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学園の中心で「邪魔しないでよ!」と叫ばれた少女 連載版  作者: 千条 悠里
第1章「学園の中心で『邪魔しないでよ!』と叫ばれた少女」
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閑話 ヒロインちゃんの視点




 私こと、栗原くりはらあやには秘密がある。

 なんと私は、私が主役の乙女ゲームの世界に転生してしまったヒロインなのだ!

 ……我ながら信じられないんだけど、本当のことなんだなあこれが。

 2年生からの転入先である聖クリスティナ学園の校門を見たときに、何やらビビビっと前世の記憶を取り戻したのだ。

 魅力的な男子達との交流、青春、憧れのお嬢様生活!

 交通事故死した両親に代わり、保護者として名乗り出てくれた母方の実家の叔父様の勧めで転入することになった聖クリスティナ学園で、私の本当の青春が始まるのだ!

 ……ただ、ちょっと疑問もあるんだよねえ。

 私の記憶ではこの世界にポケットロボットなんて玩具は存在もしていなかったし、聖クリスティナも庶民に開かれたような学園ではなかった。

 他にも細かいところで差異がある。あるんだけど……。


 こまけえこたあいいんだよ!


 大切なのはこの世界の元になった乙女ゲームが……逆ハーレムが可能な夢の世界だってことだ!

 せっかくこんな世界に生まれ変わったのならすることはひとつ! 逆ハーレムでうはうは生活でしょ!


 そう気合を入れてみたはいいものの……どうにも手ごたえがない。

 せっかく初日から攻略キャラ達とのイベントをこなして回ったというのに、ここ数日イベントの起こる気配がないのだ。

 イケメン生徒会長、望月高志君には「笑顔が嘘くさいのよ!」と乙女ゲームお約束の揺さぶりをかけてきた。

 ゲームの世界に閉じこもって序盤は根暗で顔を隠してるけど、実は隠れイケメンの青木洋介君には「空想に閉じこもってちゃだめだよ!」と言って。

 やんちゃな不良の五十嵐裕也君には「喧嘩なんてしちゃだめだよ! 仲良くしなきゃ!」と勇気出して言ったった!


 他にも新聞部部長の鬼畜眼鏡君や俺様副会長などなど、様々なイケメン君達にイベントのきっかけになる出会いイベントを初日からコンプリートしちゃったんだけど。

 なーんにもイベントが起こらないって何よこれ、バグってんじゃないのこの乙女ゲーム!?

 それなのに攻略キャラ達の親衛隊やらファンクラブからはやっかみのお呼び出し受けちゃうしさ!

 まあ幸い、叔父様の名前を出して権力でねじ伏せてやったけどね、ふふん!

 望月ファンクラブの会長さんは負け惜しみで「……無様ですわね。権力に縋ることでしか己を守れないなど」なんて偉そうに言ってきたけどさ……あんたには言われたくないわ! ファンクラブ会長の権力で私を追い詰めようとしたくせにさ!

 何よ高志君への暴言って! あれは高志君に本当の自分に目覚めてもらうために必要なイベントなんだからね!

 いまいちうまくいってないけど、私負けないわ! だってヒロインなんだもん!

 それに原作ではあまり活用してなかったけど、叔父様の権力があれば色々有利だしね。

 逆ハーレムどころか、学園全生徒制覇とかできちゃうんじゃないかしら!?

 いよーし、私頑張っちゃうぞ!

 邪魔する奴なんてぶったおして、私のための物語を作っちゃうんだから!

基本ヒロインちゃん視点は閑話スタイルでちょっとだけ入れてくつもりです。

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