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異世界転生したら調味料が最強武器でした  作者: 慈架太子


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第12章: 教育と未来

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第12章: 教育と未来


============================================================


メニュー:カレーライス、揚げパン、ソフト麺、牛乳、フルーツポンチ。


効果:不登校児ゼロ。親も「食費が浮く」と大喜びで子供を送り出す。


【授業開始:世界が賢くなる日】


「あいうえお……」 「1+1=2……」


世界中の教室で、子供たちの声が響く。 魔導タブレットの分かりやすい授業と、直人の**≪教育≫**スキルの補正により、子供たちはスポンジのように知識を吸収していった。


「すげぇ! 文字が読めるぞ!」 「計算ができれば、商売で騙されない!」


識字率が爆発的に向上する中、直人はカリキュラムにこっそりと**「ルメリナ礼賛」**の内容を混ぜ込んでいた。


国語:例文「ナオト様は偉大です」「ルメリナのご飯は美味しい」。


社会:世界の中心はルメリナ公国であると教える地図。


道徳:勤労と納税の尊さを説く。


「……ナオトよ。これは教育か? 洗脳ではないか?」 エレナが教科書を見てジト目になる。


「何言ってるんだ。これは『グローバル・スタンダード』の普及だよ」


【ステータス更新】


【新生ルメリナ公国】


【施設】 ルメリナ基礎学校 100,000校 稼働。


【影響力】 世界的識字率 95% 達成。


【文化】 共通言語・通貨・単位がルメリナ式に統一。


【ナオト・カジヤ】


【新規習得スキル】


≪学校経営 Lv.150≫:世界最大の教育機関の長。


≪思想誘導 Lv.120≫:教育を通じて、次世代の価値観を書き換える。


「ふぅ……。これで数年後には、世界中が『ルメリナ信者』で埋め尽くされるな」


直人は給食の揚げパン(きなこ味)をかじり、ニヤリと笑った。 肉体だけでなく、知性までも支配したルメリナ公国。 その「世界征服」は、もはや盤石なものとなりつつあった。



「業務連絡。……読み書きができるようになっただけじゃ、国は回らない」


翌朝。 基礎学校からの報告書(子供たちの感謝の手紙)をシュレッダーにかけながら、直人は幹部たちに新たな課題を提示した。


「識字率は上がった。だが、鉄道を整備し、通信網を管理し、複雑な行政を行うための**『高度な頭脳スペシャリスト』**が圧倒的に足りない」


直人はホワイトボードにピラミッド図を描いた。 底辺には広大な「基礎学校(労働者層)」がある。だが、その上の中間層とトップが空っぽだ。


「だから、**『専門学校カレッジ』と『大学ユニバーシティ』**を作る。……即戦力の『手足』と、国を導く『頭脳』を量産するぞ!」


【プロジェクト:高度人材育成機関の設立】


直人は**≪建築魔法≫と≪教育 Lv.200≫**のノウハウを注ぎ込み、ベルンの学術地区に巨大なキャンパス群を建設した。


【第1段階:ルメリナ実務専門学校群カレッジ

「ここでは『明日から現場で使える技術』を叩き込む。……卒業即、戦力だ」


1. 国立料理学院ルメリナ・キュイジーヌ


講師:直人の直弟子たち、および「味覚」に優れたハーフリング族。


カリキュラム:


包丁道:スライサーに頼らない極限の桂剥き。


調味学:醤油とスパイスの黄金比率。


接客:「いらっしゃいませ!」の発声練習からクレーム処理まで。


目標:世界中に展開する2,000店舗の店長候補を育成。


2. 魔導工業高等専門学校(ルメリナ高専)


講師:ドワーフの鍛冶師、ノームの精霊技師。


カリキュラム:


鉄道整備:リニアモーターのメンテナンス。


インフラ管理:上下水道と魔導通信網の保守。


目標:文明の維持管理メンテナンス部隊の結成。


3. 教員・官吏養成所


講師:元・帝国の有能な文官、エルフの賢者。


カリキュラム:


