episode09・・・森の中で
31日です!1年の最後です!これからもよろしくお願いします!
話は変わって今回、結構シリアスになります。
それから3日後、私たちは俗に言う森林樹林と呼ばれる森の中にいた。地図を見る限り、ここがエリトリアに行く道であることは確かっぽい。確かっぽいんだけど。
「ねぇ、守」
「…………なんでしょう」
「反省、してる?」
「…………はい」
なかば泣きそうな声で返事をする守。そう、私たちはこの森の中で迷ったのだ。
原因はもちろん守で、理由は『ここを突っ切ったほうが早く着きそうだったから』
そんな理由でエリトリアへの街道からこんなうっそうと木々が生い茂った森の中へ侵入を果たしたのだった。
アリシアも今回ばかりは何も言えないっぽい。その代わりに守を責めもしない。まぁそうそう好きな人を責めたりしないか。
「アヤナさん、日が落ちる前にこの森からでないと進めなくなりますよ」
「そうだね、早く行こう」
先導していたアリシアに返事をし、守にもっと早く歩くよう促した。
『ん?』
どうしたの?
森の中を進んでいたらアリアがいきなり声を出した。
『いや、なにかあっちのほうから魔力を感じてな。しかもかなり強いものじゃ』
もしかして魔物?
『いや、これは――――――――――』
アリアがなにかを言いかけた瞬間、馬鹿でかいトカゲが襲ってきた。
うげ、こいつ私よりでかいんじゃないの?
「綾奈!大丈夫か!?」
「大丈夫!」
「アヤナさん!マモルさん!きますよ!」
アリシアの言葉とともに3体くらいのトカゲが襲ってきた。ってこいつ一匹じゃなかったの!?
「はあっ!」
『輝きに燃える紅き炎よ!我が手に集いて弓となれ!フレア・アロー!』
守がトカゲを切り裂いて、アリシアが炎の矢で貫く。
「行きます」
私はその場から最も離れたトカゲを狙った。切り抜け、移動し、また切り抜ける。これを四方八方から全て一瞬で行った。
「――――――――疾風」
そして空中からの一撃を加えフィニッシュ。ふっ、決まった。
「かっこつけてんなよ」
技の余韻に浸っていたら守にはたかれた。相当痛い。
「なにすんのよ~」
「変なことしてるからだ」
ガーン!変なことって……あれ、変だったの?
『ああ、相当な』
ガガーン!……ショック……。
『そんなくだらないことよりもさっきの魔力、どうも気になる。行ってみてくれないか?』
く、くだらないって……ひどい……。
『行け』
はいっ!
「ねぇねぇ、守、アリシア」
「なんですか?」
「なんかアリアがあっちから魔力を感じるから行ってみてくれって」
「え?でも早くこの森からでないと進めなくなりますよ?」
「それなら心配ない。妾の予想が合っていれば大丈夫なはずじゃ」
いきなりアリアが指輪から出てきてそう言った。……最初からそうすれば良かったのに。
「何か言ったかの?」
「い、いや、なんでも」
……精霊って地獄耳なんだな。気を付けよ。
「うわぁ、すげぇ……」
「綺麗……」
二人が感動しているのは目の前の湖だった。湖は木々の間からの日の光で輝いていた。
すごい。この森にこんな場所があったんだ……。
「やっぱり当たりみたいじゃな。いるんじゃろ?ウンディーネ」
みんなアリアのほうをみて「は?」っていう顔をしている。もちろん私も。
けど、その顔はすぐに驚愕に変わった。なぜなら、湖の水が集まって人型になっていったからだ。
「「「え、えええええええ!?」」」
『久しぶりね。何年ぶりかしら』
「そうじゃな、だいたい500年ぶりじゃなかったか?」
『そう、もうそんなになるのね』
「時がたつのは早いからの」
なにこれ?驚いている私たちをほっといて二人で話しこんでいる精霊。どういう状況よ!
