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第4話 彼女の決断

大学編です

ラスト社会人編に続きます


ー僕が彼女を好きなのを知っているー

ー彼が彼女を好きなのも知っているー



僕と彼女と彼の3人は同じ講義を取っていて、大体座る席も前後ろで決まっているぐらい仲が良かった。


たまたま隣に居た彼に声をかけたら、僕と同じ地方出身ということが判り、

そこに彼女も一緒だと声をかけてきて、それからすぐに仲良くなっていった、


大体、彼女が一番前、その後ろが僕、彼が横という並びで授業を受けていた。


彼女は誰とでもすぐに仲良くなれる人で、教室内では目立つ存在だった。その性格からファンがいっぱいいて、僕もその一人というか既に気になる存在になっている。


彼は見た目は普通だが、気が利くし、何かと僕や彼女をフォローしてくれる気の置けない友達だ。

・・・話す言葉の意味が通じるのっていいよね。


そんな訳もあって、僕、彼、彼女の3人でよく遊んだり飲みに行ったりもしていた。



「連休になるし、折角だし皆でどっか遊びに行こうよ」

と、彼女が言い出した。


「3人でいくの?」僕が聞くと、

「それもいいけど、何人か誘ってみようよ」彼女が答えた。


結局10人で少し離れた海辺の遊園地へ行くことが決まった。


3人のグループ2つと4人のグループに分かれてグループごとの自由行動で遊ぶことに。

いつもの3人でグループとなり一日楽しんだ。


観覧車に乗ってるときに彼女が、


「ね。今度はこの3人で泊りで出かけようよ」と言い出した。


「それはいいけどどこ行く?てか女の子1人だけど大丈夫か?」僕が聞くと、

「温泉行きたーい。んー?なにかする気なんだー?」彼女が答えた。


「流石になにもしないけど、本当に大丈夫か?」彼が聞くと、

「大丈夫、皆信用してるし」彼女が答えた。


今回はフェリーで一泊して温泉巡りに決まった。

レンタカーを借りて3人でフェリーに乗り込む。今回は2等客室で3人同じ部屋にした。


2等客室は個室で2段ベッドが2組ある部屋で、僕と彼が同じ組、彼女が隣のベッドを使ってもらうことにした。


フェリーが動き出し、夕飯をビュッフェで食べた後、部屋の床に座り込んででビールとかつまみを並べて3人で飲み会開始。


「かんぱーい」


船が大きな橋の下を潜るのを見つつ、3人であれやこれやと駄弁りつつ飲んじゃって、僕が真っ先にそのまま寝落ちしたらしく、起きたら床で転がってた。

・・・彼女が僕に抱きついた状態で。


何事、とびっくりしたが冷静に彼女を起こす。


「そろそろ離れてー起きましょー」


彼女は目を覚まし、寝起き顔で僕を見て一言「・・・好き」

んー何言ってんでしょうねこの子は。


「はいはい。変な夢でも見た?寝起きで言われてもなあ」

「むー反応が薄い」


ん?なんか彼女に違和感を感じたけど・・・まあいいか。



僕と彼女が起きて暫くすると、先に起きていた彼が朝飯から帰ってきた。


「なあ、ちょっと外いいか」彼が僕に声をかけ、一緒に部屋の外に出る。

「俺、昨日彼女に告白したよ」


どうやら僕が酔っぱらって寝てるうちに告白したらしいが、返事は待ってくれと言われたそうだ。

「そうか・・・」


出遅れたなあ・・・まあ、彼なら彼女とうまくいくだろうから、引くしかないか・・・

「上手くいくのを祈ってるよ」



フェリーを降りてレンタカーで温泉に向かう。

僕が運転で彼と彼女が後部座席で並んで座っている。


今のところ特段何も無いようだけど、告白したんだよね?

