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異世界転生したら調味料が最強武器でした  作者: 慈架太子


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第4章: 商業ギルドへ

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第4章: 商業ギルドへ


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「す、すごい……! これなら遠間の敵も斬れる!」


『ピロリン♪』


≪風属性魔法≫ 習得。(直人、エレナ共に)


≪ウィンドカッター≫:風の刃。


≪エアバレット≫:空気弾。


3限目:土魔法(構造理解)

「最後は土だ。これは俺は持ってるから、アンタへの指導メインだな」


直人は崩れかけた砦の壁に手を触れた。


「土魔法は『イメージ』が全てだ。土の中の成分を理解し、結合を強めれば『石』になり、さらに密度を上げれば『鉄』のような硬度になる」


「結合……密度……」


「アンタの守りたいという意思を、壁に流し込め。……こうやるんだ」


直人は**≪地属性魔法 Lv.2≫**を発動。 ボロボロだった石壁が、生き物のように蠢き、隙間を埋め、表面が滑らかに硬化していく。あっという間に、新築のような強固な防壁へと生まれ変わった。


「……もはや築城の達人ドワーフの仕事だな」


エレナは呆れつつも、自身の魔力を地面に流した。 「守れ……堅牢な盾となれ……!」


ズズズッ! 地面から厚さ30センチほどの石の壁がせり上がった。


「できた! これで簡易的な陣地が作れる!」


『ピロリン♪』


≪地属性魔法≫ 習得。(エレナ)


直人は ≪地属性魔法 Lv.3≫ に上昇。(アースウォール、硬化)


午前中の特訓を終え、二人は汗を拭いながら井戸の前へ戻った。


「よし、仕上げだ。復習を兼ねて、この井戸を復活させる」


直人は井戸の底へ手を向けた。


**≪地属性魔法≫**で井戸の底を掘り下げ、地下水脈まで到達させる。


**≪土魔法≫**で壁面を補強し、泥が入らないように濾過層を作る。


**≪水属性魔法≫**で呼び水を行い、水脈を活性化させる。


「……出ろぉぉぉッ!」


ドッパァァァァァン!! 井戸の底から、清冽な水が噴水のように吹き上がった。


「うおっ、出しすぎた!」


「きゃあ!? ……ふ、ふふふ、あはははは!」


ずぶ濡れになったエレナが、驚いた後に子供のように笑い出した。 その笑顔を見て、遠巻きに見ていた民たちも歓声を上げて駆け寄ってくる。


「水だ! きれいな水が出たぞー!」 「ナオト様! 姫様! 万歳!」


【ステータス更新】


【ナオト・カジヤ】


≪水属性魔法 Lv.1≫ (NEW!)


≪風属性魔法 Lv.1≫ (NEW!)


≪地属性魔法 Lv.3≫ (UP!)


【エレナ・フォースター】


≪水属性魔法 Lv.1≫ (NEW!)


≪風属性魔法 Lv.1≫ (NEW!)


≪地属性魔法 Lv.1≫ (NEW!)


※「魔法騎士」としての才能が開花しつつある。


「……文明的な生活に、一歩近づいたな」


直人は湧き出る水を眺め、満足げに頷いた。 だが、そんな平和な時間は長くは続かない。 直人の**≪魔力感知≫**が、砦に近づく多数の「人間」の気配を捉えたのだ。


「……来るな。数は300、いや400か」


直人は**≪魔力感知≫**で捉えた反応の数を分析し、冷静に呟いた。 ザリア伯爵領の私兵団だろう。砦の生き残りが100人(うち戦闘可能なのは半数以下)なのに対し、相手は完全武装の正規兵。まともにぶつかれば虐殺だ。


「さ、300!? そんな……今の我々の戦力では、数分と持たないぞ!」


エレナが顔面蒼白になる。 だが、直人はパチンと指を鳴らした。


「だから、**『底上げ(ベースアップ)』**する」


「底上げ?」


「戦力が足りないなら、増やせばいい。……ここにいる全員を、魔法使いにする」


直人の狂気じみた提案に、エレナは言葉を失った。 魔法とは才能ある者が長い修行の末にようやく習得するもの。それを、老人や子供も含む難民全員に?


