episode03・・・ヤンデレって怖いね…。
昨日は明日って書きましたが、今日更新しちゃいました。
※矛盾しているところを見つけたので、少し変えました。
「え!? アリシアって12歳なの!?」
「それ……マジ?」
「うぅ、やっぱり勘違いしてた……」
あれから二人に町まで案内してもらうことになり、一緒に行動することになった。
どうやら二人はギルドの仕事でここに来ていたようだった。用が済んで帰ろうとした時に私たちを見つけたらしい。
そうそう、ギルドって言うのは簡単にいえば民間の何でも屋ってところらしい。各町ごとにあって、そこの町人に依頼された仕事をこなすものなんだって。仕事をこなしたらそれに見合った報酬が受け取れるんだって。よく出来てるよねぇ~。
町に戻る間でアリシアは私たちに心を開いてくれ、よく喋るようになっていた。
しかし、ここで忘れてはいけない。ここには、容姿端麗、性格も問題なしのあいつがいるのだ。しかもアリシアは12歳だという。
さて、ここで第二問。思春期真っ盛りのしかも見たところめっちゃ純情そうな女の子がそんな男の子に出会ったらどうなるでしょうか。
答えは言わなくても分かるだろう。
…………答えは一目ぼれ。しかも純情だからヤンデレフラグが立ちまくり。しかもアリシアにこんなことまで言われる始末だ。
「すいませんが、あんまり守さんに近づかないでくれませんか?」
ビビった。めっちゃビビった。声にドスがきいてた。
「違いますから! 私と守はそんな関係じゃありませんから! しかも好きでもないですから!」
慌てて否定した。敬語なのはあまりにアリシアが怖かったから。
「そうですか。でも、ホントにあんまり近づかないでくださいね?」
必死で了解の意思表示をする。そしたら納得したのか守のところに行ってしまった。……本気で殺されるかと思った……。
あぁ、最初のかわいいアリシアはどこへ行ったのだろうか……。世の中って怖いね。
ちなみにアリシアのお父さんはカルロスと言うらしい。強そうな名前のとうりかなり強い。私たちと格が違う。頼りになるなぁ。
「おっ、着いたぞ、二人とも」
「マジですか!?」
守がいきなりテンションを上げる。いや、もともとハイテンションだったのにさらに上げるとかどんだけよ。
「やっと着いた~」
アリシアも、自分の町に着いたことに安堵してる様だった。ま、そりゃそうだろうね。やっぱり、自分の町が一番だよね。
「さて、お二人さんこれからどうする? 俺たちはこのままギルドに行くが」
「私たちも行きます。ギルド登録とかしたいですし」
「え~! まずは腹ごしらえじゃないの~!?」
「うっさい黙れ」
「べふっ!」
隣の五月蝿いやつを黙らせる。瞬間、アリシアから強烈な殺気を感じた。
「私の守さんに何してんねん」といった感じだ。何で関西弁なのかは知らない。作者の気分だって。
まぁ、それは私の精神力を多大に使ってなんとか持ちこたえ、とにかくギルドに行くことになった。
………………はぁ(涙)。
ーギルドー
「着いたぞ~」
「おぉ~! ここがギルドか! すっげ~!」
……守、あんたかんっぜんに子供状態ね。
説明しよう! 子供状態とは守がテンションを上げすぎるとなってしまう状態である! これになるとうざったい守が数倍うざくなるのだ! ……分かった?
「よし、まずは報酬をもらうか」
「そういえばカルロスさんとアリシアはどんな依頼を受けてたんですか?」
「ん? あの森にしかないっていう薬草だ。この依頼はアリシアをギルドの仕事に慣れさせようっていうものだったからな。丁度よかったんだ」
「へぇ~、なるほど」
「なぁ、いつまでも話してないで早く行こ~ぜ~」
と、子供状態の守が私に覆いかぶさってくる。まったくもってうざい。
「はいはい、分かったから離れてくんない? 暑苦しい」
「ぶ~」
そんな守は放置してさっさと行く。ちなみにアリシアは家に帰った。疲れたんだって。……いなくて良かった…。
そんでもってカウンター前。今はカルロスさんが受付のお姉さんと話している。私たちのほうは長くなるから後回しだって。
「カルロスだ。依頼のもんを採ってきた」
「…………確かに。では、此方が報酬になります」
「おう、センキュー」
カルロスさんが戻ってくる。
「終わったぞ。俺は外で待ってるから登録を済ませてきな」
「はい。さ、いくよ守」
「おう!」
お、なんとか守落ち着いたみたい。よかったよかった。
「あの~……」
「はい、何でしょうか?」
「ギルド登録したいんですけど……」
「ギルド登録ですね?分かりました。あなたとその…そちらの方でよろしいでしょうか」
「はい」
今、守を見た瞬間、受付のお姉さんの顔が赤くなった。ったく、この色魔め。
「では此方に名前と得意武器をお書きください」
? 名前は分かるけど何で得意武器?
