し声が聞こえる。
「これこれ、この酒がいいんだ。」
「私の服どこ!?勝手に触んないでって言ったのに〜!」
「いいじゃねぇか。そう騒ぐなよ。」
ドアノブを掴むと聞こえてくる三人の話し声。
俺はニヤけながらドアノブをひねった。
「こんちゃーす、もう昼メシ食べましたか?」
中に入った瞬間俺はそう問いかける。
「おぉ、ヨルおはような。まだ食ってないし、どこか行くか?」
最初に声をかけてきたのは俺たち3人組の1人の盛舞 ルイだ。
若い男の人でコンビニバイト中。そして狼男だ。
急に何の話だと思っただろう。説明し忘れていたが、ここにいる4人の中で俺以外全員人ではない。ウソみたいな話だが、本当なんだ。
ただ、狼男と言っても人と変わるところは少しだけ。見た目は完全に人間だし、どんな攻撃でもほぼ死なないのと、寿命平均が300年なところぐらいだ。あ、あと一時的に狼になれる。
「いいですね。あ、ラーメンでも行きますか?」
「ラーメンいいね♪あ、でもすき焼き食べたい」
2人目の人物は夜基 スズナ・吸血鬼だ。
グループ唯一の女の子で見た目はめっちゃ若いが吸血鬼歴60年である。吸血鬼は血を主食とする。そのため料理はあまり食べないらしいが、何故かスズナちゃんはたくさん食べる。理由は美味しいかららしい。吸血鬼は不老であり、狼男同様ほぼ死なない。そして、身体能力が桁違いに高い。そして、基本は夜に活動するが、スズナちゃんはオールしている不健康吸血鬼だ。
「よし、昼ラーメンで夜すき焼きで決定だな。とりあえず支度しろ。すぐに出るぞ。」
そして最後は幕白 ジン。ゾンビである。
パチンコと競馬、あと酒が好き。
言い忘れていたが狼男・吸血鬼・ゾンビには再生能力がある。その再生能力がずば抜けて高いのがゾンビだ。不老不死であり、1000年は生きてるらしい(ほんとか知らん。)
「昼ラーメンで夜すき焼きか。胃もたれするな」
「てか、両方外食ってお金ないですよ。」
「いい、おれが払ってやるよ。この前競馬で大儲けしたんでな。」
「やったー!奢り大好き♡」
狼男・吸血鬼・ゾンビ、そして人間。
この不思議な4人の日常は今日も続く…。
「いや、昼に中学生が外食はダメだわ。」
「「「あ」」」