彼が彼女に絡みに行くけど彼女の態度がそっけないのは判ったけど、それにしてはお互い平静だな・・・


ちらちら後ろを気にしつつ、今日の目的地の今日の温泉宿に着いた。

部屋に荷物を置き早速温泉へ。

流石に部屋は個別にしてもらっているので各自自由行動している。


僕は風呂上りの浴衣で夕飯を食べ、ロビーで一服していると、彼女が声をかけてきた。


「えっと、ちょっと話したいんだけどいい?」

「彼との話は聞いてるけど、その話?」


「彼?なんのこと?」


違う話なのかな・・・ひとまず外出ようか・・・



彼女を連れて宿の外に出て話を聞く。

「で、話って何?」

「えっとね・・・好き。付き合って」


「いや、彼に告白されたらしいじゃない。それ返答してからでもいいんでは?」

「さっきから彼ってなんのこと?」


「あれ?彼に告白されたって聞いたけど?」

「されてないよ?」


話がおかしい。

彼が僕に嘘を言うわけないし、彼女がいたずらでこういうことをするとも思えない。


朝の違和感はこれか・・・ひとまず話を合わせるか。


「付き合うのはいいけど、彼はどうするの」

「彼は友達だよ。それ以上はないなー」


「分かった、ひとまず返事は待ってくれ」

「何時返事くれる?」


「明日中には返事するからちょっと待って」

「判った、待ってるからね」



彼女は宿に戻っていった。



僕も宿に入り、彼の部屋をノックする。出てきた彼を捕まえて部屋に入る。


「おいおい、どした」

「おまえ、昨日彼女に告白したんだよな?」


「お前には悪いと思ったが、勢いで告白したよ」

「さっき彼女が僕に好きって告白してきたぞ。しかも昨日のおまえの告白を知らないって」


彼の顔色が変わる。


「嘘だろ・・・」

「こんなことで嘘を言う必要がない」


「どうなってんだ・・・」

「ひとまずこっちの返事は待ってもらってるんで、明日直接聞こうぜ」


「そうだな・・・どうなっても恨まないでくれよ」

「それはお互い様だ」


僕は部屋に戻りベッドに入って考える。

なんかいつもとは別の人と話してるみたいだったけど・・・



翌日朝食を食べていると彼女がやってきた。


「おはよう、昨日の返事はもう少し待ってくれ」

「返事・・・?彼にする話?」


「いや、君が僕にしてきた話」

「ごめんなさい、そんな話してたっけ・・・彼には返事しないといけないんだけど・・・」


「そうか。で、どうするつもり?」

「・・・ひとまずはお付き合いしようと思ってる」

「・・・わかった。ちゃんと本人に伝えてくれ」


ひとまず僕はここで振られることになったが、昨日の言動が気になってそれどころではないのが正直な気持ちだ。

なぜ彼女が僕に告白してきたんだろう・・・


その理由は帰りの移動中で判明した。



今日は旅行最終日で、宿を出てレンタカーでフェリーに向かっている。今日は運転は彼だ。

今日は僕と彼女が後部座席に座っているんだが、今日の彼女は僕にべったりとしてくる。


「えへへへ・・・・」

「えーっと、昨日彼と付き合うって言ってませんでしたっけ」

「そんなこといってなーい。そいえば返事貰ってないよ?」


これは明らかにやばい感じしかしない。ちらちらこちらを見ていた運転中の彼の顔を見ても同様のようだ。

意を決して彼女に聞く。


「君は誰?」



「私?私はもう一人の彼女(わたし)だよ」


どうやら、彼女(わたし)曰く何かの原因で彼女に負荷(ストレス)がかかると別人格がでるらしい。

今回は彼が彼女に告白するという負荷(ストレス)を与えたせいで出てきたようだ。


記憶も完全に分断じゃなくて、共有するとこと分断するところがあるようだ。

だから告白されたりしたりした記憶がないのか・・・


「で、どっちが主導権持ってるの?」

「んーその時によるかなー」


「じゃ、じゃあ僕が告白したのは君じゃないってこと?」彼が聞く。


「私には記憶がないもん。でもこっちの子には好きっていったよ?」

と僕に抱き着く。行きのフェリーの寝起きはこっちの彼女か。


「どっちにしても戻ってからちゃんと話しよう」

「そうだな・・・彼女にもちゃんと聞かないと」

「わかったー伝えとく」



旅行から帰ってきて、3人で話し合った。

彼女は、やはり彼と付き合うことにしたらしい。


僕に告白した彼女(わたし)は内面にいるらしいが、この決断に何も言わないらしいので、僕としてはそこまでだなと思っている。


この時は彼女はいつもの彼女だった。

戻ってからの学生生活内では彼が告白したほうの彼女が優勢のようだ。



僕は彼と彼女の邪魔にならないように少し距離を取ることにした・・・






・・・ちょっとは期待したけど、やっぱり振られたなあ・・・

彼女(わたし)は結局出てこなかったから告白の返事も出来てないよ・・・



告白の返事をもらってない内面の彼女(わたし)が暴れだすのはこれから大分経っての話・・・






細々修正変更等行います。感想等頂けると喜びます

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― 新着の感想 ―
[良い点] 青春の一ページからサイコサスペンス?と思わせながらあっさり終わったけど、前振りなんですね。 [気になる点] 細かい所。 ・教科を受ける、ってのはあんまり聞かないかな。講義を取る、とか? ・…
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