「無理だ! 魔法の素養がない者もいる! それに時間が……」


「時間ならある。敵がここに来るまであと半日。……俺のメソッドなら、半日あれば十分だ」


直人はニヤリと笑った。それは、ブラック企業の新人研修を生き抜いてきた男の、有無を言わせぬ笑みだった。


【緊急特別企画:ナオト式・超速魔法習得ブートキャンプ】


広場に集められた100人の民衆。 彼らは困惑していたが、直人の「飯を食わせてやった恩」と「圧倒的なカリスマ(恐怖?)」により、整列させられていた。


「いいか、みんな! 今からお前らに『生きる力』をインストールする! 難しい理屈はいらない、俺の言うイメージを脳に焼き付けろ!」


直人は**≪テレキネシス≫**で全員の脳に微弱な干渉を行いながら、拡声器代わりの風魔法で叫んだ。


① 生活魔法(基礎トレーニング)


「まずは『生活魔法』だ! 目の前のコップに水を満たせ! 指先に火を灯せ! 自分の服の汚れを弾き飛ばせ!」 「できない? 甘えるな! 飯が食いたいなら働け、働きたくないなら魔法を使え!」


直人のスパルタ指導と、具体的なイメージ伝達(テレパシーに近い)により、民衆の中に眠っていた魔力回路が無理やり開通していく。 「で、出た! 火が出たぞ!」 「水が出せた! これでもう水汲みに行かなくていいんだ!」


成功体験は連鎖する。生活魔法の習得は、彼らに「自分にもできる」という自信を与えた。


② 属性魔法・超能力(実戦配備)


「次は実戦だ! 敵は待ってくれないぞ!」


≪土魔法≫:「地面を掘れ! 壁を作れ! 自分の身は自分で守る遮蔽物を作れ!」


≪風魔法≫:「空気を固めてぶっ飛ばせ! 石を投げるより速く、強く!」


≪サイコキネシス(基礎)≫:「手を使わずに物を拾え! 矢が飛んできたら念力で弾き返せ!」


≪ヒーリング(基礎)≫:「隣の奴が怪我したら即座に治せ! 互いにヒールし合えば、我々は不死身の軍団になる!」


常識外れの特訓。だが、不思議と脱落者は出なかった。 なぜなら、直人が全員の魔力消費を監視し、枯渇しそうになったら即座に自身の膨大なMPを分け与え(魔力譲渡)、疲労したら範囲ヒーリングで回復させていたからだ。 飴と鞭、そして無限のエネルギー供給。


数時間後。 そこには、指先から火球を出し、念力で農具を浮かせ、土壁を一瞬で展開する、**「武装魔法市民団」**が爆誕していた。


「よし、仕上げだ。……**『防壁改修リノベーション』**を行う!」


直人の号令と共に、100人の新人魔法使いたちが一斉に砦の壁に取り付いた。


「≪地属性魔法≫、一斉展開!」


ズズズズズズズッ……!!


崩れかけていた石壁が、生き物のように盛り上がる。 直人が設計図イメージを共有し、民衆がそれを魔力で実行する。


高さの拡張:5メートルだった壁を、一気に10メートルへ嵩上げ。


材質の強化:土を圧縮し、岩盤レベルの硬度へ変質。さらに表面をガラス化させ、登坂を不可能にする。


形状の変更:ただの壁ではない。死角をなくし、十字砲火を浴びせられる**「稜堡りょうほ式」**の星型要塞へ。


自動迎撃システム:壁面に無数の「石礫」を埋め込み、**≪テレキネシス≫**でいつでも散弾として発射できるようにセット。


「す、凄い……。これが、民の力……?」


エレナは震えていた。 かつて守られるだけだった弱者たちが、今や一人前の魔法工兵として、難攻不落の要塞を築き上げている。


「完成だ……!」


夕日が沈む頃。 そこには、古びた砦の面影はない、黒光りする凶悪な**「要塞都市」**が聳え立っていた。


そして、日没直後。 松明を掲げたザリア伯爵領の私兵団300名が、意気揚々と砦の前に現れた。


「へへっ、どうせ餓死寸前のネズミどもだ。一気に押し潰して……」


隊長らしき男が砦を見上げ、言葉を失った。


「な、なんだアレは……?」


闇に浮かび上がる、黒鉄のような巨壁。 その城壁の上には、100人の民衆が整列し、その全員の手の平に、メラメラと揺らめく**≪ファイアボール≫や、鋭い≪ウィンドカッター≫**が輝いていた。


