11話 ルビアの言葉
この度、今作品のテーマを活動報告で書いてありますので読んでいただけると幸いです
ルビアが泣きながら抱き着いてきた。
「どうした?」
「こ、怖かったよ...。ありがと」
「どういたしまして」
やっぱり怖かったよな。死んでいたと思っていたから、助けられてよかった。それから数分間この状態が続いてやっとルビアが離れてくれる。
「ノア。大丈夫?」
「大丈夫だけど?」
怪我をしている場所なんてない。かなり疲労はしているが大丈夫だ。すると俺を疑っている、いや観察しているような目で見てくる。
「なんで言えばいいのかな。無理してる気がする...」
「ん? そうか?」
するとルビアは驚きながら聞いてくる。
「もしかしてここにいる人全員ノアが?」
「そうだけど」
ルビアは周りを見ながら申し訳なさそうな顔で
「ごめんなさい。私のせいでノアに人を殺させちゃった」
「別に大丈夫だよ。魔物を倒しただけだし」
そんなことで心配していたのか...。別に気にしなくていいのに。だって俺は人を殺したわけじゃない。誰かを殺そうとしている奴は魔物だ。人なんかじゃない。俺がそう言うとルビアは驚いた顔で
「え? ノア今なんて言ったの?」
「だから気にしなくていいよって言ったんだよ?」
耳が遠くなったのかな? こんな状況だとそうなっても仕方がないししょうがないか。
「違う! その後だよ! この人たちを魔物って...」
「ん? 違うか? 人をためらいなく殺そうとしている奴なんて魔物だろ? 殺して当然のことをしたまでだよ」
するとルビアはなぜか泣きながら
「ノア...。ここで倒れているのは魔物じゃなくて人だよ?」
「それは違うよ。ルビアを殺そうとして、俺も殺されかけた。そんなのただの魔物。会話ができる魔物と一緒だよ」
強い魔物になるにつれて、会話ができる奴は増える。そいつらと同種だと思う。するといきなり抱き着かれる。
「ん? どうした? まだ怖いのか?」
「怖いよ。変わっていってしまうノアが怖い」
「俺が変わるのが怖い?」
人は誰だって変わっていく。変化するのは当たり前だろ。
「私はどんなノアだって好きだよ? でも人を殺してもなんとも思わない今のノアは...。ちょっと考えてみて。今後ノアが人を人と思わなくなってしまったらどうなるのか」
別になんとも思わないけど...。
「ノアは人の感情をなくしてしまうと思う。だから前のノアだった時のことを考えてみて」
「前の俺とは? 前も今も俺は俺だけど?」
「そうだけど違うの! 前のノアは人を人として考えていた」
するとより強く抱きしめられながら言われる。
「...」
何を言っているんだ? 今も昔も俺は俺だろ?
「ノア。もう一度考えてみて。人を殺した時、ノアはどう思った?」
「どうって言われても。なんとも思わなかったけど?」
「違う! エーディリ王国の時、ノアはどんな感情だった?」
「...」
思い出せない。思い出そうとすると心がモヤモヤする。
「その人をずっと待っている人、大切に思っている人がいる。その人生を終わらせちゃって悲しかったんじゃなかったの?」
「...」
言われてみれば...。でも殺した奴らが悪い。俺は悪くない。
「助けるために殺すのはしょうがないよ。だって私たちの命も狙われていたんだもん。でも人を殺して何とも思わないのはダメだと思う。だってその気持ちをなくしちゃったら、ノアが言っている魔物と一緒になっちゃう」
「!」
するとルビアが俺に魔法を使ってきた。
「え? なんで?」
驚いた顔で俺を見てくる。無意識に使っていたんだと思う。でもその魔法がなぜか心地よかった。心が満たされる感じがした。するとなんで殺した相手に対して何とも思わなかったのか。ルビアが抱き着いてきても平然としていられたのかを考えさせられる。
「...」
そこでやっとルビアが俺に言ってくれた言葉が刺さる。俺が殺人鬼になってしまう。人は魔物じゃない。人それぞれに人生があって、大切な人がいる。そう思うと涙が出てきた。
「おいで」
俺は膝をつきながらルビアの胸に抱き着く。
「辛い思いをさせてしまいごめんなさい」
ただただ嗚咽しか出てこなかった。そこから何分こうしていただろうか。やっと自分が何をしていたのかを理解する。そして自分が後少しで殺人鬼になろうとしていたことに気付き、怖くなる。
「私はノアが好きだよ。誰かを考えて行動できるノアが好き。だから誰でもいいから殺すとかを考えないで。私はノアにそうなってほしくない。私に人を殺す力はない。だからノアが私の代わりに殺してくれる。でもそれをノアだけが抱え込まないでほしい。私も一緒に辛い気持ちを背負うから」
「あぁ。ありがとう」
やっとルビアの顔を見れた。するとルビアもなぜか泣きながら
「私は人を殺すことを悪いことだと思わない。だって殺されそうになったら自分を守ろうとして、殺してしまう時があるから。でも感情だけは捨てないでほしい」
「あぁ。俺を俺でいさせてくれてありがとう」
このタイミングで助けてもらえて本当によかった。少しでも遅かったら俺は俺じゃなくなっていたと思う。
「うんん。私こそ今まできちんと言ってあげられなくてごめんなさい」
ルビアのおかげで楽になったと思う。そこでやっと目の前のことを思い出す。
「外にアレックスやマリア、そして敵にオリバーがいるんだ! あいつを助けに行かなくちゃ」
「早く行きましょ」
俺たちは屋敷の入り口を目指して歩き始めた。
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