6話 学園での再会
あっという間に学園が始まる日になった。予定通り俺とルビアは貴族科に、ラッドくんは魔法科に通うことが決まった。学園に向かっている馬車の中でルビアが
「今日からだけどやっぱり緊張するわね...」
「誰でも最初は緊張するよ」
「それはノアでも?」
そりゃあそうだ。俺だって緊張する。でも緊張といっても最初に思い浮かぶのは生死が起きる時だ。ルビアを守るために何度か死にそうになった。戦闘が始まる時、何度もこう思いながら緊張した。
(俺はここで死ぬのか)
だから死と隣り合わせである場所とは真反対である学園に入学することでは緊張はしていない。でも緊張にも様々な緊張がある。だから他人と話すとなると話が変わる。なんたって同年代で話したことがあるのはルビアとオリバーたちぐらいだ。そういう面では緊張しているのかもしれない。
「はい。だけどルビアにラッドくんが同じ学園に通ってもらえると考えたらそこまで緊張はしないね」
「そうだよね。ノアとラッドくんが一緒の学園にいると考えたら私も少しは緊張しなくなってきたかな...」
言葉ではこう言っているが、ルビアが緊張しているのはわかる。目が少し泳いでいたり、少しソワソワしている。でも緊張なんて場数を踏まない限り治るようなもんじゃない。だからルビアにとって良い経験になると思う。
他にも他愛の無い話をしていたところで学園前に到着した。
「!!」
人間とエルフは見たことがあったが、それに加えて竜人族とドワーフがいたことに驚く。
(すごいな)
改めてスクリーティアがすごいことに実感する。
そしてラッドくんと一旦分かれてルビアと一緒に教室に向かう。貴族科のクラスは1つしかないため、自動的に俺とルビアが一緒のクラスになる。
「ノアと一緒でよかった!」
「だな」
普通なら敬語で話す場所だが、ここは身分が関係ない場所。それなのに同じ国の奴が敬語を使っているとなればルビアに接する人が減ってしまうかもしれない。
教室に入る。
(他種族は少ないんだな)
今教室にいるのは人間が7割、他3割と言う感じだった。俺とルビアは隣同士で座る。そこで少しルビアと話していると、後ろから話しかけられた。
俺とルビアが同時に後ろを向くとそこにはミア様がいた。
「お久しぶりですね! ルビア! ノア!」
「久しぶり! ミア!」
「お久しぶりです。ミア様」
ルビアが席を立ち、すぐさまミア様の近くによる。俺はそれを見守りながらルビアの後ろに立つ。
「はい! もしかしたらとは思っていたのですが、本当にそうなってくれてよかったです!」
「私もだよ! ノアがいるからよかったけど、ミアも居てくれてよかった!」
「うん! 私も知り合いがいないかもって思っていたから二人が居てくれてよかったわ」
ミア様がここにいるのは良い誤算だった。これでルビアが俺に頼ってくることも減ると思う。ルビアとミア様が話していればより友達ができるかもしれないし。
「それでノア」
「はい。なんでしょうか?」
真剣そうな顔で話しかけられたため、ビクッとしてしまった。
「敬語はやめてください」
「あ、はい。わかりました」
「敬語になってますよ?」
いや、いきなり敬語をなくせと言われても無理だろ。
「すみ...。ごめん」
「うん。それで私のことはミアって呼んでね?」
「え? それはちょっと」
流石にミア様を呼び捨てにするなんて。そう思っていたらなぜかミア様がこちらを睨んで来た。
(あ、これダメなパターンだ)
何度言ってもミア様が聞き入れてくれなさそうだと思いしぶしぶ答える。
「よろしく。ミア」
「うん!」
そしてなぜか俺の隣にミアが座り始めた。
(ルビアの隣が空いてるぞ?)
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