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とある少女と少年の異世界物語  作者: 俺様参上!
第2章 エリトリア編
18/32

episode17・・・真相

「やっと来たか」


ここはさっき襲ってきた忍者軍団のリーダーっぽい奴を縛ったところ。近くにあった木に縛っておいた。(魔法で)


「随分偉そうね。そんなところに繋がれてるくせに」


まぁ繋いだのは私だけど。ちなみに他の奴らに解かれちゃ溜んないから他の奴らも結んであるしね。


「これか? これなら……ふっ!」


【パラッ……】


「!……なんで逃げなかったの?」


こいつ……縄抜けなんて出来るくせに……。


「いつでも逃げられるなら急いで逃げることもないだろ?」


「……あっそ」


……なんか、ムカつく。


「それで、聞きたいことがあるんだろ?」


「答えてくれるの?」


「こっちにも色々事情があるんでね」


「ふ~ん……」


なるほどね……。


「ま、いいわ。ありがと」


正直、助かった。私がしようとしたこと……それは、拷問。やりたくなかったけど、この街の人たちのためにどんなことでもするつもりだったし。……守には言ってないけどあいつも分かってるみたいだった。


「自分のためなだけだ」


忍者はそっぽを向いて言った。テレてるのかな?……ふっふ~ん♪


「じゃあ早速」


「なんだ?」


「あなたの名前は?」


「……なぜ、そんなことを?」


「いつまでも呼び名が分かんないんじゃなんか嫌だしね」


それになんかイジりがいがありそうだし♪


「……リフォルだ」


「ふ~ん、いい名前じゃない」


「……他にも質問があるんだろ? 早くしろ」


顔を少し赤くしながら急かしてくる。ふふん、やっぱりリフォルってツンデレみたいね。


「……もっと重要な質問があるだろう?」


「そうね、じゃああなたの年は?」


見た目17,8だけど……。


「……聞いてどうする」


「別に? 聞いてみただけ」


「………………」


【チャキ……】


「わ、分かったわよ、真面目にやるから!」


「………………」


【……チン】


こ、怖いなぁもう。いきなり刀なんて構えるなんて……短気だなぁ。


「……次はないぞ」


「りょーかい」


…………むぅ、そんな怒ることないのに……。


『……お主はそんなことをしに来たのか?』


……分かったわよ。


「じゃあここから真剣に。……領主の名前は?」


「……そんなことも知らなかったのか?」


「悪かったわね」


「……あいつの名前は二ール・レヴィ・アスナールだ」


へぇ……案外普通ね。


「次、レヴィ・アスナールって何者?」


盗み聞きしたときの会話では人間じゃないっぽいけど。


「……あいつは人間だ。ただし」


「……ただし?」


「……魔王に忠誠を誓った人間だ」


「……どういうこと?」


「言葉道理だ。あいつは魔王に忠誠を誓う代わりに強力な魔力を得た。しかもあいつは貴族。誰も逆らえるわけがない」


……なにそれ。貴族で魔王に忠誠誓うってどんだけテンプレ道理よ。


「ちなみにどれくらい強いの?」


「一般人の8倍当たりだと言われている」


な~んだ、私より弱いんじゃん。


『当たり前じゃ。主は魔王と同じ位の魔力があるとアリシアが言っていたじゃろ』


あ、そっか。


「……驚かないんだな」


「ん? まぁ、ね」


「何故だ?」


「ん~、あなた私の魔力調べられる?」


「少し時間はかかるが……」


「じゃあやってみて」


『……なぜ口で言わんのじゃ?』


多分言っても信じてもらえないかなって。


『……確かに』


「……!? そんな馬鹿な!」


あ、分かったみたいね。


『みたいじゃな』


「魔力が一般人の30倍!? ありえん……」


……ん? 私って確か20倍じゃなかったっけ?


『ん? 言ってなかったか? 主の魔力は日に日に増え続けておるぞ?』


聞いてないよ!?


『あと、一緒にいるマモルとアリシアの魔力も上がり続けておる』


守たちも!?


『ああ、多分お主の影響じゃろうな』


私の?


『近くに魔力が強いものがいると上がるみたいじゃな』


みたいって、知らなかったのかい。


『まあな』


……ホントに精霊なのだろうか、こいつは。


「お前、どうしてこんな……!」


「あ~、聞きたいのは分かるけどそれはあとでいい? 別のことも聞きたいし」


「……分かった」


……予想以上に簡単に引いたわね……。 まぁいいか。


「その魔王って奴、何者か知ってる?」


「……いや、名前しか分からん」


「……そっか。じゃあその名前を教えて」


「……確か、ランス、と言ったか」


…………え?


「今、ランス……って言った?」


「ああ。それがどうかしたか?」


「ううん、別に……」


魔王、か。……はぁ、やっぱり私の悪い予感ってほんっとよく当たるわ……嬉しくないけど……。


しかし、なんというかまぁ……すでにラスボスに会っていたとは……運がいいんだか悪いんだか……。


『悪いじゃろ。確実に』


普通に言わないでよ!


『今さら何を言っとるなやら……』


うるさいうるさいうるさい! 現実を認めたくない私の気持ちを察しなさいよ!


『そんなことより、リフォルに聞きたいことがあるのではないか?』


そんなことって……まぁいいか。


「ねぇリフォル?」


「なんだ?」


「なんでこんなに協力してくれるの? あなた、私たちの命を狙ってきたのよね?」


「……………………」


だんまりか……ということは言いにくいことってことね……。


「……あいつの命令に従っていたのは、俺たちの家族や恋人が人質になっているからだ」


「……人質?」


「……ああ、俺が不甲斐ないばっかりに、あいつは……俺の妹を……」


リフォルは悲しそうにうつむいた。


【バキィ!!】


私は近くにあった思いっきり殴る。殴った木はバキバキと倒れた。


「!?……アヤナ?」


ダメだなぁ私。感情のコントロールが出来ないよ。今だって思わず拳に魔力を込めて木を殴ってしまった。


「……一つ、聞いていい?」


「……なんだ?」


「あなたは、自分の命を賭ける覚悟はある?」


「……どういうことだ?」


「いいから答えて」


「……ああ、もちろん。それが賭けることに値するならな」


「そう、じゃあ明日の朝その糞野郎をぶっ殺しに行くわよ」


「……何?」


リフォルは呆気にとられた様子で聞き返す。


「そうと決まったら明日に備えて休むわよ。今日は疲れたわ」


「ちょ、ちょっと待て」


「何?」


「なぜいきなりそんなことを言い出す? 俺たちはお前らの命を狙ってたんだぞ?」


なぜって? そんなの簡単よ。


「私がむかついたからよ」


「……それだけか?」


「それだけよ」


「……ふっ、ははっははははは」


「……なにがおかしいの?」


「お前、変な奴だな」


「よく言われるわ」


「だろうな」


そしてまた笑いだすリフォル。ったく、こっちはイラついてるのに……。


「笑うのもいいけど、ちゃんと寝なさいよね」


「はははははは」


「ったく……」


まぁいいか。リフォルが笑うなんて思わなかったし。いいもん見れたわ。

綾奈さんがキレました。キレるとおっかねーです。あと、女の子にやさしーです。

でも百合的な趣味はありません。あしからず。


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