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第5話 僕が好きになった人に、僕は振られる

第5話ラスト 社会人編

第4話の続きです

書きたい様に書いた結果こうなりました。ひとまず5話完結予定で最後までできたのでよしとします


最後に番外編を書いて完結にします

彼女わたしは誰なの・・・


大学を3人とも無事卒業してそれぞれ就職して、僕はなんとか生活ができていた。


彼と彼女はその後もお付き合いが続き、僕も友達として二人と仲良くしている。

彼女と僕は2人でデートをしたこともあるし、彼女の家に僕だけで遊びにも行ったこともある。


彼女のことはもう諦めてはいるが、やっぱり好きなんだよねえ...


彼とも休みの日に一緒に車で泊りがけで出かけたりしていた。


...あれ以降彼女(わたし)は表に出てはいないように見える。けど彼女の中にはいるのは判ってる。ずっと出てこないければいいんだが。



3年ほど経過し、彼と彼女が結婚することとなった。


彼女が大人数で披露宴をするのを嫌がったらしく、仲のいい人たちだけでこじんまりとした結婚報告会を開いた。少人数だが盛大にお祝いして、調子に乗って彼が彼女に怒られるまでがお約束のいい会だった。


ありがたいことに結婚後も僕との付き合いは変わりなく、僕が電話すると、タイミングがいいのか悪いのか、彼と彼女はいちゃついてる時だったりして、後で文句言われたりして。



彼の転勤が決まり、彼としては、彼女にも一緒に来て欲しかったんだが、事情で単身赴任という形で引っ越していった。


引越しの手伝いに行ったときに、彼が

「何かあったら彼女のことを頼む。というか頼んでくると思うんで助けてやってくれ」

「といっても大したことはできないよ」

僕はそう答え、彼女は、

「私がそんなことになるときは一大事だね。でも君と私の仲だし、問題ないよね!」

こんなことを言っていた。


それが後々大変なことになるとはまだ予想が付かなかった



彼が転勤して数か月後、彼女から、

「彼が浮気してる」

と電話があった。


「彼が言うことを聞いてくれない、相手にしてくれない、女の人のにおいがする」


まさかなあ、と思ったが、彼女があまりにも焦った様子だったので、休みを利用して彼のところへ行ってみることに。

「ちょっと様子見てくるよ。大丈夫何もないよ。気のせいだって」



彼に単身赴任先に遊びに行くことを連絡してから行ってみた。当然彼女の依頼というのは言ってない。


彼の部屋は、まあ男の一人暮らしはこうなるよね、という部屋の散らかり状態であった。

ただし、なんとなくだが、別の人が居た、という感じがあった。


「彼女が浮気疑ってたけど、本当のところどうなの?」

「いやそんなことしないよ」


「他所の女とか連れ込んでないよな?」

「ないない」


部屋を見渡していると布団の隙間に1人ではまず使わないものが見えた。しかも使用済み。


「おい、これなんだ?」

引っ張り出して彼に見せる。

「あっ」


びっくりした彼の目が一瞬逸れるのを見た。それを見逃さず追及する。

「...言い訳を聞こうか」

「同僚の子が酔っぱらって帰れなくなって...それで仕方なく連れてきて、それで...」


「はぁ...一応彼女には結果がどうあれ教えてって言われてるから伝えるよ...」

「えっ...嫁に言うのか?」


「当たり前だろ、その確認に来たんだから。彼女に報告は直接会ってするんで、今は電話はしないけど、覚悟はしたほうがいいね」


友達のよしみだ、色々整理する時間はあげるよ。



次の日地元に戻り、彼女に直接会って報告。


「どうやら会社の同僚の子連れ込んでたらしい」

「やっぱりか。私が付いていけないのをいい事に...わざわざありがとね。この後話し合います」



「今回の件は一応許すけど、次はないよ?ってことで話が付いた。手間かけた」

と彼女が電話してきた。

「それでいいならこっちは何もないよ。仲良くやってくれ」


僕と付き合えばよかったのにとか考えちゃうから、かつて惚れてた相手が揉めるのは正直見たくないなあ。



それからまたしばらくして、彼女から電話が来た。

「ねえ、お願いがあるの」

「彼にも頼まれてるし、聞けることなら聞くけど」


「私とえっちなことしてほしいの...電話でもいいから...」

おいおい、それを僕に言うか?!


