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【氷の天使】
広大な雪原。
ほの青い光の下、まるで彫像のように佇むものがあった。
否、それは紛れもなく人の形をしていた。
白く細い髪が風に攫われふわりと揺れる。
俯き目を伏せる姿からはなんの感情も感じられない。
ただ、握られたクリスタルの鎌は赤く彩られていた。
僅かに目尻を震わせ、それは目をうっすらと開く。
髪と同じく白い瞳は少し離れた場所に視線を向けた。
視線の先の雪は、僅かに膨れ上がり桃色に染まりつつある。
希いは果たされた。
けれどどこか虚ろだった。
このままでは帰れないだろう場所を想う。
昼下がりの図書室、穏やかな談笑。
このまま消えてしまえたらいいのに。
あなたはわたしにとって「ことばを綴る愉しさ」を教えてくれたひとでした。
彼の心境はわたしが思った彼のことばです。