ルメリナ法学:直人が定めた法律(社則)の暗記。


洗脳教育法:いかにして子供たちに「ルメリナへの愛国心」を植え付けるか。


目標:世界10万校の基礎学校へ派遣する教師と、拡大した領土を治める役人の量産。


【第2段階:ルメリナ帝国大学アカデミー

「そして、ここが最高学府だ。……世界の『エリート』を集め、俺の手駒にする」


直人は王城の隣に、白亜の巨塔を建てた。


学部紹介:


魔導農学部: 「食料は武器だ」をスローガンに、品種改良と土壌汚染対策、そして対天候魔術を研究。魔界の植物すら食料に変える研究が進む。


経済学部: 複式簿記、株式市場、先物取引(米・小麦)を教え込む。「金で他国を支配する方法」を学ぶ、事実上のスパイ養成コース。


帝王学部(直人ゼミ): 直人が直接指導する、選ばれし天才のみが入れる特進クラス。 組織論、人心掌握術、そして「ブラック企業経営学」を叩き込まれる。


「……ここを出た者は、将来的に各国の『大臣』や『将軍』になる器だ。彼らをルメリナ色に染め上げておけば、世界は裏から操り放題だ」


【開校:留学生の殺到】

「ルメリナに行けば、最新の魔法と技術が学べる!」 「卒業すれば、一生食うに困らないエリートコースだ!」


噂は瞬く間に広がり、世界中から若き天才たちが集まった。 帝国の皇太子、魔法王国の神童、獣人の次期族長……。 彼らは皆、ルメリナの寮に入り、同じ釜の飯(激ウマ)を食い、直人の思想を吸収していった。


「すげぇ……! 簿記を使えば、国の財政が一目瞭然だ!」 「農業魔法で、砂漠を緑に変えられるなんて……!」


彼らの目は輝き、そして次第に「母国のため」よりも「ルメリナ(と直人)のため」に才能を使いたいと願うようになっていく。 これが、教育による**「精神的征服」**の完成形だった。


【ステータス更新】


【新生ルメリナ公国】


【教育機関】


ルメリナ実務専門学校群:年間卒業生 50,000人。


ルメリナ帝国大学:世界最高峰の研究機関。


【影響力】 ルメリナ学派(派閥) が世界中の中枢に浸透開始。


【ナオト・カジヤ】


【新規習得スキル】


≪学園長 Lv.180≫:数万人の生徒の適性を見抜き、最適な進路へ蹴り飛ばす。


≪人材育成(洗脳) Lv.155≫:忠実かつ有能な部下を量産する。


「ふぅ……。これで『人・物・金・情報』、すべてが揃った」


直人は大学の時計塔から、アカデミックガウンを着た学生たちが行き交うキャンパスを見下ろした。


「彼らが国に帰り、ルメリナの教えを広めれば……俺が動かずとも、世界は勝手にルメリナ化していく」


直人はコーヒー牛乳を飲み干し、不敵に笑った。 最強の国家運営とは、最強の「システム」を作ること。 元サラリーマンの直人にとって、この世界はすでに、巨大な「自動化された工場」となりつつあった。


「業務連絡。……本店の大学だけじゃ、世界を回す『歯車』が足りない」


翌朝。 ルメリナ帝国大学の学長室(直人の隠れ家)で、彼は世界地図に無数のピンを打ち込んでいた。その数、10,000箇所。


「前回、読み書きを教える『基礎学校』を10万校作った。そこから卒業生が出てくる。……だが、彼らを受け入れる『高等教育機関』が圧倒的に足りない」


直人は、分厚い計画書を机に叩きつけた。


「天才は本店の大学に呼べばいい。だが、俺が必要としているのは、世界中のインフラを維持し、役所を回し、商売を支える**『均質で優秀な実務家ミドル・マネジメント』**だ」


「よって、**『専門学校』と『地方大学』**を世界中にばら撒く。……目標、10,000キャンパスの同時開校だ!」


「いちまん……!? 校舎はともかく、教師が足りませんぞ!?」 ガレスが悲鳴を上げる。


「教師なら『ここ(ルメリナ)』にいるだろ? ……**『遠隔授業リモート・ラーニング』**だ」


【プロジェクト:全世界キャンパス・フランチャイズ化計画】


直人は**≪通信インフラ構築 Lv.320≫と≪教育 Lv.450≫**をフル活用し、前代未聞の教育システムを構築した。


1. 校舎建設サテライト・キャンパス 「規格化された『学び舎』を世界中に投下しろ!」 工兵団と現地の卒業生(基礎学校出身)が協力し、各地に鉄筋コンクリート(魔法強化)の校舎を建設。 全ての教室には、巨大な**「魔導スクリーン」**が設置された。


