第2話 死闘 オーク戦
目が覚めると左腕がとても痛いことが分かった。
そういえば昨日初めて魔物と戦ったんだった。この左腕は治るのだろうか。治らなかったらちょっとやばいな。
いちよう、頼みの綱の植物魔法があるけどイメージだと治療出来そうな気がするんだがな。まぁ考えてもしょうがないからやるか。
そうして亮太は治療に取り掛かった。
えっと、アニメだとこう言う魔法は植物の生命力を自分に与えて治療してたよな。こう木の壁に手を当てて吸い取る様なイメージをしてと。
そうすると傷が塞がっていった。
おおーすげぇ、これがマンガやアニメで言うドレインタッチか。そうして僅か数秒で傷が塞がった。傷の治るスピードも早いし、しかも魔力消費が少ないのは良いな。
これは結構使えそうだ。
そういえば昨日初めて魔物を倒したんだよなぁ。あまり気持ち悪いとか不快とかその様なことは全くないな。
それに魔力が昨日戦った事なのか分からんが増えてるんだよな。それに力も有り余っているし。これがもう一つの強くなる方法か。魔物を倒しまくればその分だけ強くなることが出来るって言う訳か。
そう言い自分の顔に手を当てると笑っていることが分かった。
(これは、ワクワクしてんのかね。)
戦闘狂という訳ではないが自分は強くなることが好きな様だ。こうして命がけの戦いをするのは日本じゃ無いからな。昨日の戦いで自分の戦闘本能が目覚めたのかね。
さてと自分のことはいいからまずは自分の目的をしっかりしないとな。そう言いウサギの皮を剥ぎ取ろうとしたがやり方が分からなかった。
(どうやるんだ?)
何とかやるしかないか。まずは首を落とせば良いのかな。ナイフを持ち切ろうとしたら骨に当たったのかきれなかった。
硬いな、無理矢理切るか。そう言って体重を乗っけたら
ザクッ
「おっと、これで良いのかな?」
そうしてウサギの頭と離れた体が出来た。頭のツノの方は記念に取っておくか。そうして頭のツノを切り取った。そうしたら皮を剥ぎ取るか、首前からお腹を切る様にしたら中から結構な匂いがした。
「クッサ!」
血抜きをしていたから血はあまり出なかったが。内臓がとても臭かった。この皮は使え無さそうだな。
(流石に一日放置はやばかったか。)
そうして内臓を取り出したが手がとても臭かった。流石に洗わないとおかしくなりそうだ。そう言い冷蔵庫から水を取り出し台所で洗った。
(まだ少し匂うな)
手を嗅ぎながらそう思った。まだ早いが風呂にでも入って来るか。そうして風呂から上がった亮太は昨日の戦いの反省を行った。
まず、油断したのがいけねぇよな、小さいからと言って弱い訳では無いからな。それに痛みで少し怯んでしまったのも駄目だよな。だから痛みに慣れる練習でもするか。そう言い亮太はナイフを持って肩に突き刺そうとして止めた。
(ビビるな。強くなるんだろ俺!。)
そう言い、活をいれナイフを突き刺した。
「カッ!!…クゥ!」
そうして抜いた。それを植物魔法で回復してまた刺した。それを何度も何度も何度もやり続けた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
これはやばいな、精神に結構来るな痛みも最初は痛かったが徐々に慣れてきたのか大丈夫になって来たし。アドレナリンでも出てるのか?まあ強くなるためだといえ、とにかくやばいな。これを日課にして魔法の練習もしっかりとやればあのウサギには遅れを取らないだろう。
そうしてこれを日課にして半年が過ぎた。
その頃には歴戦の戦士みたいな目を亮太はしていた。そして魔法の練習もしていたから今では魔力量がかなりのものになっていた。
