表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第2話 長い綺麗な髪の女の子

第2話 中学生編


これは先に短編で上げてたものを見直して書きました。

短編は少し甘酸っぱいスタンスですが、連作のこちらはほろ苦さを出してます。

※サイドストーリー作成のため話数追加


その女の子は、長い綺麗な髪をしていた。


小学4年生の時、通っていた学習塾では、10人のクラスに僕ともう1人の男の子2人、女の子8人という極端なクラス編成だったが、急にもう1人の男の子が辞めてしまい、教室に男の子が僕1人ということになってしまった。


「別に私は君が嫌じゃないし、君がよければ男の子1人でもいいんじゃない?」


長い綺麗な髪をした女の子がそう言ってくれたけど、僕は女の子と話すのが苦手だったので、どうしても女の子だけの空間に耐えられなかった。


結局翌月には学習塾を辞めることになる。


学習塾に行った最後の日に、

『塾ではもう会えないけど、進学する中学校一緒だし、中学校で会おうね』

長い綺麗な髪をした女の子がそう言ってくれたけど、


「判らないよ」

僕はぶっきらぼうにそう答え、その学習塾を辞めた。


中学生になり、学校にも慣れ、成績がもう1つだった僕は親が勧めてきた学習塾に通うことに。


学習塾に初めて行った日、教室に入ると、中にいた生徒に一斉に振り向かれ、僕はちょっとビックりしたけど、

その中にいた長い綺麗な髪をした女の子がこちらに気が付き、

驚いた顔で僕の顔を見て、


「ねえ、今日からここに通うの?私のこと覚えてる?」

と、声をかけてきた。


「いやごめん、よく覚えてないよ。どこかで会ったことある?」

「男の子キミ1人だけで他女の子だった学習塾覚えてない??私そこにいたんだよ。キミが辞めちゃうときに、私がまた会おうねって言ったの覚えてないの?」

そう言って微笑んでいた」



「あ、おはよー」

「おはよう。今日も授業だるいねえ」


「あの先生の数学の授業わかりにくいんだよねー。キミあの教科得意でしょ、教えてよ」

「いいよ。その代わり苦手な国語を教えてよ」

「任せて。得意教科だし。あとで塾で説明するね」


長い綺麗な髪をした女の子と僕は、塾では机を並べて隣同士だったので、僕が苦手な教科は彼女に聞き、得意教科は教えるということができた。


お互い得意不得意分野が被っておらず、勉強するにはいい相手だったんだけど、

一緒に勉強することは僕が恥ずかしくて断ってたんだけど、彼女からの押しに押し切られる形で始めることに。


同世代の女の子が苦手だった僕にとって彼女からのアクションは本当に嬉しかった。


ある日、授業を受けていた長い綺麗な髪をした女の子の横顔を見たとき、ドキッとした。


(この子、こんなにかわいかったのか・・・)


しばらくして彼女が僕の目線に気付き、

「なーに?何かあった?」


彼女が聞いてきたけど、彼女の顔をじっと見てたとは言えず、僕は顔を赤くして、

「いや、なんでもないよ」

この時にはっきりと彼女を意識したんだと思う。




「おい、これ沖縄のお土産だ」

沖縄旅行に行っていた父親が僕に星の砂の入った小さい瓶をくれた。


瓶に書かれた文字を見て、僕は顔が赤くなるの感じつつ、長い髪の綺麗な女の子に渡したいと思った。


「他の誰かにあげてもいい?」

「別に構わないが、それをあげたい人がいるのか。なんだ、お前顔が赤いぞ」


彼女に告白する勇気も気合いも無いが、気になっているというのが判れば良いなと思ったので、次の日、塾が終わって教室から生徒が居なくなり彼女だけ残るのを待って、


「これあげるよ、沖縄のお土産」 

と星の砂を渡した。


「わーありがとう なんだろう」


かなり恥ずかしかったので、

「おやすみなさい、また今度」

と声をかけて家に帰った


多分顔は真っ赤だったと思う。でも渡せたとその時は思ってた。



学校も塾も1週間ほどの休みがあり、長い髪の綺麗な女の子とはしばらく会えずにいた。

休み明けの学校の朝、教室に入ると僕の机の上には・・・


あの子に渡した星の砂が置いてあった。


クラスメートが、

「それ女の子が持ってきて君に「これあの男の子に返しておいて」って持ってきた」


と伝えてきた。


「何それ」

と来るクラスメートを

「何でもない」

と追い払い、僕はそれをさっさと鞄にしまい込む。


ただの友達と思ってた男の子から貰う物にしては、帯の文字は少し、いやかなり重かったか。


瓶の帯には、


`愛の形の星の砂`


と書いてあった。


直に告白して振られたんじゃ無いし、そこまでのダメージは無いけれどさ。

せめて直接会って返して欲しかったよ。



その後学校でも塾でも、こちらをちらっと見るだけで声をかけてくれなくなった。

僕も彼女に話をしに行くことができなかった。


長い髪の綺麗な女の子は進学先が早くに決まり学習塾も早々に辞めていった。



このままだと何もできずに卒業になるのか・・・

そんなことを考えていたら彼女を学校で見かけたので、意を決して慌てて呼び止める。


「あの・・・・」

「何か用?何も無いなら話しかけてこないで」

「分かったよ・・・もう二度と話しかけない。今までありがとう。ごめんね」

 

圧倒的な拒絶。長い髪の綺麗な女の子はもうこちらを向いてはくれない。

彼女は彼女の夢に進むんだろう。


‘僕が好きになった人に、僕は必ず振られる`


もう2度と会うことはないだろうけど、最後に謝れたのはよかったかな。



・・・でもやっぱり・・・








気になる所を修正してます。気が付いたらこまごまと修正変更してます。

感想評価頂けるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 追加されたセリフがちょっと辛いね。 連作の方が苦味を強くしてる感じかな。 [気になる点] 会話中はモノローグ挟まない方が個人的には良いかなと思ったり。(こなみ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