1話 勇者視点
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ダンジョンでモンスターを倒すのがつらくなった気がする。
(なんでだ?)
あいつが消えたから? そんなわけない。暗殺者と言ってもダンジョンではあまり役に立っていなかったと思う。するとパーティメンバー全員、聖女---マリア・ガードリア、聖騎士---アレックス・ダルが話しているのが聞こえる。
「ここ最近モンスターの数が多くない?」
「そうだな」
「突然よね...。それに不意打ちとかも増えたし...」
「あぁ。前までは不意打ちされて戦うことなんてなかったのによ」
そうか! あいつが消えたからじゃなくて、モンスターの数が多くなったんだ。だから戦っていて辛いと感じるのか! 俺もその会話に混ざり
「みんな。今後はより周辺を注意して戦おう」
「「了解」」」
これで少しは楽になるかもしれない。あいつがパーティにいてやっていてくれたことは道順の指示、戦闘の参加。それぐらいなら俺たちだってできるし、現にできている。絶対にあいつが抜けたからじゃない。
気を引き締めてダンジョン攻略をしているが、やはりよくわからないところからモンスターが攻撃をしてくる。
(なんでだ?)
注意していたはずだ。それなのになんで。大抵が雑魚ばかりのため、倒すのに苦労はしない。だが、精神面的にきつい。どこからやってくるかわからないモンスター。それを意識しながら戦っていくのがここまで辛いとは...。
(今までこんなことなかったのに!)
それに加え、モンスターが徐々に強くなっていった。今回のダンジョン攻略はあきらめて国に戻ることにした。すると国王から言われる。
「オリバーよ。なぜ成果も出さずに戻ってきた?」
「申し訳ございません」
そんなの敵が強かったからに決まってるじゃねーか。
「ノアを抜けさせたからじゃないのか?」
「!?」
国王からあいつの名前が出るとは思っていなかった。それはパーティのみんなも思っていたようで、あいつの名前が呼ばれたとき体をビクッとさせていた。
「それはありません」
「そうか。まあよい。資金は援助しているがこちらにも限りがあるからくれぐれも気を付けるように」
国王に嫌われたら資金援助が得られなくなる。それだけは困る。資金がなくなったら高級な宿には泊れなくなるし、武器も買い替えられなくなる。だから
「わかりました」
あいつのことを心に留めておいて王室を出た。すると第二王女様---ルビア様と目が合う。
(かわいいな)
もし功績を挙げられたら...。そう思いつつ王宮を後にした。下町に出ると歩いている人から同じ話題が何度も聞こえてくる。
「ルビア様に護衛が付いたらしいわよ」
「知ってる! あの決闘していた人でしょ! 12騎士様に勝っちゃうなんてすごいわ」
「そうそう。確かノア様でしたっけ?」
「かっこよかったわ」
ん? ノアだって? あいつか? そんなわけない。まだ追放して数日しかたっていないんだぞ?
それにしてもムカつくぜ。あいつのせいで国王に怒られるし、モンスターも増えるし。一応は平民だが、名家として王族とかかわりがあったから仲間にしてやったがこうなるなら仲間に入れるんじゃなかったわ。
でももしあいつがルビア様の護衛をしていたら? そう思ったらまたムカついてきた。





