第3話-2 先輩の場合
第3話 先輩側の視点から見てます
君が好いなら、私は・・・・
◇
後輩君とは学校説明会で出会った。
新入生で私が説明するグループの一人だった。
そこで同じ音楽グループが好きと判り、わざわざ私の教室まで来てアルバムを貸してくれて。
今度ちゃんとお礼しないとね。
昼休みに後輩君を見つけたので声を掛けたら学食に向かう途中だったらしく、アルバムを借りたお礼に今度お昼を一緒にって誘ったら喜んでくれた!
よし、頑張って後輩君の分までお昼を作るよ!
お手軽にサンドイッチにした。ちょっと張り切りすぎてかなりの量を作っちゃったけど、後輩君はいっぱい食べてくれるかなあ・・・
後輩君はそれは嬉しそうにサンドイッチを食べてくれて、見てるこちらも嬉しい。
後輩君とお話をするたび、私の興味がどんどん彼に向いていくのが判る。
ただ、後輩君が言った一言に私は動揺した。
私はすでに婚約している。
7つ上の幼馴染の、私にとってはお兄さん的な人で、小さいときからいつも一緒にいた人。
物心ついた時から漠然と、そうか、この人と結婚するのかーぐらいの感覚だった。
それを見た両親が、それなら早いうちに、と相手方と婚約してしまっていた。
後輩君に卒業後の進路を聞かれ、結婚のことを伝えた時、後輩君が動揺したのが判った。
落ち込み具合を見て、
もしかして彼に好意を持たれてた?
◇
卒業式のあと、後輩君が一緒に写真を撮りにきた。
彼からはお別れの挨拶だけ。残念。この時告白されてたら、もしかしたら・・・
◇
卒業後すぐ幼馴染の彼と結婚した。
でもすぐに海外に長期出張となり、数か月に1回帰ってくるかどうか・・・・
毎日メールや電話はくれるんだけどね。
幼馴染の彼は、ほんとは私のことそんなに好きではないのでは?
そんなことを考えるぐらいに寂しかった。
ほぼ毎日お話してた後輩の彼を思い出す。彼は元気かな・・・
◇
「こんにちわ、元気してますか?」
ふと出先で母校の先生に声をかけられた。
「来週文化祭があるから来てみては。懐かしいよ」
文化祭かぁ・・・後輩君に会えるかな?会いたいなあ・・・
予定表に日付を入れて〇をつけておいた。
◇
さて文化祭で久々の母校に来てみたけど、後輩君の教室はどこかな。
1つ1つ廻っていくしかないね・・・
行くとこ行くとこですごい声かけられる・・・すいません結婚してますって言うとさーっと引いてくれるのは面白いなあ。
あ、あの後ろ姿は・・・
後輩君見つけた!すごいカッコよくなってる!
声かけるかどうしようか・・・折角来たし、と、声をかける。
あれ、後輩君すごい照れてるように見えるんだけど・・・
・・・もしかしてまだ好きでいてくれてるのかな?
あれ?急に意識しだしちゃった・・・
◇
久しぶりに後輩君とお話しできてすごい嬉しい。
後輩君に彼女いれば諦めもつくなと思って聞くも彼女いない。
旦那がいない寂しさもあって後輩君をつい誘っちゃった・・・
でも・・・
叱ってるときの顔がもう男の子じゃなく大人の男の人の顔だよ・・・
そうか、これが初恋だったんだ・・・やっと気が付いた。
やっと好きだったって言ってもらえて泣いちゃった。
しかも泣き顔見られて恥ずかしい。
化粧室で顔は直したけど流石に電車じゃ帰れないからタクシー呼んで貰って帰ることに。
目の周りが赤いまま帰りのタクシー乗ってたら運転手さんになにも言ってないのに同情されて運賃割引してくれちゃった。
あ、ハンカチ返してない。。。どうしよう
◇
旦那さんには全てを話した。後輩君の話、会えない寂しさの話・・・
全て聞いてくれたうえで、これからちゃんとお話ししようと言ってくれた。
後輩君には借りたハンカチとお手紙を入れて返送した。
・・・お話ぐらいはしてもいいよね?
後日細々修正変更をする予定です。
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