『で、何のようなの?』
「いや、この森を抜けようとしたらお主の魔力を感じたからここに来たのじゃ。ただそれだけじゃ」
『ふーん、で、あの子たちは?』
「あやつらは妾の主人とその仲間じゃ」
『へぇ……、ちょっと、あなたたちこっちきて』
「え?あ、はい!」
『さて、私はウンディーネ。水の精霊よ。よければあなた達の名前を教えて欲しいのだけど』
「お、俺は神埼守です!」
「す、鈴木綾奈です」
「アリシア・フォーンです……」
『マモルにアヤナにアリシアね。覚えたわ。で、話したいのはそっちの二人なの』
そう言って、ウンディーネは私と守を指差した。
「私たち、ですか?」
『ええ、あなたたち、この世界の人間じゃないわね』
「「「!!!???」」」
『そんな驚くことじゃないわ。精霊なら皆そのくらいは分かるわ』
そ、そうなんだ。さすが精霊。
『で、あなたたちはこれからどうするの?魔王でも倒しに行くの?』
「いえ、私た――――「もちろん!そのつもりさ!」
とりあえず無言で守を黙らせた。
「私たちは私たちをこの世界に連れてきた人を探しています」
『会ってどうするの?』
「元の世界に返してもらいます」
『してくれなかったら?』
「力ずくでも」
「おい!?」
「守は黙ってて!……とにかく、これが私たちの……いえ、私の考えです」
私たちのというのは阻まれた。守が俺は違うという視線を投げかけてきたから。
『そう、……あなたはどうなの?』
「俺は、魔王を倒す。そして自分の世界に帰る」
『アヤナとは違う道になるわよ?』
「大丈夫。俺はこいつを信じてる」
「なっ!?」
守はこっちを見てにって笑ってきた。こいつ……。
『そう、分かったわ。それとアリシア』
「なんでしょう?」
『あなたはこの世界の人間でしょう?このままついて行っても悲しい結末になるわよ?それでも行くの?』
「はい。私は自分の命をかけて守さんを幸せにすると決めていますので。それが、どんな結末になっても」
アリシア……そんなこと思っていたんだ……。
『なるほどね……分かったわ。私の力を貸してあげる』
「「「……え?」」」
ち、力を貸すって?
『実はここにいるのも限界なのよね。瘴気がすぐそばまできててさ』
き、急にフレンドリーになったなぁ。
「瘴気って?」
「魔界の空気のことです。精霊はもちろん、人間に対しても有毒な空気で、大変危険なものです」
ま、魔界って…………そんなのもあったんだ……。
『そんなわけだからさ、ここから連れてって?』
「連れてって?っていっても……」
ちらりとアリアのほうを見た。その視線に気付くとニヤッと笑って指輪に戻る。っておい!戻るな!
『私を連れてった方が得よ?戦闘だって少しは楽になるし』
「な、なるほど……」
『じゃ、決定ね!』
「え?ちょっと待って!」
『アリシア~、ちょっときて?』
「は、はい?」
『せーの!』
ウンディーネがアリシアの首に触るといきなり強く光った。
「うわっ!」「ひゃっ!」「きゃっ!」
ま、まぶしっ!
「……も、もう大丈夫みたいよ……」
「一体、なんだってんだ……ってああっ!」
守がアリシアのほうを見て驚く。一体何なの……
「ああっ!」
「え?な、なんですか?」
「首っ!アリシア首っ!」
「首?首がなにか……え?なん、ですか、これ」
そういうアリシアの首には首輪が巻いてあった。しかも、犬に着けるやつ。
「う、ウンディーネぇぇぇぇぇぇ!!!」
その日、アリシアの声が森中に響き渡った……。
こんばんわー!四日ぶりです!
今回、微妙にシリアスになりました。ホントはもっと先だったはずなのに……。
綾奈「ちゃんと計画を立ててから書きなさいよね」
すみません……。
守「元気出せよ!まだ最初だし、気にすることないって!」
守……ううっ、ありがとう!元気出たよ!
綾「これから良くなる保証もないけどね」
ガーン!……ううっ、どーせ俺は…。
守「酷いこと言うなよ!せっかく慰めたのに」
綾「いや~、なんとなくやっちゃった」
守「で、俺たちなんのためにここに来たの?」
ああ、それはお前たちの紹介をしてなかったからここでしちゃおっかなって。
綾「番外編でも書けばいいじゃない」
いや~、こっから書く時間ないんだよ。宿題やるの忘れててさ~。
綾「馬鹿ね」
守「フォローできない……」
ふっ、これは自覚してるからダメージにならん!HAHAHA!
綾「馬鹿すぎる……」
守「ってか紹介ってプロローグでやんなかった?」
気ニシナーイ!
では紹介します!
鈴木 綾奈
年齢 16歳
誕生日 5月28日
顔 上の中
身長 158センチ
血液型 A型
好物 甘いもの
神埼 守
年齢 16歳
誕生日 5月28日
顔 上の上の上
身長 178センチ
血液型 B型
好物 辛いもの
綾「へ~、私と守、誕生日一緒なんだ」
うむ、なんか一緒にしたくてな。
守「そんなことで俺たちの誕生日決まったんだ!」
うん。
守「うんって……」
綾「他の人たちは?」
他の奴らはまた今度。風呂はいんなきゃ。
綾「それだけの理由で!?」
うん。それではまた!
綾・守「これからもよろしく!」