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学園の中心で「邪魔しないでよ!」と叫ばれた少女 連載版  作者: 千条 悠里
最終章「世界の中心で愛を叫んだ少女」
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第26話「舞い降りる乙女と騎士」




「勇人、父さん! 一緒にいくよ!」

「お、おう!」

「――分かった!」


 凛の掛け声に応えて、3人は同時に魔王目掛けて駆け出す。


「そうはさせないわよ!」


 勇者達の進撃を阻もうと綾が魔法を放つ。

 しかし、クラリスが魔法で迎撃を行い相殺した。

 魔法同士の対消滅する衝撃の余波の中、クラリスは綾を嗤うように微笑みを浮かべる。


「そんな力任せで私に勝とうなんて、千年早いよ」

「こ、の……生意気なぁ!」


 魔王もまた勇者に対抗するため、無数の魔物達を生み出して進路を塞ぐ。

 だが、勇者の仲間達である颯達が魔物の群れの中心に飛び込み、勇者達の道を切り開くために力を振るった。

 戦士の剛剣が薙ぎ払い、武道家の鋭拳が打ち抜き、魔法使いの獄炎が焼き尽くす。

 隠密の影刃が仕留め、王女の聖光が仲間達に加護を与える。


「ユート様、ここはお任せを!」

「ユート殿、往くでござる!」

「久々だからってドジを踏むなよ、信也!」

「私の分も思いっきりぶちかまして!」

「凛、あなたに託すわ!」


 仲間達の声援に応えるかのように、勇者達の剣がさらなる輝きを放つ。

 大海を割るように魔物の軍勢を引き裂き、勇者達は魔王の眼前へと迫った。


「魔王――貴様との因縁、ここで絶つ!」


 まずは信也が仕掛けた。

 間合いに踏み込んだ信也の『勇者の剣』――日本刀の形をした聖剣が鞘から抜き放たれる。

 神速の居合いを、魔王は邪気を放つ魔剣で受け止めた。

 鍔迫り合いになる彼らの頭上から、勇人が袈裟斬りで斬り掛かる。

 勇人が飛び込むタイミングに合わせて信也は後方へ飛び去り、入れ替わるように勇人の聖剣が魔王を襲った。


「魔王、お前にはもう、何も奪わせねえ!」


 普通なら反応できるはずのないその追撃に、しかし魔王は魔剣を巧みに操り防いでみせた。

 その勇人の背後で光剣を掲げて魔力を収束させていた凛が、勇人が退くと同時に振り下ろした。

 大上段からの一閃。魔王にとって天敵となる聖なる魔力が矢継ぎ早に叩き込まれていたところへの渾身の一撃は、魔剣で防いだにも関わらず魔王の身体を弾き飛ばし、体勢を崩させる。


「勇人、今だ! 宮子ちゃんを!」

「ああ!」


 凛の声に応え、勇人は宮子が囚われている魔力の檻へと飛翔する。

 黒紫の膜に覆われた宮子に手を伸ばし、勇人は叫んだ。


「助けにきたぞ、宮子!」


 伸ばした手に勇者の力を凝縮させて、結界を叩き割るように拳をぶつける。

 光り輝く手が魔瘴の膜と干渉し合い、ひび割れる音と共に結界を軋ませた。


「この……ぶっ壊れろおおお!」


 勇人の怒号が最後の一押しとなったかのように。

 硝子を破砕するような甲高い音と共に、禍々しい魔の檻が弾け飛ぶ。

 拘束から解放されて、落下してくる宮子を勇人は抱きとめようとして。


「させないわよ、ばーか!」


 綾の罵倒と共に、宮子の姿が掻き消える。空間転移の魔法を使用した際の現象が見て取れた。

 消えた少女の姿を探して周囲に視線を巡らせる勇人の目に、栗原綾の腕に抱かれた宮子の姿が映る。


「ルシフェル様、『ショー』を始めるわ!」


 栗原綾はその宣言と共に、再び転移魔法を発動させる。

 その起動速度は熟練の魔術師であるクラリスにも追い切れぬ程で、阻害する間もなく綾と宮子の姿が玉座の間から消えた。


「くそっ、どこに消えやがった!?」

『鬼さんこちら、さっさとおいでー! きゃはは!』


 姿が消えた綾の声だけが響く。

 綾の声が耳に届くと同時、勇人達の目の前に映像が浮かび上がった。

 映像が映し出すのは、街の遥か上空。魔王城から遠く離れた大空。

 その場所で、足場となる巨大な魔法陣と、周囲を覆う結界を形成した栗原綾が勇人達を嘲笑う。

 ――そして、魔法陣に倒れ伏していた宮子が、ゆっくりとその身体を起こしていた。



   〇



「はっろー、ようやくお目覚めかしらお姫様? きゃっはは!」


 己を嗤う声を聞きながら、宮子はぼんやりとする意識をなんとか揺り起こす。

 直感とも言える何かが、早く目を覚ませと警鐘を鳴らしていた。

 視界に映る少女の姿に、宮子はその名を呟く。


「くりはら、あや……」

「なあに呼び捨てにしてんのよ、このモブが!」


 豹変した綾が放つ不可思議な黒紫の刃が、宮子の頬を掠めた。

 微かに触れただけのはずの皮膚が引き裂かれて、傷口から頬に一筋の血が流れる。


「今この様子は、勇者共にも見せてやってるわ! あんなに大事に思われてるんですもの……勇者達の憎悪は凄まじいでしょうね!

