プロローグ(なろうテンプレ導入部です 本文では推敲用の背景設定等入れています)
「終わった・・・」
本業の勤務を終えてから、掛け持ち副業で深夜まで労働。
宿について冷凍庫を開けると、作り置きしたおかずも切れてしまっていた。
(保証人として10億円の借金を抱えているので利息を払うのにも苦労しています)
「あと何年もつかな・」
仲間がやっている会社の保証人を頼まれて、事業が軌道に乗るまではと支援してきたものの、いつしか自転車操業のペダルを自分も漕ぐようになっていた。
親戚の貧乏おじさんが言っていたFX=外国為替証拠金取引に手を出したものの、溶かした貯金は1000万円。
「宝くじ掠ったこともなかったな」
(YOUTUBEにはFXで儲けている話が転がっていますが7割がお金を失う世界です。主人公もやられています。幸運系ではありません)
何とか空けた半日休みに溜まった家事を片付けていると、知らない番号からの突然の連絡。
「破産した・・?」
保証人の一人として話し合いに呼ばれることに。
話し合いの場では、現実感を失ってしまい話し合いの内容も記憶に残らず、気づけば前にいるのは銀行員一人。
頭を下げて搔い摘んだ話を伺えば、資産のない会社勤めではと、債権者間の協議で利息は払っていける範囲内に抑えることに決定。
青褪めた顔と体のこわばりも取れようとしているところに、
「銀行員が言うのも何ですが、こういう手段を選ばれる方もいます。」
同じくらいの年齢の妙に目立つ腕時計をした銀行マンから、値踏みするような目で、そっと差し出されたパンフレットを戸惑いつつ読み進めれば、
「「NPO法人ダンジョンへの誘い。探索契約者に債務弁済特典有。」」
「少なくとも債務からは解放されます。では、失礼。」
陽がビル陰に沈んでいくなか、足早に去っていく銀行員を見送っても、パンフレットから目を離すことはできなかった。
「ダンジョンに潜れば、借金なくなる?詐欺ですか?」