ドラム式洗濯機
引っ越す前に買っていた洗濯機は一層式全自動で2人の子が汚し盛りの時は大活躍してくれたが老朽化により昨年2020年の2月、感染症の高まりの月にドラム式に代替わりした。ドラム式は初めてなので脱水がロケットの打ち上げかと思うくらい振動するのも、そう言うものかと納得するしかない。また、脱水後の洗濯物が若干湿るのもそれは地球の自転に逆らっているのかもしれない。アイリスオーヤマさんと名付けられこいつの顔色を伺って一年過ぎた4月の24日の土曜日かいつは牙を剥いた。
土曜日のトミさんはまた機嫌が悪く、風呂場で昨日何か見なかったかと言う。しばらく考えたらそう言えば風呂場の蓋の上に洗面器があり、その中に何かわからない水筒の蓋のようなものが水に浸かっていた。水筒では無いと思ったのは、それにゴミのようなクズが絡まっていたからである。
なんなんだろうと君に問うと、あなたもレイも家事をしないからわからないのっと怒気を強める。家事は細かいのだ、私は頑張っているのだと言ういつもの論旨である。その説明によると昨日の洗濯物の中にティッシュ紙が紛れており洗濯物が紙だらけになってしまった。そのため洗濯機の糸くずフィルターなる部品を外し洗ったのだと言う。さて、紙をワイシャツのポケットに入れたままにして洗濯物カゴに入れてしまったことはある。そうすると細かくちぎれた一ミリくらいの紙が全洗濯物に付着してしまう。それでも洗ったもののポケットかどこかに原因となる大きめのかみのざんががありはしないかと二階の洗濯物を見に行ったが、トミさんによれば大方洗濯物の間に挟まっていたのだろうと言うのでそのような残骸は無かったと言う事だ。その糸くずフィルターがなかなか取り付けられないのでやってくれと言われて付けた。怒っている中でも何か僕しか出来ない仕事ができれば土曜日の朝の関係回復の糸くず、もとい糸口にはなるかもしれない。取説を見て多少手間取ったが取り付けた僕は少し寝た。彼女の怒りに触れると眠くなる。誰かが一方的に喋る退屈な会議のように、彼女の話だけを耳に通してこちらの会話との比率が一定数を越えると眠くなるのだ。
そして時間が起こったのは眠りから覚めて少し離れたPC店と古本屋への2時間の散歩から帰った時だった。LINEを見ると
あなたを信用した私が馬鹿でした
とあった。