第4話 キュキュの成長
最後にヒロインが出てきます。
朝起きて横を見たらキュキュがいた。昨日寝る時も考えたがやっぱキュキュを強くしなきゃいけないよな。そう思ったら行動だな。そうしてキュキュを起こした。
「よし、キュキュ。この森で生きていくには強くならなければならない分かるか。」
「キュ!」
「なら俺がいるから魔物を倒してレベルアップするか。パワーレベリングみたいにならない様にしっかりと実戦もするからな。」
「キュウ!」
「そのために、キュキュが何をできるのか知らないとな。キュキュ、なんかできる事をやってくれないか。」
「キュ!」
そうキュキュが泣くとキュキュの前に炎が飛び出してきた。
「キュキュの魔法は火か。他に何かないか?」
そう聞いたら大きな火が出てきた。
「おお、すごいな。これなら実戦でもなんとかなるだろ。」
そう言い装備を整えて外に出た。
「キュキュ、近くに魔物がいるぞ。準備しろ。」
魔力感知により近くに魔物がいる事を確認した。そうして気配の方に行くと最初に殺されそうになったツノウサギと同じやつがいた。
「キュキュ、あいつは速いが直線的に動くからしっかりと見て行動するんだぞ。お前なら見切れるはずだ。その後の行動は自分で考えて行動するだぞ。」
「キュ」
「よし、なら行ってこい。」
そう言いキュキュをツノウサギの所に行かせたらツノウサギも気づいたのか戦闘体制に入った。そうしてキュキュが先制攻撃の火球を飛ばしたが避けられてしまった。
そうしてその隙を突くようにツノウサギは突っ込んだ。
だがそれが分かっていたのかキュキュは余裕を持って避けて隙だらけの横っ腹に火球をぶつけて吹き飛ばし、火炙りにした。そうして戦闘が終わったら俺の方に駆け寄ってきた。
「よくやったキュキュ。」
そう言い撫で回してやった。
「キュ〜」
そう言いキュキュは気持ちよさそうに目を細めた。
「キュキュまだ戦えるな。」
「キュ!」
「ならどんどん行くぞ。」
そう言い歩き出したらキュキュが自分で倒したツノウサギの所に行き食べ始めた。
「何やってんだキュキュ?」
「キュキュ」
「いや、食べてるのは分かるけど。別に家に飯があるから良いだろう?」
そう言っても食べるのをやめないキュキュを見ていると魔力が全体的に上がっているのがわかった。
「えっ、なんで?魔物はこんなふうに強くなるのか?」
そう混乱していると食べ終わったのかこっちに戻ってきた。
「キュキュ、お前は魔物を食べれば強くなるのか?」
「キュ」
「そうなのか、ならもっと魔物を倒さないとな!」
「キュ!」
そうして夜になるまで狩りを続けた。
「もうこんな暗くなったな。キュキュそろそろ帰るか。」
「キュ」
そうして改めてキュキュを見ると相当魔力量が増えているのが分かった。最初と比べると約10倍くらいになっているのが分かった。だがこれほど増えるのはおかしいと思う、こんなに簡単に魔力が増えるなら今頃そこらじゅうから魔力を感じると思うからな。
「キュキュ、キュキュだけがそんな簡単に魔力が増えるのか?」
「キュ〜?」
「分からないか。」
たぶんキュキュだけがこんなふうになるんだと思うんだけどな。まあいいか。キュキュはキュキュだし。
「それよりもキュキュ。これを毎日やるぞお前を強くしなきゃいけないからな。」
「キュ」
そうして10年が経過した。
そうなる頃にはキュキュは森の奥の魔物とサシで戦えるくらいにはなった。他にもキュキュは尻尾が増えたのが驚きだった。だが悪いものでも無かったから放置していたら3本目が生えてきた。そうなるとこれからも増えてくると考えていた時ふと思い出した。確か九尾と言う妖怪がいるからそれだろうなーと思った。キュキュの種族が分かったことで俺だか森の奥の魔物は前よりは倒せる様になったが流石に三桁目は無理だったそこまでくると体力と魔力がもたなかった。
「キュキュおつかれ。」
「キュ」
「さすがに大きくなったな。」
キュキュはこの10年で2メートル位の大きさになった、だが変化の術と言う新しい技で小さくなることができた。最初に見た時はさすがにびっくりしたが。
「さて帰るとするか。」
「キュ」
そうして家に帰った。
???視点
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どうしてこんなことになったんだろう。昨日までは普通に暮らしていたのに。いきなり第二王子の反逆なんて。
そして第二王子から逃げていてその追ってに追いつかれそうな時、兄様が止まった。
「ここから護衛たちと一緒に逃げるんだ!フィナ!」
「なぜですか!兄様も一緒に。」
「頼むから言う事を聞いてくれフィナ。」
「いやよ!逃げないなら一緒に戦うわ。」
「言う事を聞け!!」
兄様が怒ったのが信じられなかった。あの温厚で国民に人気で次の王はアルト様と言われていたあの兄様が。
そう唖然としていると兄様のお付きの護衛が私を連れて行った。
「兄様!」
「すまない姫様。」
そこで意識が途切れた。
目が覚めるとここは馬車の中だった。
「ここはどこ。」
「目が覚めましたか姫様。」
「そうだ兄様は!」
そう言いながらメイドに駆け寄った。
メイドは少し俯きながら言った。
「アルト様は護衛たちと一緒に戦っています。」
「そんな… なんで、なんで私を置いて行かなかったの!そうすれば兄様が助かったかもしれないのに。」
「申し訳ございません。アルト様の命令ですので。」
「そんな、兄様の。」
そうして沈黙が降りた。
「兄様を助けに行きます。」
「おやめください相手は沢山いるのですよ。」
「だったらこのままでいいと?」
その時だった。
ガシャン!!