 その憎悪の念が、魔王様にさらなる力を与えるっていうのにね! あははは!」


 囚われていた時にも、宮子はうっすらと意識があった。

 一度は闇に落ちた意識も、戦闘の騒音で浮上して、皆が戦う様子を朦朧とした意識の中で眺めていた。

 幼馴染が、家族が――そして、いなくなったはずの憧れの人が戦うのを、見ていた。

 見ていることしか、できなかったのだ。


「あんたには色々と煮え湯を飲まされたからねえ、ここでじったりと甚振ってやるわ……。

 勇者達が何人かこちらへきたならそれだけ魔王様が有利になるし、いい事尽くめの作戦ね!」


「……貴女の、思い通りになんて、なりません」


「あんたなんかに絶対負けません、ってことかしら? あははは!

 ――モブは主人公に絶対に勝てないのよお!」


 再び放たれる魔力の刃。

 致命傷を与えるつもりはないのか、浅く皮膚を裂くだけとはいえ、それはナイフで切り刻まれているのと同じだ。

 肩が、腕が、足が裂かれて、宮子に鋭い痛みを与え続ける。


「ほうら、どうしたの? 反撃しないの?

 できるわけないわよねえ、あんた所詮モブなんだから! 何もできない雑魚なんだから!」


 矢継ぎ早に放たれる魔力の刃に、宮子の身体は甚振られ続ける。


(……観察。推測。考察。見ることしかできないんじゃない、見ることはできるんだと考える!)


 ただ、宮子は耐え忍ぶ中で思考を停止していなかった。

 栗原綾の全身を観察して、魔力の刃が放たれるタイミングを推測して、現状の打開策を考察する。

 

「何なのよあんた。怯えなさいよ、恐れなさいよ、ひれ伏しなさいよ!」


 何度痛めつけても悲鳴を上げない宮子に、綾はやがて不満そうに叫ぶ。

 それでも何も言わない宮子に、綾は再び魔法の刃を放つ。


(……見えた!)


 宮子は刃の軌道を見切り、半歩横に動くことで避ける。

 続く刃も、予測した軌道から逃れることで回避し続けた。


「なっ……何なのよ、本当に何なのよあんた!」

「杉野宮子。ただの女子高生です――主役でも、モブでもありません」

「ふ、ふざけるなあ!」


 激昂した綾が、今までとは桁違いの量で魔力の刃を放つ。

 軌道を読めたところで、回避しきれない――そう悟った宮子は、神経を集中させる。


(母さんから教わったことを思い出して……まずは、呼吸)


 魔式呼吸法。母がそう名付けた、魔力を体内に取り込むための呼吸法。

 まだ不完全な形ではあっても、今の宮子にできるのはこれくらいのことだ。

 空手における呼吸法を基本としたそれを、宮子は静かに行って呼吸を整える。


(そして、取り込んだ魔力をどのように扱うか、心に思い浮かべる)


 魔力は心に宿り、持ち主の心に反応して動く。

 それを明確な形に導くのが魔術だ。

 しかし宮子は、魔術を学んではいない。才能もない。そもそも想像できない。

 だから、宮子は母から教わったことを意識して、自分に想像できる形を思い浮かべる。


(魔力を、拳にかき集めて……)


 迫り来る魔力の刃を宮子は掻い潜る。

 そして、避けきれない魔力の刃を――。


(受け止めるのではなく、逸らす!)


 全身からかき集めた魔力を集中させた拳で、打ち払うように軌道を逸らせてみせた。

 母直伝の、防御法のひとつ。未だ練習で魔力を手に集めることもできなかった宮子だが、この窮地において成功したのだ。

 宮子はそれを、必死に頑張ったからとか鍛錬の賜物、というだけで済ませず考察する。

 

 おそらくは、今いる場所に魔力が溢れているからだ、という考えに至った。

 周囲は結界で囲まれて、足元は巨大な魔法陣。

 さらに綾が放つ武器もまた魔力の塊だ。刃が消えた後は、魔力の残滓として空間に漂っている。

 この世界に存在するはずのない魔力が大量に満ちている空間だからこそ、宮子にも魔力が扱えたのだと判断する。


 宮子は天才ではない。特殊な異能力もなく、神様に選ばれた存在でもない。ただのどこにでもいる少女だ。

 環境が揃わなければ、結局自力ではようやく魔力を身に纏える程度でしかない。

 必死に努力しようとも、一流の人間には勝てないし、どうしようもない事態は多々ある。

 

