第6話 旅立ち
朝起きたらまだフィナは眠っていた。昨日の疲れが取れていなかったんだろう。
「キュ!」
「キュキュ、おはよう。」
横を見るとキュキュが起きていた。
「なぁ、キュキュ、お前はこの家に居たいか?」
「キュ?キュキュ!」
「そうか、俺の所に居たいと、嬉しいこと言ってくれるじゃんか。じゃあフィナについて行ってもいいか?」
「キュ〜キュ!」
不満そうだったが納得してくれた。
「そうか、ありがとう。」
そうして朝ご飯を取り出して食べていたらフィナが起きてきた。
「おはよう。」
「ええ、おはよう。」
「フィナも飯を食べるか?」
「食べるわ、でも自分で用意するから座っていていいわよ。」
やり方が分からないと思うけど、どうするんだろ?
「ちょっと、何も無いじゃない!どうやってそのご飯作ったの!」
そうフィナが指差した所にはハムチーズトーストがあった。
「その冷蔵庫を自分が食べたいものを思い浮かべながら開けてみろ、そうしたら何かしら出てくるはずだから。」
そう言ったら半信半疑ながらもフィナは冷蔵庫を開けた。
「す、すごいわ。本当にでてきた。」
そう言いフィナが取り出したのはフレンチトーストだった。
「そうだろ、俺も最初は驚いたな。」
「これ、どう言う仕組みで出てきているの?」
「俺も知らん。だけど食べれるから別にいいだろ。」
「それもそうね。」
そう言い俺の前の席にフィナが座った。
「それでこの後直ぐに崖の所に行くのか?それとももう少しここで休んでから行くか?」
「いいえ、直ぐに行くわ。」
「そうか。」
そこで会話が途切れた。
朝食を食べ終わった後俺たちは外に出る準備をしていた。
「それで準備はいいのか。」
「ええこれでいいわ。」
そこには、ジーパンにTシャツを着たフィナがいた。
「すまんな、そのクローゼットからは衣が出るのは確認ずみだったんだが男物しか出なくてな…」
「別にいいわよ、それにこの服動きやすいし。」
「それだったらいいんだが。」
そうして準備万端になった俺たちは外に出た。ちなみに俺の服装は狩りに行く時の服装で自衛隊の服装に近い感じだ。
「それでどっちなの。」
「あっちだ。」
そうして崖の方に指を差した。
「それで、ここからどの位距離があるの?」
「だいたい10キロくらいだな。」
「そんなものなのね。」
「だいたい歩いて2時間くらいかな。」
「なんで分かるの?障害物とかあると思うんだけど?」
「俺はよく森の中で魔獣狩りをしているから分かるんだよ。」
「貴方この森の中で魔獣狩りをしているのね。私もここの強さのモンスターなら倒せるから心配しなくていいわよ。」
「フィナはその年でここのモンスター倒せるのか。俺はその年の時なら絶対倒せなかったわ。」
「ヒューマンには難しいかもしれないわね。才能が有るものでしっかりと努力をしたものなら二十前半くらいには楽に倒せると思うけど。だから貴方はしっかりと努力した人だとわかるわ。」
いや、神様から力を貰ったから俺の努力かと言われると微妙なんだよな。でも、いちよう努力はしたから嘘ではないか。
「そういえば、ヒューマンとか言っていたけど、フィナもヒューマンだろ?」
「えっ、何を言っているの?私は吸血鬼よ。」
「吸血鬼?何言っているんだ。人そのものじゃねぇか?」
そう言い疑いの目を向ける。
「信じて無いわね、それならほら、見なさいよ。」
そうしてフィナが髪をかき上げ、もう片方の手で歯を見せてきた。そうしたら耳が少し長く、鋭い犬歯が会った。
「ほ、本当だ。」
「だから言ったでしょう。それに目が赤いのだってみたら分かるでしょう。」
「言われて見れば確かにそうだな。」
「気づいてなかったのね。」
「ああ、すまんな。」
「別にいいわよ。」
「ん?じゃあフィナって何歳なんだ?」
「183よ。」
「ああ、俺よりも年下か。」
「ちょっとど言うこと?貴方ヒューマンよね。嘘をついてるの?」
「いいや、本当だ、正確な数字は覚えてないけど、200ちょいあると思うぞ。」
「嘘…なら貴方はハイ•ヒューマンということなの!」
「いや、ハイ•ヒューマンかどうかは知らんけど、そう言うんならそうなんじゃないか?それなんだったらフィナはハイ•吸血鬼なのか?」
