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勇者召喚で異世界転生したので世界滅ぼしますね!

「というわけで世界滅ぼしちゃおっ!」「待って待って待って」

出てくるひとたち

勇者:異世界転生した成人済み夢女子。気軽に世界滅ぼそうとする。

魔導師:勇者召喚したらやべーの喚んじゃった。ひたすら可哀想なひと。

魔王:オタク。当て馬はしね。



※作者の私怨がとっても込められています※



勇者「異世界から勇者適性のある者の召喚をしたんですか? それに私が選ばれて、これから魔王を倒しに長めの旅に出なきゃいけないんですね? わかりました、じゃあ世界滅ぼしますね!」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「ごめん、勝手に喚び出して急に命懸けで戦えなんて確かに酷いよね、いやその酷いことをやっといて何言ってんだって思っただろうけどほんとごめんね、だけど「じゃあ世界滅ぼしますね」ってどゆこと? え? どうして?」

勇者「異世界転生もの嫌いなので……」

魔導師「えっそんな理由?」


勇者「だってあいつら、今まで異世界トリップとか世界渡る系の夢小説を散々バカにしてきた癖に「そういうジャンル」が確立した途端夢ジャンルでは定番のお決まりネタを嬉々として「俺たちのもの」として祭り上げるんですよ? 転生トリップもトラックに轢かれて戦国時代も最強チート夢主もトリップ特典特殊能力も死に際神様が能力を与えてくれるも全部もう擦られ切ったネタだっつーの。それをなんだ、自分たちが新しいものを考えたと言わんばかりに使い倒して。その癖トリップ夢小説は「妄想乙www」って未だにバカにするでしょ? なんだその夢女子ならオタクの中でも最底辺の【自主規制】だからバカにしていいみたいな文化。殺すぞ【自主規制】に【自主規制】。死ね!」

魔導師「おん……」

勇者「というわけで世界滅ぼしますね!」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「きみの怒りはもっともだと思う。でもね、世界の滅亡をきみがきみの生きた世界でやるんじゃなくって、別の世界であるここでやるのはお門違いなんじゃないかな」

勇者「私を無断で勝手に喚び付けておいて私の生きた世界じゃないこの世界を救ってくれなんて言っておいて身勝手だな。じゃあ今すぐおうち帰してください」

魔導師「あー……」目逸らし

勇者「世界滅ぼしますね!」

魔導師「待って待って待って」


勇者「どうせ魔王を倒せば帰れる→実は帰れませんor元々帰れないけど勇者がこの世界に留まることを選んでハッピーエンドみたいなやつでしょ」

魔導師「あー……」

勇者「中途半端な旅の途中で莫大な魔力に触れたら元の世界に帰れたけど、勇者はあの世界が気掛かりで自分の世界に帰還できるチャンスを捨ててあの世界を選んで……」

魔導師「ああー……」

勇者「よっしゃ世界滅ぼしますね!」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「わかった、わかりました、じゃあきみには魔王討伐パーティの後衛に徹してもらうから。この国には最強のパーティが居るんだ、そこに入ってもらえば安全は保証されるから」

勇者「窮地に陥ってパーティがピンチ、その時勇者の謎パワーが覚醒、すごく戦えるように」

魔導師「あー……」

勇者「もしくはパーティが壊滅状態になり勇者だけが無事で、そこで勇者は己の無力に嘆き強くなることを望んで武器を手に取って……そして最強勇者の完成、結局勇者は単身で魔王と決戦に」

魔導師「ああー……」

勇者「世界滅ぼしちゃおっ!」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「だいたい、世界滅ぼすって言っても、どうやって?」

勇者「どうせ勇者には世界を救うトンデモパワーが搭載されてると思うので、それをどうにか反転すれば破壊のパワーになって全部消し飛ぶでしょ」

魔導師「……たしかに……理論上出来なくはないな……その発想はなかった……」

勇者「というわけで滅ぼしますね!」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「あのねっ! きみにバックれられると、私たちも困るわけで! 今、この世界めっちゃピンチなの! だから、助けて!」

勇者「リスクデカ杉」

魔導師「成功した暁には……」

勇者「死ぬ可能性高杉」

魔導師「富と名誉を……」

勇者「一生涯、死んだ後もこの国のお飾り人形(資源)として利用ね」

魔導師「私たち、このままだと滅んじゃうわけで……」

勇者「あ、ゆるやかに自滅する系ですか? じゃあ勝手に滅んでください、私は私で勝手に帰る方法探すんで」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「お願いします! この世界を救ってください! 勇者様!」

勇者「滅ぼしますね!」

魔導師「き、きみがやらないのなら、きみの代わりにきみの世界から別の人間を喚ぶぞ!」

勇者「!」

魔導師「(おっ揺らいだ?)それはきみが、他人を身代わりにするということだ。いいのかな? 別の人間が危険な目に遭っても!」

勇者「その手があったか!」

魔導師「エー!?」

勇者「オラッ、はよ代わり喚べや! やれるんだろ? やれるんだよなあ? やれるからそんな出任せ吐いたんだろ? アァ? やれよ勇者召喚! やれ! やれ!!」

魔導師「……うっ、うええ、うえーん! あれは大魔法なので一回しか出来ないんです! 次を召喚するにも期間をかなり空けないといけないんですーっ!」

勇者「じゃあその間に世界滅ぼしちゃおっ!」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「というか「異世界転生もの」がイヤなら「異世界トリップ」として捉えれば良いのではー!? 物は言いようでしょー!」

勇者「いや、異世界トリップっていうのは既存の世界に主人公を落とし込む行為なので……あれはあくまで妄想の範囲内で楽しむもの、異世界転生ものは数打ちゃ当たるのアバズレだから別物」