2. 遠隔講義システム(ホログラム・レクチャー) 「講師は一人でいい。一人の天才が、1万箇所の教室で同時に教える」 ルメリナ本校で行われる最高峰の講義を、魔導通信網で世界中へリアルタイム配信。 質疑応答もタブレット経由で即座に対応。 「片田舎の村でも、世界最高峰の『料理学』や『魔導工学』が学べる!」


3. ルメリナ国家資格ライセンス制度 直人は世界共通の「資格」を制定した。


調理師免許:これがないと飲食店を開けない。


魔導技師免許:これがないと鉄道に触れない。


公認会計士:これがないと商売ができない。 「資格欲しければ、学校へ入れ。……この世の全ての『権限』を、教育と紐付ける」


【学部・学科のグローバル展開】


① ルメリナ調理師専門学校(全4,000校)


目的:世界中に展開した2,000店舗(+フランチャイズ数万店)の料理人を育成。


実習:醤油の分量、火加減、接客スマイルをマニュアル通りに叩き込む。


結果:世界のどこへ行っても「ルメリナの味」が崩れない品質保証体制が完成。


② 魔導インフラ工業大学(全3,000校)


目的:鉄道、通信、上下水道の保守要員。


実習:魔導回路のハンダ付けから、ミスリル合金の溶接まで。


結果:故障しても現地スタッフが即座に修理可能に。文明の維持コストが激減。


③ 行政・教員養成カレッジ(全3,000校)


目的:各国の役人、および次世代の教師の育成。


カリキュラム:ルメリナ法、ルメリナ経済論、そして「直人イズム(社畜精神)」の徹底。


結果:各国の行政システムが、事実上ルメリナの下請け機関化する。


【開校:資格社会の到来】


「資格を取れば、ルメリナグループに就職できるぞ!」 「給料は金貨払い! 福利厚生でカレー食べ放題だ!」


世界中の若者が殺到した。 かつては「剣の腕」や「家柄」が全てだった世界が、**「学歴」と「資格」**の実力社会へと変貌したのだ。


「勉強だ! 勉強して『一級魔導施工管理技士』になるんだ!」 「私は『ソムリエ』の資格を取って、帝都のレストランで働くの!」


彼らは学ぶ。 ルメリナの言語で、ルメリナの技術を、ルメリナのために使う方法を。 それは、武力による支配よりも遥かに強固な、**「社会構造による支配」**の完成だった。


【ステータス更新】


【新生ルメリナ公国】


【教育機関】


世界サテライト校:10,000校 稼働中。


総学生数:約5,000万人(人類の若年層のほぼ全て)。


【影響力】 「ルメリナ国家資格」が世界共通のパスポート化。


【ナオト・カジヤ】


【新規習得スキル】


≪教育の覇王アカデミック・オーバーロード Lv.255≫:世界中の教科書とカリキュラムを検閲・改訂する権利。


≪通信インフラ構築 Lv.320≫:世界中どこでもラグなしで授業を配信する神の回線。


≪資格ビジネス Lv.180≫:受験料と更新料だけで国家予算が潤う。


「ふぅ……。これで『人材』の供給ラインも無限になった」


直人は学長室から、モニター越しに世界中で勉強に励む学生たちの姿を見つめた。


「彼らが大人になる頃には、この世界から『国境』という概念は消えているだろうな。あるのは『ルメリナ経済圏』という巨大な会社だけだ」


直人はコーヒー牛乳を飲み干し、ニヤリと笑った。 人、物、金、情報、そして教育。 全てのピースが埋まり、直人の「世界経営」は、ついに安定期メンテナンス・フェーズへと入ろうとしていた。