「えーと、それは君が浮気することになるけどいいのかな」

「旦那が浮気したんだもん、寂しいの・・」


だから僕と付き合ってれば...いや無意味だな・・・


「・・・いやそれはできない。僕が彼を裏切ることになる」


「君は優しいなあ...」彼女は泣きながらそう言っていた。



彼女の難儀な電話から一か月ほど経った休日の朝、今度は彼から電話が来た。

「すまんが嫁のとこまで行って話をしてほしい」

「そりゃまたどうして」


「嫁が不安定になってる。おかしい。電話ではどうしようもないので見てきてほしい」

「そういうのは本人が行くのが一番いいと思うんだが」


「行けるならすぐ行ってる。明日には行くから先に行ってくれ。こんなの頼めるのはお前だなんだよ...」

「判ったよ、彼女に会ってくる」

ちょっと鼻声でそう言われては仕方がない。ちょっと見に行ってくるか。



彼女は彼が単身赴任なので実家に帰っている。

彼から電話があった日の昼前に彼女の実家に向かい、呼鈴を押す。彼女が出てきた・・・が、


「やあ、久しぶりだねー」

「その口調は...」


彼女ではない。彼女(わたし)がそこにはいた。


「いま家に誰もいないから入ってお話しよー」


ひとまず家の中に入り、彼女の部屋に案内される。ひとまず向かい合って座って話し始めた。


「彼女、いま落ちてるから彼女(わたし)が表だよーそいえばー彼女、キミにえっちなお誘いしたでしょー?あれ彼女(わたし)


え、どうゆうこと?


「あのときはー彼女と彼女(わたし)がほぼ一緒になっててー、彼女もそうしたかったみたいーでもキミが断ったでしょー?だから彼女(わたし)がすぐ消えてー彼女だけになってー」


「そいえばーだいぶ前に2人でデートしたことあったでしょ?あれも彼女(わたし)だよー。キミは気がつかなかったねー。ここで2人きりの時も襲っちゃおうかとおもったけどー彼女が止めたからねー」


「ちょっと待って、彼に電話するわ」携帯を出した瞬間、飛びつかれそのまま唇を奪われた。

「忘れたのー?彼女(わたし)が好きなのはキミなんだよー?」


彼女(わたし)は僕の上に乗ったまま押さえつけている。

しかも変に力が強くて逃げられない。これはやばい。


「キミ、彼女(わたし)の事好きだよねー。私も好きー。だから...いいよねー」


彼女わたしが僕のジーンズに手をかけた瞬間、部屋の扉がバンっと開いた。



「なにやってんだー!!!!」



大慌てで飛んできた彼が彼女(わたし)を付き飛ばした。



彼は僕に電話した後、すぐに手を尽くして移動手段を確保し、その日のうちに彼女の家に来れたみたいだ。間に合ってよかった。


「あれ、なんで君と旦那がいるの」


彼に引き離された衝撃で彼女(わたし)が消え、彼女の意識になっていた。


彼女によると、突然ふっと記憶がなくなって彼女(わたし)が出てきたとのこと。


過去にも勝手に彼女わたしが出てたこともあったらしい。

彼女わたしは彼じゃなく僕が好きって言ってたから、僕がいるときの彼女は彼女わたしだったんだな。



彼が来たので僕は引き上げることにしたが、彼女に聞いておきたいことがあった。


「言いにくかったらいいけど、僕は大学の時に君が好きだったんだ。けど、彼が君と付き合うって聞いて諦めたんだけど、君は僕のことはどう思ってた?」


「...好きだったよ。もし先に告白されてたら付き合ったよ」

「そうか。僕が遅かったんだね」



その後、彼と彼女は喧嘩が絶えなくなり、彼女わたしも時折出てきて警察沙汰になることもあった。


ついに彼女の両親から彼に、これ以上迷惑はかけられない、離婚をお願いします、と頭を下げられ、そのまま離婚が決まったとのこと。


・・・離婚届を役所に持って行ったのは僕だ...


「いろいろありがとな」

彼が言う。

「まあいろいろあるわな」

僕が答える。


彼女は離婚後入院したと彼に聞いた。僕も彼も彼女とは全く連絡を取っていない。


僕が好きだったのはどっちの彼女だったんだろう。

僕を好きだったのはどっちの彼女だったんだろう。


僕が好きになった人に、僕は振られる









後程細かく修正変更します。感想等頂けると喜びます

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― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして。 切なくてなんだか胸がギュッとなりました。 ハッピーエンドも好きですが、今の季節に読む儚くて切ないストーリーは嫌いじゃないです。 [一言] 一気に読み進められてお話がすぅっと…
2020/10/27 09:09 退会済み
管理
[良い点] ほろ苦いねえ… 感情も心も儚いものですなあ。
[一言] 今話で完結でしょうか? どの話もとても興味深く面白かったです。
2020/10/26 22:04 退会済み
管理
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