表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/92

15話 魔人との対話

残り数話で1章が完結です


 みんなに時間を稼いでもらっている間ポーションなどを飲んで魔力を回復する。


(一回きりだ)


 これを失敗してしまったら俺は死ぬ。でも今の状況でやらなかったら全滅するのは目に見えている。オリバーとの戦闘なら死人を出さずに逃げきれたかもしれない。でもオリバーがオリバーじゃないことが分かった以上、情報が足りない。相手の力量が分からない状況下で逃げようとしても逃げ切れる確証がない。


 俺は死んでもいい。だからルビアだけでも。仲間だけでも生きてローリライ王国に帰ってもらいたい。それにまだやれることはある。


 3人とスイッチをとるように戦闘を入れ替わって俺がオリバーに影縫いをかける。オリバーの影が手足に刺さり身動きをとれないようにする。


「!?」


 流石にこの魔法には驚いているようだった。これを見逃さず影移動でオリバーの背後をとって、俺もろとも同時に影の中に入り込む。


 影の中のためあたり一面が暗い。そんな中俺とオリバーの二人になった。その時話しかけられる。


「なにをしました?」


 オリバーを操っている奴は何をされたのかわかっていないようだった。


「...」


 まだ今は命のやり取りの中。そんな状況で教える意味なんてない。


 死んでいる人の影を召喚させる時の応用魔法ですぐさまオリバーに近づいて影をリンクさせる。それによってお互いの感情がリンクさせられる。これによってお互いが動けなくなる。リンクさせたことによって身体面での戦闘を避けて、精神面でのやり取りにもっていった。


 オリバーがどれだけ俺を憎んでいたか、そしてオリバーを操っている奴がどんな理由で操っているのかが頭の中に入ってくる。


「お前は誰だ?」


 ここで俺は質問する。こいつがオリバーを操っている理由はわかったが、こいつが誰だかはわからない。


「魔人七人将の一人ですよ? あなたは?」


 魔人七人将...。そんな大物だとは思わなかった。魔王の次に強いとされている7人の魔人。やっぱりこの魔法を選択してよかった。


「ノア・アリアブル。王族の護衛をしている」


「あぁ。あなたが...。それにアリアブル家って」


 ?? アリアブル家を知っているのか?


「今の状況は分かりませんがこんなことをしてもただの時間稼ぎにしかなりませんよ? 根本的な解決にはならないのはあなたもわかっているはずですよね? それにあなたは確か暗殺者ですよね? でしたら人を殺したときの快感とかがわかるんじゃないですか?」


 さっきまでだったらわかると言っていた。でもルビアのおかげで今は違う。この問いには答えずに


「状況は変わらないな」


 指輪を壊さない限りこの戦いは終わらない。


「ではなぜこんなことを?」


 身体面では勝ち目がないから精神面で勝つしかないなんて言えない。


「...。なんでオリバーなんだ?」


「それは強い人間の中でこいつの精神が一番未熟だと感じたからですよ」


「じゃあ俺に乗り移れよ」


「は? あなたは何を言っているのかわかっているのですか?」


 わかっているさ。でもこの状況だとこれしかないと思った。これ以外オリバーを救う方法なんてない。それに影から戻ったとしてもこいつを殺すことはできないだろう。だったら標的を変えればいい。でも俺に乗り移られたとき、俺はこいつに飲み込まれるかもしれない。それでも...。


「あぁ。わかっている」


「でもそれはできません。なんせ今こいつの感情で私は乗り移れているのですから」


 こいつに言われて浅はかだったとわかる...。


「...」


「お話になりませんね」


 そう言ってこいつは魔力を上げてこの状況から出ようとした。


(クソ!)


 もう持たない。そう思った時にはこの状況を打破されて、影の中から出てしまった。


「少しひやりとしましたが、ここで終わらせましょう。まずはあなたからですよ?」


 影縫いを切り裂いて俺に向かって攻撃を仕掛けてくる。影移動を行ったおかげで近くに居たため、避けることができない。だったら...。影をリンクさせたおかげでこいつの目的と今後の方針がなんとなくわかった。目的は勇者暗殺。そしてローリライ王国の滅亡。ならそれを利用するしかない。


 剣が腹部に刺さる瞬間


「この国を滅亡させて魔族の領土にしようとしているんだろ?」


「!?」


(やっぱり)


 俺が言った瞬間、腹部に激痛が走る。剣を抜かれないように腹に力を入れて剣を固定する。


「ぬ、抜けない...」


 この状況を見逃さず、俺は俺自身含めて円状の影を出して、お互い串刺しにする。腹部の痛みの方が勝っていたため、動きが鈍ることがなく指輪を破壊する。徐々にオリバーに戻っていくのが分かる。最後の力をふりしぼっているかのように魔人が言う。


「自爆ですか...」


(今までの俺ならこんなことしなかった。でもいろいろな人に助けられて考えが変わった。俺の命一つで助かる奴がいるなら助けたい。それがどんな奴であろうと)


「そうでもしなくちゃお前をオリバーから出すことが...」


 言いかけている時、意識が遠のいていった。周りから声が聞こえてくるのが分かる。でも反応する余裕がなかった。


(みんなごめん)

読んでいただけきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