天空の摩天楼と新大陸


「業務連絡。……世界が『狭く』なってきた」


数ヶ月後。 ルメリナ帝国大学の最上階、世界管理センター。 直人はモニターに映る各国の首都の映像を見て、眉をひそめた。


人口爆発により、どの都市も人と建物で溢れかえっている。 地価は高騰し、若者たちは狭いアパートで高い家賃に苦しんでいた。


「食えるようにはなったが、住環境が劣悪じゃストレスが溜まる。……スラム化する前に手を打つぞ」


直人は窓の外、広大な空を指差した。


「横に広げられないなら、**『縦』**に伸ばせばいい」


直人はホワイトボードに、雲を突き抜ける塔の絵を描いた。


「これより、**『世界都市化計画アーバン・ルネッサンス』を開始する。……目標、『全人類マイホーム計画』**だ!」


【プロジェクト:天空の摩天楼スカイ・スクレイパー

直人は**≪建築魔法≫と≪重力魔法≫、そして≪錬金術≫**をフル動員した。


1. 超高層建築技術ハイパー・ビルディング 「石積みじゃ限界がある。……**『鉄骨』と『強化コンクリート』だ!」 ドワーフの製鉄技術と、魔導コンクリートを融合。 さらに≪グラビティ≫**で建材の重量を軽減し、物理法則を無視した高さへと積み上げる。


2. 魔導エレベーター(グラビティ・リフト) 「階段で100階まで登らせる気か? ……重力制御だ」 箱の中の重力を操作し、音速で上下する移動装置。 「チンッ♪ 150階、展望レストランでございます」


3. ルメリナ・タワーズの建設 世界中の主要都市に、ランドマークとなる**「ルメリナ・タワー(500階建て)」**を建設。


低層階:ショッピングモール、駅、学校。


中層階:オフィス、魔導工場。


高層階:居住区(全室オーシャンビューならぬスカイビュー)。


「家賃は給料の1割! 更新料なし! 敷金礼金ゼロ!」 直人のブラック(借り手にはホワイト)な不動産革命に、世界中の入居希望者が殺到した。


【プロジェクト:新大陸・大航海時代】

「縦に伸ばしても、いつかは限界が来る。……なら、地図の外側へ行くしかない」


直人は、まだ空白だらけの世界地図の端を叩いた。


「**『海』**だ。この大陸には海がない。だが、星である以上、どこかに必ず海がある」


海があれば、塩も魚も昆布も取り放題だ。 直人は、空飛ぶ客船――**『魔導飛行船・アークロイヤル号』**を建造した。


「総員、乗り込め! 未知の大陸と、まだ見ぬ食材(海産物)を探しに行くぞ!」


【探索:遥かなる青き海原】


飛行船は雲海を抜け、南の果てへと飛んだ。 数日後。 モニター監視員エルフが絶叫した。


「ボ、ボス! 前方に……水溜まりじゃありません! **『海』**です!!」


眼下に広がる、見渡す限りのコバルトブルー。 そして、その先に浮かぶ巨大な未開の大陸。


「……あったか」


直人は甲板に立ち、潮風を吸い込んだ。 **≪索敵 Lv.250≫**が、海中の生体反応を捉える。


マグロ(大トロ)


タイ(真鯛)


エビ・カニ・貝類


コンブ・ワカメ(出汁の素!)