 だが、無駄ではなかった。

 鍛え上げた身体、思考を捨てず考え続ける習慣、最後まで諦めない意地。

 幼い頃から必死に積み重ねた努力は、決して、無駄ではなかった。

 その努力がなければ、どれだけ魔法のことを教わったところで、今この瞬間の成果は有り得なかったのだから。


「ちょ、調子に乗ってんじゃないわよ!」


 しぶとく耐える宮子に苛立った様子で、綾が再び魔力の刃を放つ。

 避けるだけではいつまでも続くと理解しながらも、宮子は攻撃に転じる余裕はない。

 綾もまた、宮子に接近することができなかった。

 今の彼女の魔力があれば、たかが一般人など捻り潰すことはたやすい。

 

 だが綾の脳裏には、以前宮子に取り押さえられた時のイメージが強く刻まれている。

 遠距離から延々と魔法で嬲れば何もさせることなく自分の勝ち――その想定が崩れたことで、以前の敗北の記憶が思考に掠めるのだ。

 あの時も、ナイフで襲い掛かれば一方的に勝てると信じていた。だが結果は瞬く間に取り押さえられていた。

 負けたくない。またあんな風に負けたくない――その感情が綾に勝機を逃させる。

 

 栗原綾もまた、ただの少女なのだ。戦いになど無縁で、どれだけ膨大な力を与えられても、扱い方をろくに知らない少女に過ぎない。

 世界を滅ぼす魔王と同等に近い力を与えられても、人を殺したこともない、ただの力に酔っていただけの少女だ。

 それは拳銃を握り締めて、人を怯えさせることに満足して、しかし発砲できないままでいるのと同じ。

 

 だからただ、自らの勝機を逃して、距離を離しながら魔力の刃を放つという、同じことを繰り返す。

 足場の魔法陣を消す、もしくは転移魔法で空中に放り出す、もっと直接的に殺したいなら膨大な魔力を叩きつけてらればいい。

 いくらでも勝利の道筋はあったというのに、綾は自分からその道を潰してしまっていた。

 そして。


「――宮子!」


 杉野宮子は耐え忍び、栗原綾が戸惑う中、辿り着いた。

 魔王城から遠く離れた場所で窮地に陥っていた、愛する少女の元へ。

 勇者――九条勇人は辿り着いたのだ。



  〇



 時間は少し遡る。

 宮子が空中の舞台へと連れ去られた後、勇人はすぐにでも助けにいこうとした。

 しかし進撃してきたルートを戻って外に出るのは時間が掛かりすぎる。第一、魔王の放った魔物が退路を塞いでいる。

 玉座の間の壁を破壊しようと試みたが、クラリスの魔法を持ってしても破壊できなかった。

 もっと長い詠唱を必要とする大魔術なら貫けるかもしれないが、そのような隙を魔王が許すはずもない。

 手をこまねいている間にも、宮子が嬲られる姿が空間に浮かび上がる映像で見せ付けられる。


「どうした、勇者よ。余所見をしている余力などあるのか?」

「……っ」


 魔王の言葉に歯軋りする勇人。

 目の前の戦闘に集中しなければならないことなど、十分に理解できている。

 しかし、好きな少女が切り刻まれている様子を見せられて、気を逸らさずにいられるほど、勇人は人間を止めていない。

 勇者としての力をその身に宿していようとも、勇人の心はただの人間なのだから。

 

「あんた、人を何だと思ってるの!?」

「無論、魔族の家畜だ。利用価値があるから生かしているだけに過ぎん」

「……貴様だけは、生かしておけん!」


 加奈子の問いかけに躊躇うことなく断言した魔王に、信也が憤慨する。

 他の者達も、魔王への怒りを抑え切れなかった。例えその感情が魔王にさらなる力を与えることになると知っていても。


「貴様達を殺した後は、下で足掻いている虫共を潰す。後はたいした戦力もないのであろう?

 そうなればこの世界の人間は全て家畜だ。死ぬまで我が糧として飼育してやる」


「そんなこと、させるものか!」


 凛が叫び斬りかかる。数合の打ち合いの後鍔迫り合いとなるが、決定打を与えるには至らない。

 やがて魔王の方から距離をとり、魔物を召喚して凛を包囲した。

 凛は素早く切り伏せるが、その隙に魔王は間合いを離してしまう。


「くそっ……早く、早く宮子を助けに行かないと!」

「そんなにあの女が大切なのか? たかが小娘ではないか」


 勇人の焦燥の声に、魔王は嘲笑うかのように言う。

 魔王の物言いに激昂した勇人が叫ぶ。


「てめえには永遠に分からねえだろうな!

