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第十六話 凛対風華①

魔力とは分からず、あれから1ヶ月の月日が流れた。

 月影の言う通りに、オーラの器を無理矢理大きくする修行方法をやるのを辞めた。彼が言った『やり続ける時死ぬ』と言う言葉に引っかかったのだった。今ここで死にたくないと、こんな感情を初めて味わった。それを凛と風華を見ると、更に増して行く。


「凛、集中するんだ」


「うん」


凛は深く、そして静かに深呼吸を繰り返す。

零夜はそれを凛の腹を手で押すのだった。


「そうだ、腹...いや、胃に力を入れる感じにするんだ。肺の隅々の空気を吐き出し、吸うんだ」


「...」


「ん?どうした?」


「何でもない」


 何故か凛の顔が赤くなっている事に、苦しいのか?と零夜は思うのだった。


「そう、大量の酸素を取り入れるんだ。血液を吃驚させることで骨と筋肉が強化する。体が熱くなってくるのはその証拠だ」


「ふぅ〜」


「そのまま、あの岩を斬ってみろ」


零夜は少し離れて自分より大きな岩の前に立つ凛を見る。

 凛は剣を天に上げて、岩に向かって振り下ろしたのだ。そして岩は見事に両断するのだった。


「おめでとう。童子琉初段の取得だ」


「零夜、ありがとう」


「感謝される事はないよ。ただ、俺が凛が剣帝になる所を見たいだけだ。必ずなれよ?」


「うん!」


童子琉の呼吸法を見事に自分ものにして、初段となった凛。

ここで零夜が教えられるのはなかった事に凛の修行を終わるのだった。そして丁度よく宗一郎とバンテージを巻いている風華がやってきた。


「ふむ、どうやら終わったようじゃのう」


「そっちも終わったのか?」


「うむ。今できる事を完璧に仕上げたのじゃ」


「凛さん!」


すると風華が凛の顔を真剣に見て宣言をする。


「私と模擬試合して下さい!」


「え?う、うん。いいよ」


いきなりの事に最初は戸惑うが風華の提案を乗るのだった。

 2人は向かい合い構える。風華は左腕を少し下げ、半身で構えて右拳を少しだけ上げる。凛は柄を両手で握り剣先を地面に向ける。


「ふむ、それじゃ開始じゃ!」


宗一郎が手を上げて試合開始を告げる。

 だが、2人は動く事なく出方を伺っていた。それを少し離れた場所で零夜と宗一郎が観戦していた。


「ふむ、お主ならどちらが勝つと思うのじゃ?」


「そりゃ、凛だな」


「ほーう、意外とあっさり答えるのじゃな」


「そもそも才能が違う。風華も悪くない線は行ってるが、凛は別格だ。俺が教えた事をすぐに自分のものにしやがった。剣の才なら俺より上だ」


「ほぉー、なるほど」


「まぁ、それは1ヶ月前の風華しか知らないから言える事だがな。だから、1ヶ月前は凛が勝っていると思うが、今の勝負は分からないな。風華の流れるオーラが前より良くなったりしてるし、1ヶ月前とは全然違う」


 1ヶ月前の凛と風華なら凛が勝つが、今の成長をした2人が戦えばどちらが勝つのか分からなかった。

 そして先に動いたのは凛だ。力強く大地を蹴り、そして一足飛びで風華の眼前まで詰めた。


「速ッ」


凛の速さに一瞬驚くが、頭上から風華の肩口を狙うような振り下ろすが、風華は半歩だけバックステップして回避。だが、凛はその動きをすぐに反応して振り切った剣の軸道を変える。まさにその動きは燕返しだ。


「っ!!」


「へぇ、今の避けるんだ」


風華は今の攻撃を紙一重で横に避けるのだ。

 今の攻撃を避けられた事に凛は笑ったのだ。そして風華は凛に向かって蹴りを入れるが、木剣の横の面て防いで距離を取った。


「へぇ、アクセルじゃん。すげぇな」


今の風華の動きを見て零夜は関心するのだった。

 アクセルとは、人の体は意識より動くのが遅く仕組まれている。だが、人には反射神経が存在して脳に情報を伝える過程を省略し、直接運動神経に命令を伝える。オーラによって反射神経以上の速さで脳から運動神経まで加速して伝達させる。

そして2人は激しい攻防を繰り広げるが、決定打が決まらなかった。それは2人が相手の攻撃を上手くいなしているから。


「おいおい、これが生徒同士の闘いなのか?プロの魔滅師と比べても勝るぐらいじゃ」


「こりゃ、思った以上にあの2人強ぇな。少しでも俺が修行をサボったらあっという間に追い越さられそうだな」


「おや、あの構えは...もうやるのじゃな?」


「ハッ!」


肩に力が入ってないなく、そして滑らかな構えと共に、再び力強い踏み込みで凛に飛び込んでいく。

 閃光が走ったかのように、風華を纏っていたオーラが緑色に変化する。そして頭上へ、肩口へ、横から、下から、あらゆる角度からの素早い連撃を繰り広げた。


「なんだあれ?」


「まだ鬼がいない時代より更に昔の時代熟練の武士が辿り着いた領域それはゾーン。人間は本来の能力の30%ほどの力しか出せんのじゃ。だがのう、極限の危機に瀕したときなど、火事場の馬鹿力として能力を最大限に引き出すことができるのじゃ。しかし、世の中には意図的にその状態に入れる者が存在するのじゃ。それがゾーンじゃ。だが、ゾーンに入っても大体出せるのは60%しか出さぬ。それ以上やったら関節構成体、筋肉組織が壊れてしまうためなのじゃ。その領域をオーラと合わせればより強力な強化に入る加えて、その者の闘魂の色が現れ潜在能力を100%まで引き出す事が出来るのじゃ。それをブーストと言う...中には120%出すものもいる。そして今の一条風華君は50%と言ったところかのう」


「ゾーン...オーラの色が変わる...」


「ホッホッホ。いくら才能のあるお主でも、どうやらブーストは知らぬのじゃな」


 もう教える事がないと思っていた零夜に、まだ知らない事があったと知った宗一郎は教員として嬉しそうに笑っていた。


(オーラ...クソジジィのオーラの色が違うのも頷けるな...なぜ、それを俺に教えなかった?)


ゾーンに入った風華は握った右手を凛に向ける。


「凛さん、反撃の開始です」



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