「よお、いらっしゃい」


城壁の最上段、直人が悠然と見下ろしていた。


歓迎会パーティーの準備はできてるぜ? ……さあ、**『防衛戦』**の始まりだ」


民衆の目が、ギラリと光る。 獲物を前にした狩人のように。


【ステータス更新】


【ナオト・カジヤ】


≪指揮(軍団) Lv.48≫:集団の魔力をリンクさせ、統率する能力。


≪教育 Lv.62≫:他者にスキルを伝授・開花させる能力。別名「教祖」。短時間で数値を叩き出したため、レベルが跳ね上がった。


【古砦の民(100名)】


【職業】 難民 → 魔法兵ビギナー


【習得スキル】 生活魔法全般、土魔法Lv.1、風魔法Lv.1、念力Lv.1、回復Lv.1


「突撃だぁぁッ! あの不気味な壁を乗り越え、女子供も皆殺しにしろ! 奪い尽くせ!」


ザリア伯爵の私兵団隊長が剣を振り上げ、300名の兵士が一斉に叫び声を上げて突っ込んできた。 恐怖を煽るための雄叫び。だが、城壁の上の「新米魔法兵」たちは、ピクリとも動揺しなかった。


なぜなら、彼らの脳内には直人の冷徹な指示(業務命令)が直接響いていたからだ。


『総員、注目。……派手な花火ファイアボールは中止だ』


直人の声がリンクする。


『夜間戦闘で火を使うと、回収した装備が焦げて売り物にならなくなる。それに、死体の片付けも面倒だ。……研修でやった「一番効率のいいアレ」でいく』


民衆たちの瞳から、感情が消えた。 彼らは直人に叩き込まれた「効率至上主義」に従い、一斉に手を敵軍へと向けた。


『ターゲット、敵兵全300名。割り当て、一人につき3名。……ロックオン』


城壁の上に並ぶ100人の手が、指揮者のように滑らかに動く。 突撃してくる兵士たちは気づかない。自分たちの首筋に、数百本の「見えない手」が絡みついていることに。


「おい、なんだ? 奴ら、攻撃してこねぇぞ!」 「ビビって魔法も撃てねぇのか! そのまま梯子を……」


『――業務執行エンター


直人が指をパチンと鳴らした。 それに合わせて、100人の民衆が、ドアノブを回すように手首をクルリと捻った。


ゴキィッ、ベキョッ、グリュン!!


戦場に、およそ生物が立ててはいけない湿った破砕音が、300回分重なって響き渡った。


「え……?」 「あ……?」


先頭を走っていた隊長。 梯子をかけようとしていた兵士。 後方で弓を構えていた部隊。


全員の顔が、真後ろを向いていた。


悲鳴は一つも上がらなかった。 声帯ごとねじ切られ、脊髄を断断された300の肉体は、走っていた慣性のまま数歩たたらを踏み……そして、糸が切れた操り人形のように一斉に崩れ落ちた。


ドササササササッ……。


一瞬の静寂。 そして、訪れる完全なる沈黙。


「……よし、業務完了タスク・コンプリート


直人が淡々と告げると、城壁の上の民衆たちは「ふぅ、終わった」とばかりに肩の力を抜き、額の汗を拭った。


「す、すげぇ……本当にやったぞ!」 「手も触れずに、鎧武者どもが全滅だ!」 「俺たち、勝ったんだ……!」


歓声が上がる中、エレナだけが、城壁の手すりを握りしめてガタガタと震えていた。


「あ、悪夢だ……。これは戦争ではない……。ただの『事務処理』だ……」


騎士として正々堂々の戦いを重んじてきた彼女にとって、100人の素人が、指先一つで300の精鋭を即死させた光景は、魔法の偉大さよりも「生理的な恐怖」を刻み込むものだった。


