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13話 ルビアの実力

 俺たちがその場についたころには、ラッドがすでにモンスターたちを一掃していた。重症者が何人かいたので、ルビアとミアをそちらに向かわせて、俺とミーシェはラッドのところに向かった。


「ラッド。ありがとう」

「はい」


 数分遅れていたらこのパーティは壊滅していたと思う。でも俺があの場から離れたらルビアとミアが危険な状況に陥る可能性もある。もしそうなってしまったら本末転倒だったから、あの時ラッドが助けに言ってくれたのは本当に助かった。


 一旦、周りにモンスターがいないことを確認してからルビアたちと合流した。ルビアを見ると、重傷者に対して回復ヒールを使っているのが分かった。


「これって......」


 腕の肉がそぎ落とされ、骨が見えていた。これぐらいの怪我を初級魔法である回復ヒールでは治らないと思った。なんせ勇者パーティでの経験上、マリアは骨折レベルを回復ヒールではなく、そのもうワンランク上の魔法を使っていたのだから。


 だが、なぜかルビアは焦っている様子は無く、無心で怪我人に魔法を使っていた。そしてこちらに目もくれずに言われた。


「うん......。多分大丈夫だと思う」


(大丈夫って......)


 すると見る見る内に重傷者の怪我が治って行くのが分かった。


(え?......)


 イメージしていたのと違う。せいぜい肉がもとに戻る程度だと思っていた。だがその人は、痛みを感じていなさそうな表情をしていた。


(こんなことあり得るのか?)


 まだマリアの実力を知っているわけではないから、何とも言えないが、聖女であるマリアが骨折レベルで回復ヒールをしないって言うことは治癒できる具合なんてたかが知れている。


 だけど、マリアは聖女だ。確実にルビアより回復魔法を熟知している。それは俺も身をもって体感している。なのに今、ルビアは骨折を治して、尚且つ怪我まで元通りにしてしまった。


 俺がミアの方を向くと、驚いた顔でルビアを見ていた。ルビアは、二人目、三人目と回復ヒールで怪我を治していった。そして俺の方を向いて言った。


「これで大丈夫だよね?」

「あ、あぁ。ルビアって回復ヒール以外の回復魔法を使える?」


 ルビアは首を傾げながら言う。


「使えないよ?」

「そ、そうだよな......」


 案の定、回復ヒールで治しているのを聞いて驚く。それはミアやラッド、ミーシェも同様だったようで、何度も治った怪我を見ていた。するとルビアが不安そうな顔になって尋ねてきた。


「ミスでもしちゃった?」

「え、違うよ。ルビアの実力にみんな感心していただけ」

「ほ、本当に! 私も役に立ててる?」

「あぁ」


 俺がそう答えたら、ルビアはなぜかホッとした顔をした。


「よかった。足手まといだと思っていたから」

回復ヒールを見る前からみんな、そんなこと思ってないよ。でも本当にすごいよ」

「えへへ~」


 そこでミアが俺のところに寄ってきて尋ねてくる。


「ルビアって何者?」

「いや、俺もわからない。でも回復ヒールであそこまで治るなんて」

「そうだよね。もし口だけで言われてたら信用できなかった。でもあの光景を見たら流石にね......」

「あぁ」


 するとルビアが俺たちに寄ってきて、ミアと俺の間に割って入ってきた。


「二人とも近すぎだよ!」

「あ、うん」


 ルビアに言われた通り、少し距離を取ったら、なぜかミアはシュンとした顔をしていた。


(そんな顔されても......)


 なんで悲しそうな顔をしているのかわからないが、そんな顔をされたら俺だって申し訳ない気持ちになる。


 そして数分経ったところで、怪我人たちが目を覚まして言われた。


「ありがとう......」

「いいよ」


(この人誰だっけ?)


 同じクラスメイトだけど、名前が思い出せない。まあしょうがないって言えばしょうがない。なんせ、今一緒に居るのは王女二人に王子一人、そしてここ最近絡んでくるラードンだから印象が強すぎて、他の人の印象が薄くなってしまう。


「流石にこれ以上先に進むわけにはいかないから、戻るよ。頑張れよ。ノア」

「あ、あぁ」


 ノアと言われたとき、胸のあたりがチクりとした。なんでかなんてわかっている。俺はこの人を知らないのに、この人は俺の事を知っている。そして純粋に応援されているんだ。それなのに俺は覚えていないんて......。流石に情けなく感じた。


 そこから特に問題も無く、俺たちは二階層に入った。そして徐々に進んでいくと、先程までの戦闘回数より数段増して、モンスターの数が異常に増えているのが分かった。


(やっぱり......)


 あの時、考えていたことが起きているのではないかと思い、警戒心を強めた。

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