16話 リックブルド王国の過去
「ルビア様とノア様も知っている通り、私たち二人は王族の末裔です」
「あぁ」
「ではなぜ私たちリックブルド王国が滅亡したのかをお話します」
ラッドくんって名前は知っていたけど、リックブルドと言う名前であったのは知らなかった。
(主として失格だよな......)
そう思っていると、ラッドくんの顔が険しくなりながら話始めた。
「リックブルド王国には隣国が2つありました。一つは同じ人族の国---クーエック王国。そしてもう一つが竜人族の国---シュクリード王国です」
「「え? シュクリード!?」」
「はい。ご存じですか?」
「うん。なんせ同じクラスにいるからね」
「......。そうですか」
シュクリードさんがこんなところで絡んでくるとは思ってもいなかった。でも待てよ。もしかしてシュクリードさんの実家がラッドくんの実家を消滅させた可能性もある。そうだとしたら俺たちとは敵対関係ということになるよな......。
「話を戻しますね。ではなぜ私たちの国が無くなったのか。それはクーエック王国が私たちに条約の話を持ち掛けてきたからです」
「一応あるあるの話だね」
「え? そうなの?」
「うん。滅多にないけど、条約がいい方向に進まなかったらその国を滅ぼす国もあるってたまに聞くよ」
「そうなんだ......」
それは国としてどうなんだ? そう思ったが、それは俺個人の意見であって国単位の意見ではない。まず個人の視点とと国を動かす人の視点では違う。だから俺からは何とも言えなかった。それにここで言ってしまえばラッドくんたちはどう思う? そう思うと顔に出すことすら申し訳なくなった。
「ルビア様が言う通り、条約がうまく行かず、国が無くなることは聞かない話ではないのです。でも私たちリックブルド王国はそこまで深く考えていませんでした。でも当然でしょう? 普通、条約を結ばなかったからって国が滅びるとは考えないですもの」
「条約って言うのはどのような内容だったのですか?」
「はい。それはシュクリード王国を滅ぼす条約でした」
その言葉に俺とルビアはゾッとした。
「驚くのも無理ないと思います。でもそんな話もあるのです」
「それで断ったと」
「はい、当然でしょう? なんせシュクリード王国は私たちリックブルド王国に対して害がなかったですから」
(まあ普通に断る内容だよな)
「それで断ったらどうなったの?」
「まず私たちの国に脅しの文書が送られてきました。もし条約を結ばなかったらクーエック王国の近くにある町を滅ぼすと」
「それに対して何かしたのですよね?」
「はい。私たちも軍を出して対応しました。でも国の規模とかも考えると負けるのは目に見えていました。なんせ小規模な国と大規模な国ですから」
「それこそシュクリード王国に増援を求めなかったのですか?」
そうだ。はっきり言って竜人族に増援を頼めば滅びることは無かったと思う。
「さすがに求めましたよ。でもシュクリード王国も同じ時期に内乱が起きていてそれどころではありませんでした」
「そっか」
タイミングが悪い......。そうとしか言えなかった。でもそんなピンポイントで内乱なんて起こるのか? 俺は少し疑問に思った。
「それからあっという間に国は滅んでしまい、私とミーシェは国民に助けられながら逃げ出しました。もっと詳しい話もありますが、大まかにはここまでが私の知っていることです」
「話してくれてありがと。それでミーシェさんはその後どうなったのですか?」
ルビアがミーシェさんに尋ねるのと同時に話し始めた。
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