『ピロリン♪』 『ピロリン♪』 『ピロリロリンッ!』


直人の脳内だけでなく、民衆全員の頭の中で、レベルアップのファンファーレが鳴り響く。


【ステータス更新】


【古砦の民(100名)】


【レベル】 1 → 15 (格上撃破ボーナスにより急上昇)


【職業】 魔法兵ビギナー念動兵サイキッカー


【習得スキル】


≪テレキネシス Lv.12≫:集団即死攻撃の経験により上昇。


≪冷徹 Lv.2≫:直人の影響により習得。殺害への忌避感が薄れる。


【ナオト・カジヤ】


【レベル】 15 → 28


【パラメータ】


HP: 850 / 850


MP: 1600 / 1600 (+750)


【ステータス】


魔力:S (ついにSランク到達)


【スキル】


≪指揮(軍団) Lv.55≫


≪教育 Lv.78≫


≪テレキネシス Lv.35≫ (↑↑ 指揮によるリンク経験値で上昇)


「さて、と」


直人は大量の経験値が入った充足感を感じながら、城壁の下に広がる死体の山(と、そこから漂う鉄の臭い)を見下ろした。


「次は『回収作業』だ。装備は剥いで資金にする。死体は……まあ、肥料にするか」


直人はパンと手を叩き、呆然としているエレナと、興奮冷めやらぬ民衆に振り返った。


「休憩してる暇はないぞ! 残業だ! さっさと片付けるぞ!」


「「「はいッ! ナオト様!!」」」


死の商人よりもタチが悪い、ブラック企業系救世主の号令が、夜の砦に響き渡った。


「よし、総員作業開始ワーク・スタート!」


直人の号令と共に、砦の前は巨大な「解体工場」と化した。


「装備回収班、念力で剥ぎ取れ! 紐を解く必要はない、金具ごとねじ切れ!」 「へいッ!」


民衆たちは覚えたての**≪テレキネシス≫**を使い、300の死体から一斉に装備を剥ぎ取った。 ガシャガシャガシャッ! 剣、槍、鉄鎧、革鎧、ブーツ、金貨袋……。それらが空中に舞い上がり、種別ごとに分別されて山積みになっていく。手作業なら数時間かかる工程が、わずか数分で完了した。


「次は死体処理だ。埋めるのは場所を取るし、焼くと臭い。……だから、土に還す」


直人は地面に手を突き刺した。 イメージするのは**≪解体≫の応用と、≪錬金術≫**による物質変換。タンパク質とカルシウムを分解し、大地が吸収しやすい形へ。


「……急速堆肥化コンポスト


ズズズズズ……。 装備を剥がれた全裸の死体の山が、泥人形のように崩れていく。 肉は液状化して地面に染み込み、骨は白い粉となって土に混ざり合う。 数分後、そこには死体の山はなく、黒々とした栄養豊富な土壌だけが残っていた。


