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手紙越しの旦那様  作者: 桜 みゆき


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5章  あなたへの誓い 9

「っ……」

 ネリーは自室に駆け込むと、扉を閉めて誰も入ってこられないように鍵をかけた。

 ロアンが「もうどこにもいない」なんて、どうして言えるの……。

 どうしようもない苛立ちと、虚しさを覚える。

 酷い虚脱感を感じながら、ネリーはふらりと足を踏み出すが、その足はすぐに絡まってしまった。転びそうになり、手近にあった書き物机に手をつく。

「あっ……」

 そこには、蓋がかぶさった平たい箱があった。

 あの知らせを聞いた日以降、触ることすら出来なくなっていた、ロアンからの手紙を入れたものだ。

 机が揺れた反動で傾き、その箱は床へと落ちていく。

 かぶせていただけの蓋はすぐに開いて、何十通もの手紙が床に散乱した。

 落ちてしまった手紙たち。その光景にネリーは足の力が抜けてしまい、その傍に座り込んだ。見慣れた字が視界に映る。

「ロアン……」

 名前を呟くと、あっという間に視界が滲みだした。

 あの日から、どんなに悲しくても涙なんか流れなかったのに。

 今は、あとからあとから零れ落ちていく。

 あなたは、本当にもうどこにもいないの……?

「たすけて、ロアン……」

 ぼろぼろと泣きじゃくりながら、ネリーは手紙に手を伸ばした。

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