新しい住処
不慣れで途中まで書いていたのが消えてしまっていたりで投稿が遅れましたごめんなさい、これからはできるだけ早く投稿していきます。
誤字脱字などありましたらご指摘お願いします。
セルフィーナを連れて予定の時間に西門に行くとすでにゲイルが馬車と待機していてこちらに気付くと笑顔で寄ってきた。
「これは時間通りですね!このゲイルお待ちしておりました。では早速マリネ村に出発しましょう!マリネ村は農地で有名で野菜は勿論果物も有名でとてものどかな場所なんですよ、移動の間はお暇かもしれませんが景色でも観ながらお楽しみください。私は馬車の操作がありますので何かあればお呼びください」
馬車に乗り込むと動き出した、移動中は魔術で宇宙を投影したりしてセルフィーナと遊んでいるといつの間にか到着していた。
「着きましたよ、これが今回の家になります外見は素朴な作りになっています、ここからマリネ村までは徒歩20分となります」
その家は丘の上に建っており眺めも緑がほとんどで確かに長閑だ。
「外見はいいが問題は中だな」
「安心してください中も案外広いですから、ですが掃除などはしていませんので埃が溜まっています、ですが掃除をすれば新築並みに綺麗になりますよ」
中に入ると確かに埃が溜まってはいるが作り自体は良い。
「入って右側の扉はリビングになっております、左側手前は寝室で奥側二つの扉はお手洗いと風呂場になっております、階段を上がると部屋が二つありますのでそちらのお子さんの部屋にするなりご自由にお決め下さい」
一通り家の中を見終わり、ゲイルが「この物件はいかがでしょうか?」と聞いてきた。
「確かに良い家だ、ここを買おう」
「そうですか!なら街に戻りましょう店に書類をご用意していますのでそれに目を通してください」
街に戻り書類にサインし、お金を渡した。
「おめでとうございます!これであの家は貴方様のものです。この度はご利用いただきありがとうございました。何か分からないことがあればなんでもお聞きください」
「今回はこれで失礼させてもらうよ」
宿に戻りセルフィーナにご飯を与えて作った物を収めてこのままあの家に行こう。
「え!?もう出て行かれるのですか!?」
ニーナに宿を出ることを告げると驚いていた。
「あぁ家を買ってな」
「そうなんですね、グレイさん娘さんのご飯を作りに来る以外全然食堂に来なかったんで何してるんだろと思っていたんですが外にいたんですね、分かりました、この度はご利用ありがとうございました!またのお越しをお待ちしております!」
俺は宿を出ると即座に転移門を使い家に行った、先ずは掃除をしなければな、掃除は前からしたことがあるので楽だろう、最初に家全体に強化魔術をかる、次に埃などを消す。
『紅炎』
これで掃除は終わった、次に家具を置いていく、リビングにカーペットを敷いて、机と椅子を置く、寝室にはベッドを置く、服などはまた町に買いに行こう最近のファッションは分からないので仕方がない、その他は必要になれば買いに行くなり作るなりしよう、あとは村に挨拶をしに行こう。
「こんにちは」
村に着くと通りがかった人に挨拶をした。
「こんにちは、ん?あんたみない顔だな?」
「はい、今日丘の上の家に引っ越して来た者です、すみませんが村長さんの家を知りませんか?」
「おぉ!こんな村にお前さんみたいな若いのが来るのは珍しいな!歓迎するよ、村長の家はこのまままっすぐ行って看板が貼られてる所だ、さっそく挨拶してきな」
「ご親切にどうも、では行ってきます」
指示通りに行くと看板が貼られた家があった、ノックをすると中から70歳あたりのお爺さんが出て来た。
「ん?あんたは誰だね?」
「私は今日引っ越してきたグレイですこの子はセルフィーナです」
「なんと!これはご親切にどうも私は村長をしていますゾッグです、どうぞお入り下さい」
村長に招かれ家に入るとお茶を出された。
「いやぁ、こんな物しか出せなくてすまないね、君みたいな若者がこの村に来るのは本当に稀でね是非長居してくださいな」
「はい、ここは長閑でとても落ち着くのでとても居心地が良いです」
「それは良かった、それと家とはあの丘のところにある家かね?」
「はい、そうですね」
「そうか、あそこは景色も良いだろう、だが気をつけるんだよあそこは魔物が出るからね」
「らしいですね、ですが問題はありませんよ、こう見えて私は魔術が使えるんです」
「そうなのかね!ならば心配はないか、何か困ったことがあればなんでも頼って
くれ、こんな老いぼれにできることは無いだろうがな」
「そんなことはないですよ」
雑談に花を咲かせていると部屋の扉が勢いよく開けられた。
「大変だ村長!」
「どうしたんだね、そんなに慌てて」
「大変なんだ!村に魔物が!」
「なんだって!」
俺もその場に居たので無視することも出来ず一緒に現場に向かった。
「こ、これは、、、」
村長は唖然としてしまっていた、5人で応戦したらしく4人が怪我を負っており呻き声をあげていて、もう一人はすでに事切れていた、その亡骸に女の人が泣きついていた、こんなところはセルフィーナに見せられない『睡眠導入』を掛けておこう、泣いていた女性がこちらに気づくと駆け寄ってきた。
「村長!娘が魔物に攫われてしまって、、」
「なんだと!カーラが!これは大変だすぐにギルドに探索依頼を出さなければ」
