転生
ぱちりと目を開けると、白く輝く太陽と所々に雲の散る青空が見えてあまりの眩しさに目を細める…もしかして、助かったのだろうか?
しかし直ぐに何かがおかしい、と気が付く。事故で気を失った後目覚める場所が晴天の下だなんて、そんな事はある筈がない。やはり自分は死んだのだ。ここは恐らく死後の世界というものなのだろうと考え直す。
そういえば随分と腹が空いている。死体は何も食べないのだからそれも当然なのだろうか。せめて周りに何かないかと思い目を開けて起き上がり、辺りを見回そうとして、転んだ。
手足が上手く動かない。もしや死体の損傷具合も死んだ時のままなのか…とも思ったが、痛みはさほどない。不思議に思って自分の体を見ると、黒い毛がびっしりと生えていた。
……えっ?
この毛は一体…悪い予感しかしない。取り敢えず自分の思い描く最も身近な四足歩行の動物である猫の動きをイメージして手足を、いや、前足と後ろ足を動かして起き上がろうとして…やっぱり転んだ。それでもさっきよりはまだ上手く動かせたので二度三度と試して見て、ようやく起き上がる事が出来た。辺りを見回す余裕が出来た所で、四方を茶色いダンボールの壁に囲まれている事を知った。つまり今の自分は所謂捨て猫的な立場にあるのではと推測し、伸び上がってなんとか外を見ようとして、また転んだ。