そろそろ痛みに慣れる練習は終わりにしよう。その他にもやっていた筋トレや魔法の練習も少なめにして魔物を狩に行くか。そうして準備を終えた亮太は外に出た。
「眩しいな。」
久しぶりに外に出たな、最近は家に篭って練習ばっかだったし、それでもそろそろ練習だけじゃなく実戦もしないと行けないからな。それに強くなるのも楽しいしな。
そうして前来たことがある川まで近づいたところ大きな棍棒右手に持った二足歩行の豚がいた。
(あれはオークと言うやつかな。)
何かとてもデカいな、だいたい4メートルほどか。さてと、あれは俺でも倒せるのかどうかだが。そう言い周りを見渡して見たが森と川しかなかった。
まだ気付かれて無いからここで逃げても良いんだろうが、ここで逃げたらずっと戦いから逃げる様な気がするから戦いますか。それに森の中ならあの棍棒は振りにくいだろうからな。
そう言い狙いを定めて魔力弾を作ったそしてさらに魔力を込めて狙い放った。
(これが新しい俺の魔法だ。)
これは魔力弾に更に魔力を込めて圧縮し威力を上げる魔法だ。その威力は家の壁が吹き飛ぶくらいの威力になる。そうして放った圧縮された魔力弾はオークに向かった。その魔力弾に気がついたのかオークは咄嗟に避けようとした。だか間に合わずに左腕に当たり左腕が吹き飛んだ。そうしてチャンスだと思い魔力弾を放つ亮太だったが、オークは亮太に気付いたのか棍棒を投げて来た。
「あっぶね!」
そうしてしゃがむ事でギリギリ避ける事が出来た。亮太が避けている時にオークは森の中に逃げて行くのが見えた。
(あいつ逃げる気か!)
そうはさせまいと亮太は追いかけて行った。オークを追いかけて行った先には2メートルくらいの豚3匹がオークと待ち構えていた。オークは倒れていた木を持ち上げるとこちらに投げて来た。亮太は咄嗟に木の影に身を隠す事により木を避けた。
(他のオークたちが居たのか、何であのオークより小さいのか分からんが、まずは小さい奴から仕留めるべきか。)
そうして植物魔法を使って近づいて来ている一匹のオークの首を折った。それに驚いてるもう一匹を圧縮魔力弾で仕留めた。そうしたらまた木が飛んで来た。それをすんでのところで交わしもう一匹の小さいオークを植物魔法でつかみデカいオークに向かって投げた。
それをデカいオークが避け小さいオークは木に頭からぶつかり倒れた。
これで一対一と思ったら急に目眩が来た。
(ここで魔力が切れかけたのか!)
やばいと思い前を向いたら目の前にデカいオークがいた。そうして腹を殴られたのか一気に吹き飛ばされた。
ドン!
「かはぁ!」
木に背中がぶつかり勢いが止まった。朦朧とする意識の中このままでは死ぬと思い何とか立ち上がり前を見たらあのデカいオークがやってきた。その顔は醜く歪んで嘲笑っている様に見えた。
(考えろ、考えろ)
逃げるのはこの怪我じゃ無理、他に利用出来そうなものが無いか探したがなかった。こうなったら真っ向勝負しかないと思いどうするか考えた。
(相手は油断している、そしてさっき殴られた感じそこまで力が入っていなかったから相手も相当苦しくて仕方がないはずだ。)
だったら、そう考えるよりも先にデカいオークが攻撃を仕掛けてきた。スピードは少し俺より速いくらいか、ならお前の攻撃を利用してやる。そうやってナイフを取り出しカウンターを狙った。
(まだだ。まだ、まだもう少し。)
「ここだ!」
そう言いデカいオークの攻撃をギリギリで避けて相手のスピードを利用して相手の首を切り裂いた。
ザシュ
そうしてデカいオークは倒れた。
「ハァ、ハァ、ハァ」
(とてもキツかった)
そうして倒れそうになるのを我慢して何とか家に帰った。そして家に入り力尽きた。