「……宝の山だ」


直人は震える手で、まだ見ぬ**「刺身」と「寿司」**の幻影を見た。


「上陸だ! ここを**『ルメリナ第二公国リゾート・アイランド』とする! 港を作れ! 漁船を出せ! 今日から毎日が『海鮮丼フェスティバル』**だ!」


【ステータス更新】


【新生ルメリナ公国】


【領土】 新大陸サウス・ルメリナ 領有宣言。


【産業】 海洋水産業 開始。


特産品:新鮮な魚介類、海苔、昆布、天日塩。


【都市】 世界中に超高層ビル群が出現。サイバーパンク・ファンタジー化が進行。


【ナオト・カジヤ】


【新規習得スキル】


≪不動産王 Lv.150≫:世界中の家賃収入だけで国家予算が回る。


≪航海王 Lv.1≫:海を知り、寿司を握るための第一歩。


「ふぅ……。これで『住』も解決し、念願の『魚』も手に入った」


直人は新大陸のビーチにパラソルを立て、獲れたてのマグロの刺身(わさび醤油)をつまみに、冷えたビールをあおった。


「寿司、天ぷら、海鮮鍋……。また忙しくなるな」


直人の野望は、陸だけでなく海へ、そして空へと無限に広がっていく。 世界征服? そんなものは、美味い飯を食うための「下準備」に過ぎないのだ。



新大陸の白い砂浜。 眼前に広がるコバルトブルーの海を前に、直人は呆然とするエレナとガレスたちに宣言した。


「業務連絡。……海に来たからには、やることは一つだ」


直人は潮風を深く吸い込んだ。


「これより、**『大漁獲作戦オーシャン・ハーベスト』**を開始する。……海の幸を根こそぎ獲って、陸へ送るぞ!」


「と、獲ると言っても……我々は海の魔物など相手にしたことがありませんぞ!?」 ガレスが怯える。海には「クラーケン」や「シーサーペント」といった巨大魔獣がうようよしているのだ。


「問題ない。……陸と同じだ。『物理』で〆ろ」


【プロジェクト:魔導遠洋漁業】


直人は**≪錬金術≫で、巨大な「魔導漁船団」**を建造した。 動力は魔導エンジン。網はミスリル製の極細ワイヤー。


1. 漁法:グラビティ・トローリング 「網を入れろ! 重力を操作して、魚群ごと海水を引き上げろ!」 **≪グラビティ≫**で指定エリアの海水を持ち上げ、空中で水を濾過。 魚だけが船上の甲板にドサドサと降り注ぐ。 「マグロだ! カツオだ! ……よし、クラーケンも混ざってるな。足はタコ焼きにするから確保だ!」


2. 鮮度維持:瞬間活け締め&氷結 「魚は鮮度が命だ! 暴れさせるな!」 直人は**≪テレキネシス(精密操作)≫で、甲板上の魚数千匹の延髄を同時に破壊(活け締め)。 さらに≪氷結魔法≫**でマイナス60度に瞬間冷凍。 「よし、これで帝都まで刺身で食えるぞ!」


【調理:生食への挑戦】


浜辺に急造された「海の家」の厨房。 直人は、解凍したばかりの**「本マグロ(魔導クロマグロ)」**の巨大なブロックを前に、包丁を研いでいた。


「ナオトよ……。まさか、それを『焼かずに』食うつもりか?」 エレナが青ざめた顔で尋ねる。 内陸の人間にとって、魚を生で食べるなど正気の沙汰ではない。寄生虫や食中毒の恐怖があるからだ。


