表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/17

その薔薇の名は

ふわふわしてて、温かい。

私、どうしたんだっけ?

部屋を出る計画をして、ケイト様とお話しして、変な人に…

「変な人」に?


ぱちっ


目を開けると、昨日の不法侵入者さん(ケイト様以下略)が居られます。

そしてこれは抱きしめられてますか?

しかも、何故ハダカ?!

嫁入り前の純粋な乙女に何をしてくれるんですか!!


「やっと起きたみたいですね。おはよう俺の愛しい人。」

「オハヨウゴザイマス。」


何故にあなたはNoリアクションなんですか?!

もしかして、いろんな女の子に…


「緊張しているんですか?貴女はとてもかわいいですね。」


ちゅっ。


唇に柔らかい感触が一瞬。

これは、世にいう、キス?

反応を示さないサラに再び口づけるルシカ。

先ほどよりも深く、奪いつくすように。


「っん!…ぁ!」


ずっとケイトの屋敷の中で育ったサラはキスはもちろんその先のこともしたことがなかった。

あるのは恋愛小説を読んで知った知識だけ。

そんなサラは、キスの最中の息の仕方を知るはずもなく、絶賛酸欠中。

ちょっとぉ!いつまで続けるつもりなの?い、息が苦しい!

苦しさから逃れるようにルシカの胸を叩くも、止める気配はない。

意識がぼーっとしてきたころ、ようやくルシカはサラの唇からそれを離した。

サラの目に入ったのは、二人が口づけていたことを示す、銀の糸。

いけないことをしてしまったような。

長い口づけに息が乱れ恥ずかしさに頬を赤く染める姿は、庇護欲を掻き立てるとともに、めちゃくちゃに犯し尽くしたくなる。


「ふふっ。誘っているのですか?」

「っやぁ!」


初めてのキスという乙女の憧れを、夕日がきれいな花畑で初めてキスするのを夢見ていたのに。

やりきれなさからか、悔しさからか、サラの瞳からは涙があふれ出した。

さすがにルシカもこれには動揺した。


「サラ?!」

「っぅ…昨日から何なの?!た、確かに私だって部屋から出て、外の世界を知りたかったけど!!っふぅ!変態に連れ去られて、挙句の果てにお、乙女のファーストキスを奪われるなんてぇ!!」


踏んだり蹴ったりだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