馬車がいきなり倒れた。
「何があったの!」
「分かりません。」
そうして恐る恐る馬車から顔を出したら
「あ、あれはA級の魔物のホワイトタイガー!どうしてこんな所に。」
「それよりも姫様お逃げください。」
「そんな事できる訳ないでしょう。私も戦うわ。」
そうして見ていると護衛の三人が陣形を整えた。
「姫様を守る為に!」
「「「うぉぉぉぉ!」」」
「姫様今のうちに逃げましょう。」
「でも!」
「彼らは姫様を守ることが仕事です。それを無駄にするのですか。それに彼らなら勝てます。なので足手まといにならない様に逃げましょう。」
「わ、分かったわ。」
そうして森の奥に逃げて護衛の戦闘音が聞こえなくなるくらい離れた時。
「いたっ!」
そうして痛みのする腕の方を向くとナイフを持ったメイドがいた。
「なっ!、どうして。」
「バカですね〜あの護衛達も貴方も。」
そこには顔を歪ませ笑っているメイドがいた。
「ど、どうゆう事。」
「あれ、まだ分からないのですか。貴方は今裏切られているんですよ。それにあの護衛達も死ぬでしょうしね。あのホワイトタイガーは私の持っていた魔物を誘き寄せる効果のある粉によって呼ばれたんですよ。だから倒しても倒してもすぐに違う魔物が来るでしょうね。あら、信じられないって顔してますねー。」
「どうしてそんな事を!」
「どうしてって、そんなのあんた達が王族だからに決まってるでしょ。ほらもう回復してる傷を見てみなよ。あんた達王族は濃いもんね吸血鬼の血が。だからすぐに再生する。その血を分けて貰えればすぐに私たちの傷や病も回復するのに!貴方たち王族が血を分けてくれたら弟は死なずに済んだのに!」
そうしてメイドはナイフを振り下ろした。それを寸でのところで避けた。
「私たち王族は無闇に血を分けてはいけないのよ。」
「嘘をつけ、血なんていくらでも分けられるだろう。」
そしてナイフをまた振り下ろしてきたが避けた。
「辞めなさいこれでも私は王族よ貴方では私に勝てない、だからナイフをしまいなさい。話せば分かるわ。」
「なんで、どうして当たらないの。こうなったら。」
そうしてメイドが何かを取り出した。
「これでもくらえ!」
そうして一瞬光ったと思ったらとてつもない悪寒がした。
「ははは、どうだこれでもまだ言うか!」
そうして出てきたのはSS級になる事が可能な狼の魔物S級のポテンシャルウルフだった。
「離れなさい貴女死ぬわよ!操れる訳ないでしょ!」
「戯言を、あいつを殺せポテンシャルウルフ! どうした!なぜ言う事を聞かないポテ」
グシャ!
「!」
「グルル!」
「これはまずいわね。」
冷や汗が垂れているのが分かる。私が相手にできるのはB級クラス、死ぬ気でやればA級に勝てるでしょうけど相手はSSランクになれる可能性があるS級の魔物これは逃げるしかないけど逃げ切れるかしら。
そうして考えていたら相手が攻撃してきた。
その瞬間吹き飛ばされた。
(何が起こったの?体中が痛い)
それから数秒後に理解した。
(吹き飛ばされたのね。)
そう理解して周りを見たら後ろと横は深淵の森の中層で前は森。
(しかもポテンシャルウルフが森から出て来るとは地獄かしら。)
(嗚呼、私はここで死ぬのね。兄様は無事かしら。それに父様や母様も大丈夫かしら。)
そう考えているうちにポテンシャルウルフが近づいてきた。
「死にたくないなぁ。」
ここまで気丈にしていたがここで弱音が漏れてしまった。
そうしてポテンシャルウルフが腕を振り下ろした時、地面が崩れたそうして崖の底にフィナは落ちていきそこで意識が途切れた。
お読みしていただきありがとうございます。