第十二話 知能神器
「「「おおおお!!!...あ、あれ?」」」
神話的な空間だと期待していたが、そこにあったのはコンクリートの壁と床に五つのガラスのカプセルがあった。中には神製の斬鬼刀が保管されてある。
右から、鞘が黒く下緒と柄が赤く、鐺と頭と鍔が黄金に輝き頭から伸びている金色の鎖は刀全体に巻きついている刀。その隣には武器なのか?と疑う獅子の様な黒い毛皮の漆黒のマント。
肩まで装備できる黒の光沢に赤と金の線が入っている鍵爪ガントレット。柄が赤くガードが黄金で真ん中に赤く光る宝石が込められている金の鞘の両手剣。そして最後に先端の髑髏の口から大きな刃が出ている大鎌だった。
「右から説明するとのう、初代魔王が使っていたとされている閻羅。次は地獄のユグドラシルの番人と言われている鬼が着ていた月影。真ん中のは英雄...勇者桃太郎が使っていた龍爪腕じゃ。次は英雄の世代で攻略された灰のユグドラシルの主だった鬼炎龍王が守っていた炎龍聖剣じゃ。そして最後は何で作られているのかどこで手に入れたのか謎に包まれている死神の鎌じゃ」
宗一郎はドアの付近にあった、機械にポケットから出したカードをスワイプする。すると5つのカプセルが開いたのだ。
「神楽沙零夜君。近づいてくれ、そしてそこでオーラを放ってくれないか?」
「あ?なんだそれ?」
「頼むのじゃ」
「まぁ、いいけど」
零夜は宗一郎の言う通りに五つの斬鬼刀の間に立って、オーラを放ったのだ。すると零夜のオーラは五つの斬鬼刀に吸収される。
『強力だが、勇気ある者の資格には相応しくない』
『強いが邪悪に満ちている。あまりにも気持ち悪い』
『...』
『なら、我が貰う。こやつの闇は美味だ』
『こやつ、何か面白そうだな。月影、笑いがこやつは我輩が貰う。お前は黙っておれ』
零夜の頭に言葉が響くのだった。
あまりにも、頭に響く事に零夜は頭を抱え崩れるのだった。零夜に異変に気付いた風華と凛は心配して近づこうとするが、宗一郎に止められる。
「学園長!そこをどいてください!」
「零夜が苦しんでいる!」
「2人とも落ち着くんだ!大丈夫じゃ、彼に何があってもワシが必ず守る」
「彼に何かあった時は、本当に私が許しません。本当に信じていいのですね?」
「校長!あたしも怒るからね」
「大丈夫じゃ、彼ならなんとかしてくれる」
(って言ってものう。こんな苦しそうに反応されたのは初めてじゃ)
そして零夜の方は苦しそうに我慢している。
『小僧。どっちを選ぶ?』
『我輩を選べ』
『閻羅より俺の方が良いぞ?』
『月影は弱い。我輩の方が強く出来るぞ?』
「ごちゃごちゃとうるせぇ!!」
零夜のオーラは暴発したのだ。
『なっ?!なんて支配力だ!』
『ふふ、こんな人間は初めてだ』
『...いや、この感じからしてお前混じり者か?...いや、それにしては融合されておらぬな』
『月影。こやつもしや2つ耐え切れるではないか?』
『ギャハハ!それは面白い!俺ら知性神器2本を操る人間なんぞ聞いた事ない。どれ、試してみよう。それで死ぬならこやつはそれまでの人間って事だ』
すると閻羅は零夜に向かって一直線で飛んでくる。このままぶつかると鞘の部分を掴んだ。月影も宙に浮き自分から羽織に行った。
するとその2つの斬鬼刀の力がぶつかり合い、炎と影が零夜を纏うのだった。その2つの力が融合して黒い炎が生まれる。
「はぁはぁ」
痛みが和らげ立ち上がる。手には閻羅、そして月影を羽織っていた。
その後ろで宗一郎は驚いていたのだ。
「神製を2つ契約させたのか?!あり得ぬ!神製を2つ操る人間なんで過去1人いなかったぞ!もしやと思ったが、まさか想像以上とはな...」
「零夜さん!大丈夫ですか?!」
「零夜!」
「うぉ!なんじゃ、こりゃ」
漆黒のマントを羽織っている事に零夜は驚く。
そして手に持っている閻羅を抜くと、刀身が真っ黒で深緋色の逆巻く炎のような禍々しい刃紋が特徴だった。そして頭には金色の鎖が先ほどより短くになっている。
『おい』
「ん?」
頭の中に女の子の声が響くように聞こえてくる。
『我輩は閻羅だ。お前との契約で魔力を全て使った。我輩達は少しの間眠るぞ。我輩達を使いこなせ...お兄ちゃん』
「な、何なんだよ」
「零夜さん。大丈夫ですか?どこか痛い所はありませんか?」
『ほーう、こやつは勇気ある者の資格はある。だがら、まだ微弱だ」
「...」
「零夜?本当に大丈夫?」
『なかなか、良いメスではないか。龍王の後継者として相応しい。だが、まだ器の方は弱い』
「...なぁ、2人ともなんか聞こえないか?」
「え?何も聞こえません?」
「大丈夫?」
零夜からには2人の男の声が聞こえるが、風華と凛には何も聞こえないらしい。自分達に聞こえない声が零夜に聞こえている事に余計に心配する2人。
『少年。どうやら、我ら知性神器の声が聞こえるようだな。なら、君に頼みがしたい。その黒髪の少女を強くしてくれ。今の少女の闘魂量が足りない』
『おい小僧。俺様からも頼む。そこの赤髪の少女は俺様の後継者として相応しい。だが、今の器じゃ俺様達の力は耐え切れない。小僧の闘魂量は異常だ。お前なら強くさせることは出来るだろう』
『少年。信じているぞ』
「...おい!待てって!どう言うことだ?」
問いかけても返答はなかった。
零夜達はその場から離れて、何が起きたのかと説明する為に校長室にまた連れて行かれるのだった。