 大切な人のために、必死になる人間の気持ちなんてよお!!」


「理解する価値などない。貴様は豚の思念に興味を抱くのか?」


「ふっざけんなあああ!!」


 突撃して魔王に剣を振るう勇人だが、凛の時と変わらず捌き切られてしまう。

 勇人が打ち合う隙にクラリスや園子、加奈子が壁の破壊を試みるが、大呪文を唱えれば魔王に妨害されて詠唱を中断せざるを得ず、かといって短い詠唱では威力が足りない。


「くっ……急がなきゃいけないのに!」


 膠着した戦況。その間にも続く栗原綾の凶行。

 映像の中で宮子が、何度も切り刻まれていく。それを止める手立てが、ない。

 ――状況を打ち破る者が現れたのは、そんな時だった。


『その壁ぶっ壊せばいいのね? ちょっとマーキングするからそこから離れて!』


 その声は、機械を通したような声だった。

 姿の見えぬ第三者の声に一同が戸惑う中、玉座の間の中央に青白い光の柱が生まれる。

 その柱は、玉座の間の中央を天井から床まで貫くように発生して、淡い光を放っていた。


『青白い光の柱、見えた? そこには近づかないでね!』

「……この声、晶子!?」


 マイク越しで普段と違う響きの声に一瞬理解が遅れたが、颯はその声が娘のものであることに気付く。

 しかし颯の声に返事はなく、晶子の声でカウントダウンが始まる。


『3、2、1……発射!!』


 掛け声に一瞬遅れて、蒼白の閃光が漆黒の天蓋を貫いた。

 その蒼光の轟流は止まることなく、床までも貫通して消えていく。

 破壊された天井の大穴からは、人間を一回り巨大にしたような存在が舞い降りるように現れた。

 全身は女性の身体を思わせる流線的で曲線を主体にした装甲で覆われており、各所に天使の羽根を思わせる装飾がされている。

 青と白を基調としたその姿は――杉野晶子が扱う星屑スターダスト戦乙女ヴァルキュリアを、等身大に拡大したような姿をしていた。


「晶子……晶子なの!? 貴女、それ一体どうしたの!?」

『いやー、なんかポケロボが兵器になってる感じの世界に呼ばれちゃってさ。

 玩具でしかなかったポケロボが、なんか神様の不思議パワーでこんな強化服パワードスーツみたいになっちゃって、化け物相手に戦ってきたのよ』

『俺もいるぜ!』


 戦乙女ヴァルキュリアに続いて舞い降りたのは、紅蓮の鎧を身に纏った騎士であった。

 晶子の駆る星屑スターダスト戦乙女ヴァルキュリアと並び立ち、威風堂々と剣を構える。

 それは杉野翔が愛機とするポケロボを模した強化服パワードスーツ紅蓮フレイム竜騎士ドラグーンの姿であった。


『っていうか話は後! 兄ちゃん、宮子姉ちゃんの救出に向かってくれ! 俺達じゃあの結界破れそうにないんだ!』

『この場は私達みんなに任せなさい! だから……妹のこと、頼むわよ!』


 翔と晶子の言葉に同意するように、仲間達が奮い立つ。

 彼らは勇人を行かせまいとする魔王の猛攻に立ち向かいながら、声の限り叫んだ。


「さっさと行きなさい、勇人! 私を振ったんだから、あの子と幸せにならなかったらぶん殴るからね!」

「娘のこと、よろしく頼むわね! こっちのクソ野郎は代わりにしばいておくわ!」

「ユート様に、神の加護があらんことを!」

「ユート殿、頑張るでござる!」

「気合入れなさい、ひよっこ勇者! ここが正念場よ!」

「勇人、娘のことを頼んだぞ!」

「二人で無事に帰ってきなさい! こっちはお母さん達が頑張るから!」


 勇者と共に戦う仲間達が、勇人の往く道を守ろうと魔王に抗う。

 そして。


「勇人、頑張れよ! 愛する女は自分の手で守ってこい!」

「宮子ちゃんのこと、君に託す。往け、勇人!」


 自分を愛し育んでくれた父親が。

 死して尚、窮地に駆けつけてくれた兄が。

 勇者の系譜に連なる二人の言葉が、仲間達を置いていくことを躊躇う勇人の背中を押した。


「――ああ、必ず守ってみせる!」


 勇者は空へと舞い上がる。魔王はそれを阻もうと魔物を放つが、戦乙女ヴァルキュリアの放つ幾千もの閃光がそれらを穿った。

 天蓋から大空へと抜けて、勇者は空を疾駆する。

 魔王城を覆う暗黒の空を抜けて、生まれ育った街の空へ。

 そして、愛する少女の待つ場所へ――。

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