第十八話 凛対風華③
「天武四式・羅生門解...凛さん、ギアをあげますよ!」
すると風華の動きがまた1段階と早くなった。
パンチの威力が先ほどの2倍の威力まで増っしていた。
「凄い。なら、あたしもギアを上げてみようかな!鬼丸琉壱ノ番紅夜叉衣」
「?!!」
風華に向かって鋭い踏み込みから、強烈な一閃を放つ。
ギリギリ風華は腕をバッテンにして塞いだが、無傷では終わらなかった。
「っ、イッタぁ〜。鉄製のバンテージじゃなかったらやばかったです」
(正直、この1ヶ月身につけた技をぶつけても凛さんには意味がありませんね。悔しいですが、彼女は本物の天才ですね)
凛の一閃を塞いだ腕を見ると震えていた。
切り替えようと両頬を両手で強く叩いて気合を入れる。
「うしっ」
だが、気合を入れようが凛に勝てるビジョンが浮かばなかった。
凛にどう勝てば良いのかと考えていると...
『少女よ。力が欲しいか?』
「え?」
どこか声が聞こえてくる。
『あの、天才に勝ちたいか?』
「...はい」
風華は何故か、その知らない声の質問を答えたのだ。
『あの天才を倒す為に力が欲しいか?誰にも負けない力を欲すのか?何のために力を欲す?』
「違います。私の野望を叶える為に、そしてあの2人に追いつく為に...私は勇者になる為に力が欲しいです!」
『...勇者か。よかろう!!力を授けよう。まだ、全ては渡さん。本当に勇者として相応しいか見極めさせてもらう』
「風華?」
風華が誰かに喋りかけている事に凛は不思議そうに見る。
すると、風華の量でが炎の渦が現れる。風華にそんなものを教えていないと宗一郎は慌てた様子で驚いていた。零夜は隣で宗一郎の反応を見て外部からの攻撃だと思ったが、その考えは違うとすぐに分かる。何故ならば、炎が消えた途端風華の腕には龍爪腕が装着されていた。
『なるほど、せい...桃太郎の時は炎の性質だったが、今回の主はどうやら、風の性質のようだな』
「龍爪腕じゃと?!!な、何故こんな所におるのじゃ?!」
宗一郎は保管庫に保管されてあった龍爪腕が風華にある事に驚いている。風華の姿を見て零夜はジッと黙っていた。
『ギャハハ!黒龍の奴、それは反則じゃねぇか?2人の本気勝負は平等で行かないとな。そうだろ?!小娘!』
「本当、うるさいな」
凛にもその声は聞こえていた。
この風華との模擬戦が始まった頃から、その声が聞こえるようになっていた。だが、凛は純粋に風華との試合を集中したいと無視を貫いていたのだ。
『あれじゃ負けるぞ?俺様の力を貸してやる。お前と契約しても面白そうだ』
「...風華。今から本気の一撃を打ち込むよ。だから、気を緩めないで。本気で行くから」
「...はい。なら、それを答えるように私も本気で行きます」
「ねぇ、君ってあの保管庫にいた剣で良いよね?」
『ああ、そうだ。神器には神器でぶつけねぇとな」
「そう...なら、貸して」
『よく言った!』
凛の目の前に赤い魔法陣が現れる。
そこから炎龍聖剣が現れるのだ。リンをそれをガッシリと握る。
凛と風華は睨み合う。そしてお互い同時に踏み込みを入れた。
「童子琉弐ノ番兇変・顎門」
それは無数の龍の顔が現れたのが見えたのだった。
凛は瞬きをする一瞬の隙に、無数の大中小の威力の斬撃を前方に空間を埋め尽くすように飛ばした。それは回避する隙間もない連撃だった。風華は羅針のおかげで斬撃を見切るが防がれなく所々喰らってしまった。
零夜は目を大きく見開いて驚くのだった。
「すげぇ。やっぱり俺のをコピーしてたのか!...だが、今のはまだ自分の物にしてねぇな。威力も弱いし、それに無理に出したせいで無駄な体力を消耗させたな」
「ふむ、どうやら今の攻撃で一条風華君もギリギリじゃのう」
童子琉は肺呼吸が大切。
例え見様見真似をしていても、肺呼吸と言った見えない物まではコピー出来ず、間違った方法で技を出したせいで威力も弱く体力も酷く消耗してしまった。だが、いくら威力が弱くても、それでも人を倒せる破壊力がある事に、それを食らった風華もギリギリだった。
「はぁはぁはぁ、天武一式...」
「はぁ...はぁ、童子琉壱ノ番」
風華と凛は構えるのだった。
そして同時に足に力を入れて飛び込むのだった。
「羅生ノ渦」
「炎刃轟獄」
風華は腕を捻るように打撃を放った。まさにそれは渦を巻くパンチだった。そして凛は木剣を両手で持って力一杯横に薙ぎ払うのだった。凛の剣は豪火を纏っていた。
2人の攻撃は避けるどころか、今出す威力を殺さないために避ける事もなくそのまま食らったのだ。
「どっちじゃ?!」
大技を食らった2人は立つ事も困難。
そして先に前は倒れたのは凛だった。
風華はそれを見て抑えようとした時、凛の拳は上から下へと半円を描くように風華を襲う。
「鬼丸琉弐ノ番鬼狩り」
風華はその攻撃を避けるどころか、手を動かし防ぐ力は残っていないのだ。木剣は風華の首に当たる寸前で止めた。
「えへへ、あたしの勝ち」
っと勝負がついた時に凛の意識は無くなりその場で倒れるのだった。
風華も勝負が終わり、その場で崩れ落ちるのだ。