「これで来年はいい野菜が育つぞ。トマトなんか最高だろうな」


「……貴様、戦死者を肥料にしたのか? 敵ながら哀れすぎて涙も出んぞ……」


エレナが引きつった顔で呟くが、直人は「エコだろ?」と一蹴した。


「さて、次は物流改革だ。エレナ、あとガレス! 班長クラスの人間を10人集めろ」


作業がひと段落した後、直人は砦の幹部たちを呼び出した。 副団長のガレス(回復済み)を含む、現場リーダー格の10名とエレナが整列する。


「装備の山、運ぶの大変だろ? いちいち俺が収納するのも手間だ」


直人は彼らの眉間に指を突きつけた。


「だから、お前らにも『社用車』……じゃなくて、**≪アイテムボックス≫**を支給する」


「は……? アイテム……ボックス……?」 ガレスが目を白黒させる。「伝説の時空魔法を支給って、パンの配給みたいに言われましても……」


「難しく考えるな。自分の影の中に、押入れがあると思え。……ほら、イメージを送るぞ」


直人は**≪教育 Lv.78≫**の力を全開にし、彼らの脳内に「亜空間収納」の感覚をねじ込んだ。


「ぐ、ぐぬゥゥッ……! 頭が……割れる……!」 「見えない……穴が……開く……!」


幹部たちが頭を抱えて悶絶する。 だが、直人の教育スキルはスパルタだ。無理やり回路を繋ぎ、固定する。


『ピロリン♪』 全員の脳内で音が鳴る。


「……あ、開いた。影の中に……空間が!」 ガレスがおずおずと剣を影に差し込むと、それはズルリと吸い込まれ、再び念じると手元に戻ってきた。


「それとな、そのボックスには**『時間停止機能』**も標準装備しておいた」


直人が事もなげに付け加えた言葉に、エレナが反応した。


「じ、時間停止だと……? つまり、中の物は腐らないということか?」


「ああ。熱いコーヒーは熱いまま、生肉は新鮮なままだ。補給線が伸びても食料が腐る心配はないし、氷も溶けない」


「な、なんてことだ……! それがあれば、兵站へいたんの概念が覆るぞ……!」 「永久保存が可能な倉庫を、個人が持ち歩くなんて……!」


幹部たちが震えながら喜び合う。 戦略的価値が高すぎる「冷蔵・冷凍・保温庫」付きの無限倉庫。それが11人分も運用されれば、この部隊の継戦能力はもはや国家レベルをも凌駕する。


「よし、これで全員『手ぶら』で動けるな。……回収した装備、全部それぞれのボックスに詰め込んどけ。次の街で売りさばくぞ」


【ステータス更新】


【ナオト・カジヤ】


【スキル】


≪錬金術 Lv.15≫ (死体300体の肥料化により上昇)


≪教育 Lv.99≫ (凡人を天才に変える領域へ。さらに上昇中)


【エレナ & 砦のリーダー(10名)】


【新規習得スキル】


≪アイテムボックス(小) Lv.1≫


※容量:2トンショートトラック程度。


※時間停止機能あり(完全保存)