子供を攫う魔物はこのあたりにはネイルベアーだろう、奴は自身の子どもの為に生きた獲物を与える習性がある、鋭利な爪があり木ぐらいなら切り裂いてしまう、だが俺の鱗にはその程度では傷すらつけれない、ここは俺が行き村に貢献することにしよう。
「村長さん、ここは私が行きましょう」
「グレイ君は確か魔術が使えるんだろうが相手は5人相手に出来る魔物だぞ!」
「問題ありません、奥さん魔物はどちらに?」
「あっちの方に行きました、でもあなたその子供も連れていくの?」
「そうですね、すみませんが少しの間この子を預かってくれませんか?」
「私がですか?」
「はい、貴女はお子さんもいるので赤ちゃんの扱いには長けているかと思いまして、名前はセルフィーナです。今は寝むっているので安心してください」
「セルフィーナちゃん、、、分かりました!私が何があっても守ります!」
俺は寝たままのセルフィーナを手渡した、念のため二人には上位結界を張っておこう、これがあれば隕石が落ちても無傷だろう。
「では少しの間お願いします、私は森の方に行ってきます」
森に入ると『探索』を発動させた、すると奥の方に子供の反応があり直ぐに見つかった、反応があるところに行くと5歳あたりの子供と想像通りにネイルベアーがいた、奴は俺に気がつくと大きな腕を振り上げ攻撃を仕掛けてきたが俺は今は人の姿をしているが元は竜だこんな下級魔物の攻撃など避ける必要もない。
『グァァァ』
攻撃をしたご自慢の爪を俺は掴み握り潰した、奴は勝ち目が無いのを本能で理解したんだろうか森の方に逃げていった、俺は虐殺の趣味はないのでそのまま逃がした、これだけすればもう村に近寄らないだろう。
「お、お兄さん誰?」
今の光景をみて怯えてしまったのか震えた声で話しかけてきた。
「私はグレイ、君のお母さんにカーラちゃんを探すようにお願いされてね、迎えに来たんだ」
「私を迎えにきたの?」
「そうだよ、村に帰ろうお母さんが心配してるよ」
「うん!」
「ん?腕を怪我してるね治してあげるよ」
腕を見ると傷があったので治療魔術を施した。
「すごい!お兄さんは魔法使いなんだ!」
「そうだよ、私は凄腕の魔法使いだよ」
「ねぇねぇ!私も魔法使えるようになれる?」
「うん、カーラちゃんは魔力があるから使えるよ」
「本当!?お願い私に魔法教えて!」
「そうだな、この紙を握って『魔力よ回れ』って言ってみて」
俺は即座に魔術陣を用いて初歩的な玩具を作った、これは言霊を鍵に魔術陣に魔力を通すものだ。
「『魔力よ回れ』!」
カーラが早速試してみると魔術陣が光り、蛍のような光が生まれた。
「すごい!本当に魔法が使えた!」
そんな遊びをしていると村に着いた。
「あ、母さん!」
母親に気がつき手を振り始めた、寝たままのセルフィーナを受けとり母親が泣きながら娘に抱きついた。
「無事で本当によかった、グレイさん本当にありがとうございました!なんてお礼をすればいいか」
「お礼なんてとんでもない、困った時はお互い様でしょう、また何かあれば頼ってください」
「本当に、本当にありがとうございました」
「これくらいのことならいつでも」
これで一段落ついただろう、でも大丈夫だろうかこの親子は二人で生きて行かないといけない、あの父親はもう手遅れだった魂が体から抜け落ち霧散してしまっていた。
「帰ろうかセルフィーナ」
泣きながら抱き合っている親子を見つめながら寝たままのセルフィーナに話しかけて帰路についた。
あとやる事が一つあった、森から魔物が出てこないようにすることだ、これは簡単だ、この辺りを俺の縄張りとする、そうする事で雑魚の魔物は近づかないだろう、だが何体かはこちらに向かってくるだろうそれらを潰せばもう近づかないだろう。
「セルフィーナ少し待っててくれ」
セルフィーナをベッドに寝かせ外に出ると体を元の姿に戻した、村からは見えないのでバレる心配はないだろう、俺は魔力を周囲に流し咆哮を上げた。
『グルォォォォォォォ』
咆哮を上げ待つこと数十分経つと空からワイバーンが飛んできた、どうやらここの主はワイバーンだったようだ、ワイバーンはドラゴンの下位互換ではっきり言ってドラゴンと比べると全てが劣っている。
『今引いたら見逃がしてやる』
俺は温情をかけてやった、だが奴は聞かずそのまま突進してきた。
『言葉すら理解できないか、仕方がない』
俺は噛みつこうとしてくる奴の頭を前足で掴みそのまま握り潰した、肉体を保管するため別次元に入れた。
『これで終わりだな』
もうこの辺りには魔物は出て来ないだろう、姿を人にして家に帰るとセルフィーナが起きたらしくベットから俺に手を伸ばしていた。
「だぁーー」
俺はセルフィーナを抱き上げそのまま遊んでやりご飯を食べさせお風呂に入れて遊び疲れたのかベットに寝かせた。
「時間が経つのは本当に早いものだな」
人の一生は短い、長くて100年だろうか、俺から見るとほんの一瞬だ、だが2000年近く生きてきたがこんなに楽しい二日は初めてだ。
「いいものだな、、、」
俺はセルフィーナの頭を撫でてやると嬉しそうにその手の指を掴んできた、その姿を見て俺は笑みが溢れてきた、そしてセルフィーナに話しかけた。
「これからもよろしくなセルフィーナ」
読んでいただきありがとうございました。
誤字脱字、意味がわからないなどありましたらご指摘お願い致します。