「ちなみに得意武器を書くのは他の人とパーティを組むとき、パーティのバランスを考えて組むというのに役立つからです」
お姉さんが心得てますといった感じで答えた。多分今まで何回も同じ質問をされてきたんだろうな……。
ってあれ?私たちこっちの文字知らないんだけど!?どうしよう……。
「綾奈、どうした?」
「守、ちょっとこっちきて」
守を連れてカウンターから少し離れる。
「なんだよ?」
「なんだよじゃないわよ。あんたこの世界の文字知ってんの?」
「…………あ」
「はぁ、で、どうする?このままじゃ登録できないよ」
「それなら心配無用じゃ」
「アリア。どう心配無用なの?」
「お主たちが妾の世界で寝ているときに少し頭の中を見させてもらってな。その時にこの世界の言語と文字が読み書き出来るようにしたのじゃ」
ああ、なるほどねぇ……って頭をいじったぁ!?
「なっ……あんた何してんのよ!?」
「頭いじったって、俺たち大丈夫なのか!?」
「当たり前じゃ。じゃなきゃそんなことはせん」
「嘘でしょ」
「嘘じゃないわい!」
怒るアリアは無視して、カウンターに戻る。お姉さんが「何やってたんだ?」的な視線をこっちに向けるがこっちも無視した。
「はい、書けました」
「あ、俺も」
「はい、え~っと、アヤナさんにマモルさんですね。得意武器はそれぞれ短剣と剣ということでよろしいですか?」
「「はい」」
「…………はい、登録が完了しました。詳しい説明は必要ですか?」
う~ん、簡単な説明はカルロスさんから聞いたけど、詳しい説明は聞いてないからなぁ。聞いといたほうがいいかな?
「じゃあ、お願いします」
「はい、分かりました。…ゴホン、ギルドでは―――聞いたので中略―――なのです。ちなみにギルドメンバーにはギルドランクがあり、EからSSランクまであり、条件を満たすことでギルドランクを上げることができます。ちなみに依頼にもギルドランクがありますが、そのギルドランクに達してないとその依頼を受けることはできないということはなく、一つの目安として考えてください。それともう一つ。受けられる依頼は一度に一つだけです。これは絶対に覚えといてください。……説明はこれで終了です。何か質問は?」
「え~っと、モンスターにもランクがあるみたいだけどあれは何?」
「そのモンスターはどれくらいのランクで倒せるかを判別するための目安です。絶対に倒せないということはありませんが、自分より上のランクのモンスターに会ったら逃げることをお勧めします」
「質問その2。依頼中に怪我とかしたらギルド側は賠償とかしてくれるの?」
「いいえ。その人が依頼中に怪我、または死亡してもギルド側は一切の責任は取りません。全て自己責任です」
ま、そりゃそうでしょうね。
「質問その3。ギルドランクはどうやって上がるの?」
「自分より上のランクのモンスターの討伐です。自分の力がもっと上のランクでもいけると思ったらその依頼を受けることをお勧めします。しかし、さきほど言ったとうり怪我等してもギルド側は一切の責任は負いません。それを頭に入れて置いてください」
「最後。たとえばこの街で依頼を受けて別の町で報酬を受け取れる?」
「はい。可能です。基本的に全ての町のギルドどうし繋がっているので」
へぇ、出来るんだ。これは意外。
「ん、分かった。ありがと」
「はい。これから頑張ってくださいね」
やっと終わった~! 長かったなぁ。あまりにも長すぎて守なんか眠いとか言って先にカルロスさんの家に行っちゃうし。
ふぅ、私もカルロスさんの家に行こっと。今日はすごい疲れた。
「そりゃああんなに長い話を聞いてれば疲れるもんじゃよ」
「ありゃ、アリア。さっきぶり。何で指輪に戻ったの?」
「ああ、人間どもに見つかると何かと面倒なんでな。ずっと隠れてた」
「ふーん。そういえばさ、精霊と契約すると能力がもらえるって言ったじゃん。結局、私には何が増えたの?」
「そういえば言ってなかったな。妾の能力は風を自由自在に出来ることじゃ」
「風?」
おや、意外なものが出てきた。アリアの服装的に闇の属性かと思ったのに。
「そうじゃ。風の力で飛んだり、足を速くしたりと色々あるぞ」
「へぇ~、結構使えそうだね」
「うむ。見たところお主の属性は風じゃからな。使いこなせるじゃろ」
「私って風だったんだ……」
「まぁ、詳しい説明は後じゃ。腹が減って力がでん」
「あんた食えないじゃない」
「大丈夫じゃ。お主が飲み食いしたら同じように味とか感じるし、腹も膨れるのじゃ」
な、なんつー便利な体……。
「さぁ! さっさと行って飯を食え!」
「はいはい……」
ホントに精霊なんだろうか?こいつは……。
第3話でした。今回は、説明&アリシアのキャラ崩壊。まぁ崩壊というよりそっちが本物なんだけど。ちなみにアリシアと綾奈は基本仲がいいです。守さえ干渉しなかったら仲の良い姉妹に見えるでしょう。次回も説明が入ると思います。
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