「そ、コホン。違うわ普通の吸血鬼よ、普通の吸血鬼でも500年生きるわ。」
「そ、そうか。」
なんか焦っているけどどうしたんだろ。そう怪しんで見ていると。
「そ、そう言えば貴方ハイ•ヒューマンなんでしょ、それは凄い事よハイがつくには神に認められるほどの強さが必要なんだから。他にもハイがつく方法は色々あるのよ。」
「そうなのか。」
そんな事を話しながら崖の所まで歩いて行った。
「もう少しで着くぞ。」
そうフィナに言った。
「そうなのね、分かったわ。」
「なんかあっという間だったな。」
「そうね。それに道中に出てきた魔獣も瞬殺だったしね。貴方本当に何者、私はヒューマンに会ったのが貴方が初めてだから分からないけどそんなに強いの?」
「俺も人と会ったのがフィナが初めてだからな〜正直なところわからない。」
「そうなのね。」
そうしてもうすぐという所まできた。
「もうすぐで着くぞ。」
そうして森を抜けた先には血溜まりがあった。
「何かしらこの血溜まりは?」
これはあの狼を倒した所か死体は魔物が持っていったみたいだが。
「これは狼の血だ。」
「それにしては多すぎないかしら?」
「いやフィナを追いかけていたやつの血だ。」
「えっ、倒したの!あのポテンシャルウルフを!でも、そうね、ハイ•ヒューマンの貴方なら可能かもしれないわね。それでどうやってこの崖を登ろうかしら?」
「吸血鬼なら空を飛べそうだが?」
「貴方の言う通り飛べるわよ。でも日があると飛べないのよ。」
「なるほど、だったら俺に任せろ上に登りたいんだよな。」
「ええ、そうだけどどうやって登るの?」
「ちょいと失礼。」
そう言いフィナをお姫様抱っこをした。
「ちょっと、きゃ!」
そうして植物魔法を使い崖につるに変形させた植物魔法を刺してその反動を利用して登っていった。
「死ぬかと思ったじゃない!」
「すまんすまん。だけど登れたじゃないか。」
「それもそうね。」
そうして沈黙が降りた。
「じゃあさようなら、またいつか会いましょう。」
フィナは悲しそうな顔をして背を向けた。
「ちょいといいか。」
「何?」
フィナは振り替えらずに言った。
「俺もお前に付いて行くよ。」
そう言ったらポカンとした顔をして振り替えった。
「いや、俺はあそこでダラダラ過ごそうと思ってたんだが暇で暇でしょうがなかったんだよな、その時フィナが来たからこれをきっかけに世界を周ろうと思ってさ、だからフィナについて行くよ。」
そうしてフィナは嬉しそうな顔をしたけど直ぐに悲しそうな顔で言った。
「ごめんなさいそれはダメなの。」
「それはなんでだ?」
そう聞いたらフィナはとても困った表情をした。
「言えない事なら別にいい、だが納得はしない。」
「わかった、話す事にするわ。まずはごめんなさい、私の本当の名前はフィナリナ•レッド•ロード、王家の者よ。」
「偉い人だと思っていたが、王家だったとは、驚いたな。」
「驚くのも無理は無いわね。それで普通に王都で暮らしていたんだけど第二王子が反逆して、私は逃げる事になったのよ。だからついて来てはダメだわ。」
そう言いフィナはとても悲しい顔をして言った。
「成程、だったら尚更付いて行かなきゃな。」
そう言ったらフィナは怒った。
「なんでそうなるの!危ないから付いてこないでって意味が分からないの!」
「だからだろ。だから俺も付いて行くって言っているんだ。そんな危険な所お前1人で行かせるかよ。」
そう言ったらフィナは顔を真っ赤にした。
「なっ、何言っているの恥ずかしいじゃない!」
確かに俺めっちゃクサイセリフを言ったな、今になって恥ずかしさが出てきたわ。だが俺はクールな男ポーカーフェイスだ。
「それに俺は強いんだろ。だからついて行ってもいいか。」
「っわよ。」
「えっ、なんて?」
「良いわよ!」
「おお、そうか。んじゃまたよろしくな。」
そう言い手を差し出した。そうしたらまだ顔が赤いフィナも手お出してきた。
「そうね、こちらこそよろしくね。」
「キュ!」
そうして少し気まずい空気がながれたがキュキュが自分を忘れるなと怒ったことで笑いが込み上げてきた。
「「ふっ、あはは。」」
そうして二人で笑い会った。
なんか題名から遠くなっているような気が…