第二話 シックスマンセル
桃月学園の体育祭は2種類存在する。
個人戦とチーム戦の2種類。
個人戦はその名の通り個人と個人の対戦で勝敗を決める試合。チームを組んでいない者やもっと自分の名を有名にしたい者はこの個人戦にでる者が多い。
チーム戦、2人から6人までのチーム同士で争う競技。自分達の存在を知られるように頑張って一位を狙う。
上位の成績を取ったり、強力なオーラ、良い印象を残せば一年の時からプロの魔滅師事務所からのスカウトを得られる事もある。
そして、B組以下の生徒も成績次第ではA組に上がるチャンスがあり、その逆も成績が悪いと下のクラスに下がってしまう。
なのでA組の生徒が慢心して、下のクラスに足元を掬われる事を毎年何人かはいるのだ。
そして今回の体育祭の上位の成績を残せば報酬が貰える。色々あるがざっくりと言うと、賞金とランクアップ、そして純製の斬鬼刀だ。
そして零夜達の目的は賞品でも名誉でもない。零夜達4人の目的は純粋に強い奴と戦う。ただ、それだけだった。だが、今の現状は少しだけ難しい状況だった。
「シックスガチバトルに参加出来ないですね」
桃月学園の大盛り上がりの最終種目。6対6の勝ち抜きトーナメント。どうしてもこの競技に出たかった。何故ならば学年トップ10全員のチームが出場しているからだ。
「ジィさんに、4人で充分って言ってそばから、そもそも4人じゃ、参加出来ないのかよ」
別に2〜6チームの自由対決戦はあるが、ここに出場する生徒は学年トップ5以内のチームはいない。ここで一位を取って零夜達は嬉しい事はない。
「なら、あと2人。どうする?」
「そうですね」
「まだ、残ってるのかな?まぁ、別にそこまで強い人じゃなくても良いけど、あたし達で優勝を目指せば良いし」
凛の言う通り、この1ヶ月でチームを組んでいない人間はほんの少ししか居ない。いるとしても実力が無いものか、ソロで活動したい者のどちらか。
「ですが...」
シックスガチバトルは毎年競技内容が変わる為に、ここに変な人を入れて足を引っ張られても困ると風華は考える。
「そう言えば、零夜さんのお友達の空条さんはどうなんですか?」
「あいつはダメだ。俺とチームになる事はないよ」
「そうなんですか?」
「ああ。俺たちはライバル同士だからな。ライバルが一緒のチームにいれば張り合えないだろ?」
「ライバル...もしかして彼も相当なてだれなんでしょうか?」
「どうだろうね。純粋な力勝負なら俺が勝つ。だが、本気で殺し合えばどうだか。もしかしたら負けるかも知れないし、勝つかも知れない...だが、それでも勝つよ。俺は」
「へぇ、零夜と同じぐらいって事?どんな闘い方するんだろ。すごく気になる」
零夜の話を聞いて北斗がどれほど強いのかと気になってワクワクするのだった。
(まぁ、ぶっちゃけた話をすると。あいつの強い所は戦略と地味だけど厄介な能力だがな。正直こっちは戦略タイプの戦士はいない。もしアイツと当たれば、俺らがどんなに強かろうが、負けるかも知れない。風華は見た目的に考えて動くタイプに見えるが、意外とゴリ押し戦法の脳筋タイプなんだよな〜)
もし北斗と当たったらどうするのかと零夜は考えるのだった。
零夜の予想では、どんなに奇跡が起きても北斗のチームに勝てる確率は10%未満だからだ。北斗の天賦だと知っているからだ。
「1on1なら、勝てるんだがな」
「それで...レイちゃん...残り2人はどうするの?」
「そりゃ、探すしかないだろ?どこかいい奴が居れば、嬉しいんだよな...よし!ここで考えてもそんな奴は現れない。俺が適当に学園中を回ってスカウトしてみるよ」
「お供します」
「あたしも行く!」
「...ボクも」
4人は学園中見回るのだった。
やはり思った通り、グループ同士で固まっていたり、校庭で何人かの生徒が修行をしていた。どこか1人でいて、強そうな子はいないのかと探す。
「そんな、簡単に見つからないか」
「...なら、諦めて自由の方を選ぶ?」
「そうなると、何個か個人戦を出なくちゃいけなくなる」
桃月学園にはルールがあった。
それは1人合計3ポイント以上の競技に出なくちゃ行けない。個人戦は1ポイント、自由戦は2ポイント、チーム戦は3ポイントとなっている。3ポイントに満たさない生徒はクラスの降格や、退学になってしまう。
「あの〜」
「ん?」
すると、茶髪に丸メガネの男の子とその後ろにいる、赤茶のポニテ女子に話しかけられる。
「貴方達3人って1年A組ですよね?」
「えぇ、そうですが?」
「やっぱり!入学してから1ヶ月と経たないのに、学園長から早速職業体験をさせた、優秀な後輩が居ると聞いたんだ。君たちの事だよね?」
「えっと...」
「おっと、ごめんね。名前をまだ名乗っていなかったよ、僕は3年C組の努島勝だよ。そして、僕の後ろにいる子は2年D組の倉様青果だ」
勝の後ろに服をギュッと握りながら隠れていた。
「先輩方でしたか!私は一条風華です。よろしくお願いします」
「一条?も、もしかしてあの五大名家かな?」
「はい、その一条で合ってますよ」
「え?!!ご、ごめんなさい!平民でもある僕がタメ口で偉そうに喋ってしまって」
「ふふ、私はそう言うのは気にしませんよ。それに敬語はやめて下さい、努島先輩の方が年上なので素の状態で話して下さい」
「わ、分かりま...分かったよ。それで、ここは3年の廊下だけど、何か探してる人でもいるのか?」
「はい。私達今、シックスガチバトルに出場する為に、残り2人の生徒を探しているのですよ」
「2人の生徒...なら、力になるかは分からないけど、僕たち2人はどうかな?」
「え?マジ?良いんじゃない?」
今は大会に出る為には、零夜達はどうしても人が欲しかった。
ダメ元で先輩の廊下を歩いていたが、まさか先輩でチームに入ってくれる人が現れるなんて思わなかったのだ。