魔導師「すごい暴言だね!?」

勇者「ていうか異世界転生ものと夢小説は区別してくれません? 夢小説は「二次創作」なんですけど。「一次創作」とゴッチャにされちゃ困るんですよ」

魔導師「二次からの逆輸入(二次ありがち設定が一次創作で積極的に起用される)が耐えられないタイプのオタク……」

勇者「いやいいんですよ、別に。異世界転生もの。別の世界に夢見たものをカタチにできて、それが周りに認められるっていうのは良いことだから。でも、それで元々やってた夢小説たちをバカにするっていうか下に見るのは違くない? ていうか夢女子ならバカにしていいみたいな空気ほんとなに? 何度でも怒るが? やっぱ世界滅ぼそ」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「私怨で世界滅ぼされるのは困るんです!」

勇者「そういう人間を勇者として召喚した自分の腕を恨んでください」

魔導師「あ、ア……エー……ン……!」

勇者「よーし、とりあえず手始めに魔王に挨拶しに行こう」

魔導師「待って待って待ってどうして?」

勇者「興味あるので……」

魔導師「そんなノリで!?」


魔王「話は聞かせてもらった……」

魔導師「うわ出た! なぜここに、魔王!」

魔王「そりゃ、勇者がなんか会いたがってたからノリで」

魔導師「フッ軽か」


魔王「拙者「腐女子が当て馬女をわざわざ作ってわざわざ推しカプに近付けて愛の力()の前に屈服させて「推しカプちゃんに近付くからそうなるのだー!」って手を叩きながら喜ぶ」の大地雷侍」

勇者「わかりみが深い……ついでにわざわざ当て馬聖女を作ってわざわざ悪役令嬢とそのお相手に近付けて「愛の力(笑)」してるのも大地雷」

ピシガシグッグッ

魔導師「あわ……勇者と魔王が手を取り合ってる……」

魔王「それにしても多いわよね、乙女ゲーム聖女主人公の当て馬化。悪役令嬢は「悪役」してなくて聖女化して幸せに、聖女はとことん下げに下げて酷い目に合わせて不幸になってもらう……普通に考えてその聖女に書き手がやってることいじめじゃない。昭和の少女漫画の読み過ぎよ。陽キャに隠れてキャッキャイヒヒしてた陰キャが脳内被害妄想をアウトプットしたものとは言え、15年くらい前に女オタクの間で流行った当て馬とか嫌われとかを令和の今拝むのって痛々しいわよねえ」

勇者「ヒント:書き手の年齢層〜!」

魔導師「やめたげてよお!」


勇者「というわけで、勇者と魔王はここに「世界滅ぼし同盟」を結成しまーす」

魔導師「いやー! 最悪だー!」

魔王「この醜悪でクソッタレな世界に滅亡を〜!」

勇者「勇者コード反転、オラッ起動しろや回路! 「真面目で深刻な場面じゃないと覚醒しないの(きゅるん)」は通用しねえぞ!」

「(勇者コード(勇者のトンデモスキルみたいなやつ)は泣いている)」

勇者「ごめん魔王ちゃん、勇者コード起こすの手伝ってくれる?」

魔王「いいけどお……それやると勇者ちゃんのコードが魔王コードで傷付いちゃうしい……」

勇者「あー全然良い全然良い、言う事聞かない勇者コードには「わからせ」ないと」暗黒微笑のマネ

「(勇者コード起動)」

勇者「チッ」


魔導師「おっ、お待ちください勇者様! 世界を滅ぼすなんて、そんな! そんなことをしたら、すべての生き物が息絶えてしまいます!」

勇者「そうするつもりなんだけど……」

魔導師「普通に暮らすたくさんの人間、無邪気に生きる子ども、産まれたばかりの赤ん坊、そういった無辜の人々も滅ぼそうと言うんですか!」

勇者「えっうん」

魔導師「えっ!?」

勇者「えっほら連帯責任じゃん。だって生きてる限り、命ある限り、生き物である以上「それ」は同罪でしょ」

魔導師「えっ」

勇者「というわけで滅ぼし」

魔導師「待って待って待って」


魔導師「ほ、滅ぼし切ったあと、どうなさるおつもりですか!」

勇者「それはその後その時考えるなあ」

魔導師「焼け野原となり生物も絶えた地ですよ! それに……勇者様が帰る方法も見つからなくなりますよ!」

勇者「えっ……それは……こまるな……」

魔導師「(よし釣れた)宮廷魔導師や他国の応援を仰げばきっと元の世界に帰る方法は見つかります、それまでどうか!」

魔王「勇者を元の世界に戻すって、アンチ召喚魔法のこと? ならできるわよ」

勇者「えっまじ? 魔王ちゃんやるう!」

魔王「だって異世界人召喚魔法なんてカンタンな陣、魔王でも編めるしい」

魔導師「えっ」

勇者「魔王ちゃんすごーい!」

魔王「魔力が有り余ってるからわりとなんでもできるのよ。人員は足りてるし、人間の、それも異世界人の管理なんて魔王軍じゃ出来ないからやらないだけだからねえ。

じゃ、勇者ちゃん。これで心置き無く世界滅ぼせるわね!」

勇者と魔王「「キャッキャッ」」

魔導師「待ってえ……」


おわり

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― 新着の感想 ―
乗り軽いなあW 世界もスナック感覚で滅ぼされるのが特にw
[一言] どっちも好きなオタクですが古からよくあるシチュが必要以上に盛り上がっているのか分かっていなかったので、なるほど!!と思いました。 夢小説は夢豚とかキモとか某掲示板とかで下げられているのに同じ…
[一言] 魔王と勇者のCVは松〇姉妹で脳内再生。 GJ。
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