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とある少女と少年の異世界物語  作者: 俺様参上!
第2章 エリトリア編
25/32

episode23・・・市街地にて

今回、シリアスなんだかコメディーなんだか分からないものになってしまった……。

〔Ayana side〕

さて……、街に出たはいいけどどうしようかな……。


「あ、アヤナさん! 起きたんですか」


「アリシア。うん、ついさっきね」


「そうですか。よく寝てましたね」


「まぁね。アリシアは少しは寝たの?」


「いいえ、若いですから」


…………なんかイラッときたわ。


「…………それは、私が若くないと言ってるのかしら~?」


そう言いつつ、アリシアの頭の横を両手でぐりぐりする。そりゃーアリシアからみたら私はおばさんかもねー。ふっふっふー。


「いたたたたたたたたたたた!!! そ、そんなつもりじゃなかったんですぅぅぅぅ!! ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!」


ふぅ、そろそろ泣きだしそうだからやめてあげるか。それに意外と疲れるわ、この技。


「ま、まだ痛い……」


「そういえば守は一緒じゃないんだ?」


アリシアの恨みがましい視線を無視し、少し気になっていたことを聞いた。ちなみにヴィルトは宿で寝ていた。犬のくせに隙だらけだったから少し悪戯してきた。面白かったわー。


「はい、途中まで一緒だったんですけど、途中からいなくなってしまって……」


「そか。そんなら、探してみようかな~」


「………………アヤナさん」


「なに?」


アリシアは急に声のトーンを落とし、私を呼ぶ。


「少しお話があるので人気のないところに行きませんか?」


「いいけど……」


なんだろう? 急に話したいことって?


~路地裏~

「話したいことって何?」


「…………アヤナさんは、マモルさんのことどう思ってますか?」


……………は?


「ごめん、なんだって?」


「だから! アヤナさんはマモルさんのことどう思っているんですか!」


「……え~と、猪突猛進の大バカ野郎で、お人好しで……」


「違います! マモルさんのことを女性としてどう思うかです!」


分かってるよ! 分かってるけど唐突にこの質問っておかしくない!? なんの前触れもなかったよ!? そりゃ話も逸らしたくなるよ!


「で、好きなんですか? 嫌いなんですか?」


「嫌いじゃ……ないけど……」


「じゃ、好きなんですね?」


「お、幼馴染としてだよ! そんなこと、考えたこともないし……」


「はぁ……、だめですね、アヤナさんは」


目の前の幼児が大げさにため息をつく。なんかムカつく。


「そう言うアリシアはどうなの? 守のこと好きなんじゃないの?」


「好きですよ」


即答だった。そういえば最近はなかったけどアリシアってヤンデレだった。そりゃ即答もするよね。


「じゃ、じゃあ、なんで私にそんなことを聞くのよ?」


まさか私を消すための確認……とか? ヤバい! それはヤバいって! 


「それは…………」


「それは…………?」


ごくりと喉が鳴った。この答えによって今後アリシアに対しての接し方(というか殺されない方法)を考えなくてはいけない。というか殺されたくないーーー!


〔Arishia side〕

「それは…………」


そこまで言ったところで言葉が止まった。はたしてこれは私の口から言っていいのだろうか。こういうのは普通自分の口から言うものだから…………。


「それは…………?」


アヤナさんの喉がごくりと鳴った。アヤナさんの顔は真剣そのものだった。


…………言っちゃダメだよね、やっぱり。だってアヤナさんこんなに真剣なんだもん。


「秘密です」


「……え? ちょ、なんでよ!?」


「それも秘密です」


「ひど! ねぇ、教えてよー! 気になるじゃない!」


慌てるアヤナさんはなんか子供みたいで可愛かった。







「いいなぁ、あの二人……」


アヤナさんがマモルさんを探しに行ってしまった後、私は宿に戻り、ベッドの上で軽くぼやいた。


正直、マモルさんの事は諦めてる。だって、アヤナさんと一緒にいるマモルさんはすごく、幸せそうだったから。私には、あの幸せそうな顔をさせてあげられるのは無理だと思う。アヤナさんだから出来るんだ。


『アリシア……』


ウンディーネ、私、泣かないよ? だって、涙は嬉しい時にしか流したくないもん。


『そう……でも、無理しないでね? 私は何時だってあなたの味方なんだから』


うん……ありがと。マモルさんの事はまだ好きだけど、好きだった人に好きでいて欲しいって気持ちは、持っていてもいいよね?


『当たり前じゃない』


そうだよね。ありがと…………。





うう、アリシア……けなげだなぁ……。


ウンディーネ「そうよ。いい子なんだから…………幸せにしてあげないと許さないわよ?」


当たり前だろ! この物語はみんなハッピーエンドで終わらせる……つもり。


ウ「いまいち信用ならないわね……」


でも少なくともアリシアは幸せになるから!


ウ「ホントなのかしら」


ほんとほんと! では次回予告!


ウ「アリシアと別れた綾奈はようやく守を発見する。そこで……次回、『街はずれにて』」


お楽しみに!

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