「……戦力増強、資金源確保、物流確立。……だいぶ会社(組織)らしくなってきたな」


直人は星空の下、肥料となった元敵兵の大地を踏みしめ、満足げに頷いた。


一夜明けた要塞都市(元・古砦)。 300人の敵兵を「肥料」に変え、装備を「資産」に変えた直人は、朝礼台に立って100人の民衆を見下ろした。


「おはよう、諸君。昨日の防衛戦、ご苦労だった。だが、会社(組織)ってのは立ち止まったら死ぬんだ。今日は**『部署の再編リストラ』**を行う」


直人はホワイトボード代わりの石板に、**≪地属性魔法≫**で文字を刻み込んだ。


「全員が何でもやるのは非効率だ。適材適所。専門性を高めろ」


直人は民衆を二つのグループに分けた。


第一営業部:【魔物狩猟班ハンティング・ユニット

リーダー:副団長ガレス 人員:体力自慢の若者や元兵士 40名


「お前らの仕事は『外回り』だ。周辺の森や荒野に生息する魔物を片っ端から狩り尽くせ」


直人はガレスの肩を叩いた。


「武器はいらん。昨日覚えた**≪テレキネシス≫で首をひねるか、心臓を潰せ。血抜きと解体まで現場で済ませ、支給した≪アイテムボックス≫**に収納して持ち帰るんだ」


「は、はい! しかし、乱獲しすぎると生態系が……」


「俺たちが食う分と、保存食にする分、あと革や骨は加工して売る。……ノルマは一人一日、オーク換算で3頭だ」


「さ、3頭!? 普通の騎士団なら小隊で挑む相手を一人で!?」


「できるな? お前らなら」


直人の**≪指揮 Lv.55≫**による威圧プレッシャー。 ガレスたちは背筋を伸ばし、敬礼した。


「イエス・ボス! 狩り尽くします!!」


第二製造部:【爆速農業班アグリカルチャー・ユニット

リーダー:農村出身の長老ハンス 人員:老人、女性、子供など 60名


「お前らの仕事は『内勤』だ。昨日の戦闘で、砦の前には**『最高級の肥料(元・敵兵300人分)』**が撒かれている。これを無駄にする手はない」


直人は砦の前の、黒々と肥沃になった土地を指差した。


「種はあるか?」 「は、はい……。避難する際に持ち出した麦や芋、野菜の種が少々……。ですが、今から植えても収穫は数ヶ月先ですじゃ」


長老ハンスが不安そうに答えるが、直人はニヤリと笑った。


「数ヶ月? 甘い。……魔法を使え」


直人は彼らに新たなメソッド(業務マニュアル)を叩き込んだ。


≪地属性魔法≫:一瞬で耕し、うねを作る。


≪水属性魔法≫:最適な水分量を与える。


≪ヒーリング(植物適用)≫:ここが肝だ。人間に使う回復魔法を、植物の**「成長点」**に集中照射する。細胞分裂を強制的に加速させろ。


「肥料はたっぷりある。水もある。あとは魔力で時間を進めるだけだ。……午前中に種を蒔いて、夕飯にはサラダを食うぞ」


「ご、午前中に収穫!? 神話の豊穣神でもそこまでは……!」


「やるんだよ。……総員、配置につけ!」


業務開始オペレーション・スタート

【狩猟班】 「いたぞ! レッドウルフだ!」 「ヒャッハー! 経験値エサだァァァッ!」


森の中を、超高速で空を飛ぶ(レビテーション)40人の集団が駆け巡る。 魔物を見つけるや否や、集団で囲んで**≪テレキネシス≫**。 『グリュン!』 一瞬で首をへし折り、空中で解体、即座にアイテムボックスへ収納。 その手際は、熟練の職人のライン作業のようだった。森の魔物たちが恐怖で震え上がる速度で、次々と「食肉在庫」が積み上がっていく。


【農業班】 「種を蒔け! 次、水やり班!」 「回復ヒール班、照射開始! 育て、育てぇぇぇッ!」


黒い土壌(元・敵兵)に植えられた種が、魔力の奔流を受けて爆発的に芽吹く。 ニョキニョキニョキッ! 見る間に茎が伸び、葉が茂り、実をつける。 「す、すげぇ! トマトが目の前で赤くなっていく!」 「カボチャが! カボチャが膨らみすぎて破裂しそうだ!」


豊富な栄養素(敵兵由来)と過剰な魔力供給により、野菜たちは通常の倍以上のサイズに成長し、たわわに実った。


夕刻。


「報告します! オーク50頭、ウルフ30匹、巨大猪20頭! ボックスが満杯です!」 ガレスが血濡れ(返り血ではなく解体時のもの)で帰還した。


「報告しますじゃ! 小麦が山のように……! 野菜も採れすぎて、砦の倉庫に入りきらんわい!」 ハンス長老が、巨大なカボチャを抱えて嬉し泣きしている。


それを見た直人は、満足げに頷いた。


「よし。これで食料自給率は1000%を超えたな」


横で見ていたエレナが、遠い目をして呟く。


「……たった一日で、荒れ地が穀倉地帯になり、森の生態系が崩壊したぞ。貴様、本当に救世主か? 蝗害こうがいの化身か何かではないのか?」


「失礼な。持続可能な開発目標(SDGs)だよ。……多分な」


【ステータス更新】


【狩猟班(40名)】


【職業】 念動兵 → 狩猟特務兵ハンター


【習得スキル】


≪解体 Lv.15≫


≪索敵 Lv.5≫


連携リンチ Lv.8≫


【農業班(60名)】


【職業】 念動兵 → 魔導農民ドルイド


【習得スキル】


≪植物成長促進 Lv.10≫:魔力で光合成と成長を加速させる。


≪品種改良 Lv.3≫:魔力を込めて、より美味く、より大きく育てる。


【ナオト・カジヤ】


【スキル】

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