第四話 開会式
あれから1週間の月日が流れる。
6人は自分達のことをよく知り、連携を取る練習をしたり、己を強くする為に頑張っていた。時間はあっという間に過ぎ、本番当日になる。
「でけぇな」
会場はは桃月学園の敷地内にある専用の施設『桃月ドーム』。
収容可能人数10万人。毎年観客でいっぱいになり、今でも生放送中としてテレビで放送されている。
『皆さんお待ちかねぇ!桃月学園第198回体育祭を開催いたします!!』
「「「「「「うおおおおお!!!!!」」」」」
司会の言葉に会場は大盛り上がりだった。
そして次々と学年のクラスごとに会場に入場して、列に並んで待つのだった。色々と先生の説明を済ませる。
「生徒代表!入試の成績1位!轟和樹!!前へ!」
名前を呼ばれ前に歩く。
腕の筋肉は普通の人より3〜4倍も太く、赤髪の短髪の男だった。
「零夜。あれがだよ、学年1位のチームのリーダーが」
「アイツがか...」
その男...和樹の目つきだけで圧倒されそう。
和樹は先生からマイクを受け取り、生徒達を見下すように宣言する。
「正直言って、お前らは俺にとって最強の称号の踏み台だ。どうせ勝つのはこの俺。せいぜい足掻くんだな、カスども」
そう言って和樹は元の列に戻る。
それを聞いた先輩や同年代の生徒達はブーイングを浴びさせるのだ。それを見ていた零夜と北斗は黙って和樹の事をジッと観察していた。
「君から見て、アイツはどうだ?」
「普通に強いな」
零夜でも感じる、和樹の強者力。
まだ、一年にこんな強い奴がいる事にワクワクするのだった。
『それでは、まずは個人戦から行こうか!最初の種目は学年別300メートル走だ!選手は校庭の真ん中に集まってくれ。それ以外の生徒は己の待機場所で休んでいてくれ』
「んじゃ...風華、凛、黒恵俺出るから言ってるぞ」
「はい!頑張ってください!応援します!」
「零夜!ファイトだよ!負けるな!頑張ろうね!えいえいおー!」
「応援はする...」
チームに応援の言葉を聞いて校庭の真ん中に向かう。
参加人数は一年生だけで40人は居た。団体戦を出る何で本来なら出なくてもポイントは足りるが、零夜は体育祭を楽しみたいと色々と出場する事にしている。
「おい、お前が神楽沙零夜だな?」
「お前は?」
列で待機していると、少し身長が小さい金髪の男に話しかけられる。
「俺様は天野海斗だ!正道から話は聞いている」
「正道?あー、あの陰気くさそうな奴か、まぁせいぜい頑張れよ」
「おい!どこに行く!」
零夜は面倒な事を避けたい為、止めてくる声を無視して少し離れていった。そして、10分近く待っているとやっと自分の出番が回ってきた。300メートル走は直線に走る程会場が広い。零夜とその他4人はスタート地に立つ。
「よう、また会ったな」
「...はぁ」
たまたまなのか、海斗と走る事になっていた。
運が悪くため息を吐く。
「おい!俺と勝負しねぇか?!お前、学園長からのお気に入りだからって調子に乗るなよ。お前が雑魚って所を見せて、学園長の目を覚まさせてやるよ」
「勝負するか?それなら大歓迎だ。いいよ、やろう!勝負を」
そして、2人は構える。
今回の300メートル走はオーラを使わない、素の身体能力で張り合う。
『それでは!スタート!!」
ベルが鳴ったと同時に零夜達5人は走る。
「へっ?は、速っ!」
「え?」
零夜は全力疾走してゴールをした。
そしてゴールにいた役員が零夜のタイムを見て物凄く驚くのだった。
「じゅ、14.3秒...」
「まぁ、こんなもんだろ。お?やっと、ついたか」
「はぁはぁ、お、お前!オーラを使ったな?!」
「どうやって使うんだよ。今このフィールドはオーラを使えなように結界を張ってるだろ?仮に使えたとしてもオーラ探知機でバレるぞ」
「はぁっ?!本当にあり得ない!お、お前人間か?」
「失礼な奴だな。落下とした人間だよ」
零夜はツノがないか、自分のおでこを見せる為に前髪を上げる。
「まぁ、お前の負けだから勝負以外の事で俺に突っかかるなよ?面倒だから」
そう言って零夜は風華達の所に向かうのだった。
その場で取り残された海斗は零夜の背中を見る。
「はぁはぁ、しかも息切れしてねぇし。あいつの身体能力、まるでリーダーみたいじゃねぇか」




