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育成シュミレーションしてみましょうか①

まだヒロインは出ません

5歳になりました。

俺が孤児の為、正確な日は分からないが拾われた日が誕生日となっていた。

先日5度目を迎えた訳でここまでくるのに色々あったのですよ、ええ色々と。

自力でモノを食べれるようになるまでは自分より幼い(精神年齢的に)子に食べさせてもらったりオムツを代えられたり、風呂に入れられたり………どんなプレイだよって感じだ

自由に動けるようになった頃には周りより明らかに成長速度が早く不審に思われながらもとにかく情報収集と鍛錬に努めた。

言葉を話せるようになってからは文字を覚えるために数々の書物を読み聞かせるようにせがんだ。

絵本から始まり童話、小説など多岐にわたり専門書を読めるようになる頃には完全に文字をマスターしていた。

話を戻そう。

5歳になるとシスター達から教育を受けるようになる。

文字や計算、剣技など基本的なことは少年少女に教わり歴史や一般常識そして魔術や戦術など高度な教育は大人達が教えることになっている。

少年少女も同じように教育を受けているのだが覚え違いや言葉足らずなどないように大人達が教えることになっているらしい。

だからといって少年少女達が教えないという事ではなく一通りは大人達が教えているが、不透明な部分は少年少女が答えるようになっているらしい。

少年少女は教えることによりより深く内容を理解する事が出来るのだ。

勿論答えられるように研鑽を重ね無ければならないのだが、この世界では教育は義務でなく権利として与えられる為やらなければ見捨てられる。

厳しいようだが甘ちゃんが生き延びていけるほどこの世界も甘くないようだ。

さてシスターの授業だが週に1度協会の談話室を用いて行われる。

談話室では魔法や一般常識など座学を習い、翌週近くの草原で実技を行うことになっている。

そして今から初の座学の授業をうけるのだが、内容は期待通りの魔法。

「はい。それでは今から授業を始めますよ」

シスターが黒板に文字を書き子供達がノートに書き取りつつ、話を聞く一般的な学習方法で行われるようだ。

内容を簡潔に述べると魔法とは使用者(以降魔術師と呼称する)のマナ(魔力とも呼ばれる)を使い精霊の力をかりることである。

例えば火の魔法を使うには火の精霊を、水の魔法には水の精霊といった感じに各魔法には属性があり、属性には各精霊が司っている。

また精霊にも好みや大小、強弱などがある為より強い魔法を使えるようになるためにはより強い精霊の力を借りる必要がある。

といった具合に授業は何事もなく進んでいく。

…が、専門書で予習した時から解消された疑問とされなかった疑問があった。

解消された疑問というのは精霊の有無。

専門書では精霊についてあまり深く突っ込んだものが無く、『あ~、精霊ね、いるいる。いるんだよね~』位にしか書かれていなかった。

ので今回精霊にも個性?的なものがあることが判明した訳で。

また解消されなかった疑問というのは自然現象や化学現象はどういった扱いにされてるのかということだ。

火を出すにも分子を振動させたり、酸素を燃焼させるなど中学生の理科で習うような向こうの世界での常識はこっちの世界では一切通用しない。

シスターにも少年少女にも同じ話をしてもよく理解してないみたいで何とくしてもらおうと色々と話をしたんだが完全に「何言ってんだこいつ」的な状況になってしまった。

つまりこの世界では自然現象や化学現象などは全て精霊が起こすものと考えれているみたいで何故起きるとかどうやって起きるとかそこまでは考えないみたいだ。

魔法が使えるようになったらそこんとこも気にしながらやってみたいものだな

その日は魔法の基礎を教わり、残念ながら実際に使うことはできなかった。

………


翌週になり今度は剣術を習うことに。

剣術は神父が教えてくれることもあるが近所の退役軍人が趣味で教えに来てくれることになっている。

老人と呼ばれる年代に差し掛かっていても肉体は衰えず、葉巻咥えながらガハガハ言いながらざっぱに見えながらも間違った太刀筋や危険な体の使い方をしている子にはその都度直してくれる人だ。

まずは体づくりから始まり次に剣術の型を行い、ある程度様になってきたら大人相手に打ち合いを行うことに。

メニューもしっかりしているし指導方法も正しいのだが…基本的な方針としては『限界突破』の為。

鍛錬のあとは死屍累々という言葉が相応しくなる。

まぁ、指導係の少女達にマッサージを受けるので翌日まで引きずるということはないので問題はないといえばない。

苦笑いしながら過去の記憶を話す少年達の話を聞くとこれからの鍛錬を想像するのが嫌にはなるけど

………結論。やばかった、本当に死ぬかと思った。

脱水症状とか肉離れとか普通に起こるし周りバッタバッタ倒れてるのに軍人さん笑いながら治療するし、最終的に立ってられたの俺だけだし。

それがまずがったのか軍人さんに気に入られて特別メニュー組まれて鍛錬の度にシゴキにしごかれるはめになるわけだが。

ちなみに剣術には大きく二通りあり、騎士などが主に使う剣術と冒険者が主に使う剣術。

騎士や軍人が使う剣術はきっちりと型が決まっている正統派の剣術、冒険者やが使う剣術は目潰しや足払いなど型にはまらず生きていくための剣術。

師範は冒険者から軍人になった為どちらの剣術も使え、俺達にも使えるように教えてもらえる。

同い年の少年が「どっちの剣術が強いの?」と聞くと師範は「どちらが強いということはねぇ!強い奴は使える!使えねえやつは弱え!さらに強い奴はどっちの剣術も使えるし知ってる!俺みてぇにな!」と高笑いしながら答えた。

そして質問した少年は俺同様に気に入られシゴかれることになった。

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