「安心しろ。……俺にはこれがある」


直人は肉塊に手をかざした。


「≪完全浄化ピュリフィケーション・エクストリーム≫」


シュゥゥゥゥ……。 アニサキス、腸炎ビブリオ、あらゆる寄生虫と細菌が、魔力の光によって完全に消滅する。 残ったのは、純粋無垢なタンパク質と脂の塊だけだ。


「これで安全だ。……さあ、**『寿司』**を握るぞ」


直人は、あらかじめ用意していた**「特製シャリ(ルメリナ米+赤酢+砂糖+塩)」を桶に出した。 そして、新大陸の山で見つけた「本わさび」**を鮫皮でおろす。


【演目:直人の寿司ライブ】


「へい、お待ち!」


直人の手が残像を生む。 切り付けられたネタが、ふわりとシャリの上に乗る。空気を含ませ、口の中で解ける絶妙な握り加減。


皿に並んだのは、宝石のような輝きを放つ三貫。


大トロ:ピンク色にサシが入った腹身。


真鯛:透き通るような白身。皮目を湯引きして松皮造りに。


ウニ:殻から取り出したばかりの、黄金色の雲丹。


「……食ってみろ。醤油を少しだけつけてな」


エレナは震える手で大トロを箸(練習済み)で掴み、醤油にちょんと浸して口に入れた。


「…………」


咀嚼する必要すらなかった。 体温で脂が溶け出し、濃厚な旨味が口いっぱいに広がる。 シャリの酸味が脂を切って、ワサビの清涼感が鼻を抜ける。


「……んんんッ!!!!」


エレナが海に向かって絶叫した。


「溶けたぁぁぁッ!! 魚じゃない! これは……海のバターだ! なのに全然くどくない! 醤油の香ばしさと合わさって、無限に米が食える魔性の味だ!」


次に真鯛。 「コリコリとした食感! 噛めば噛むほど、上品な甘みが出てくる……!」


最後にウニ。 「……濃厚。クリ-ムのようだ。磯の香りが凝縮されている……。酒だ! 日本酒を持ってこい! これは『直人(大吟醸)』のための肴だ!」


ガレスたちも、クラーケンの足の刺身(吸盤がコリコリ)を食らいながら泣いていた。 「ボスぅ~! 生の魚がこんなに美味いなんて……! 俺たち、人生半分損してました!」


【プロジェクト:リゾートアイランド計画】


「よし、魚も美味いことが証明された。……ここを**『世界最高のリゾート地』**にするぞ」


直人は新大陸の海岸線を指差した。


オーシャンビュー・ホテル群 全室から青い海が見える高層ホテルを建設。


シーサイド・マーケット 獲れたての魚介類をその場で焼いて食わせる「浜焼き屋台」と「回転寿司店」を並べる。


マリンアクティビティ 「テイミングしたイルカやシャチに乗って海を散歩だ! 珊瑚礁ダイビングもできるぞ!」


「本国からはリニア鉄道と飛行船で客を運ぶ。……夏は海、冬は温泉。これでルメリナの観光産業は無敵だ」


【ステータス更新】


【新生ルメリナ公国(連邦)】


【領土】 ルメリナ・リゾート(新大陸) 開業。


【特産品追加】


極上寿司・刺身:鮮度保持魔法により、内陸部でも提供可能に。


海産物加工品:干物、塩辛、蒲鉾。


クラーケンのタコ焼き:名物B級グルメ。


【食文化】 生食(Sashimi)文化の定着。


【ナオト・カジヤ】


【新規習得スキル】


≪寿司職人 Lv.120≫:握りの一手で客を昇天させる。


≪海洋支配者 Lv.150≫:海流と魚群をコントロールする。


「ふぅ……。これで『陸・海』は制覇した」


直人は浜辺のデッキチェアで、トロピカルジュース(飾り切りフルーツ付き)を飲みながら、夕日に染まる水平線を眺めた。


「あとは……**『空』**か?」


直人の視線が、雲の上へと向けられる。 そう、この世界にはまだ、未知の食材が眠る場所がある。 「天空の浮遊島」、あるいは**「竜の巣」**。


「ドラゴン肉のステーキ……。食ってみたいな」


直人の飽くなき食欲は、ついに伝説の最強種へと牙を剥こうとしていた。



海を制覇し、リゾート開発が軌道に乗った数日後。 直人は、新大陸の空軍基地(ワイバーン発着場)で、整備士のドワーフたちに指示を飛ばしていた。


「業務連絡。……海は温い。次は**『空』**だ。それも、雲を突き抜けた先にある成層圏だ」


直人は、かつて新大陸発見に使った飛行船「アークロイヤル号」を指差した。


「こいつを改造する。大気圏外でも航行可能な**『超高高度・魔導巡洋艦』**にな」


「せ、成層圏!? 空気がありませんぞ!?」 ガレスが空を見上げて驚愕する。


「空気なら**≪風魔法≫で結界内に循環させればいい。問題は『食材』だ。……伝説の『天空の浮遊島』**には、地上にはない極上の肉と野菜があるらしい」


直人の瞳がギラリと光った。


「ターゲットは**『ドラゴン(龍)』**。……ファンタジーの王様であり、そして最高級の『赤身肉』だ」


【プロジェクト:天空の狩猟者】


直人は**≪錬金術≫と≪重力魔法≫**をフル動員し、船を魔改造した。


エンジン:魔導核融合炉(ベルゼブブの黒炎を動力源に転用)。


装甲:スペース・クラブのオリハルコンでコーティング。


武装:対ドラゴン用・捕獲ハープーン(ミスリル製ワイヤー)。


「総員、搭乗せよ! 目指すは高度10,000メートル! **『ドラゴン・ステーキ』**を食いに行くぞ!」


ゴオォォォォォ……ッ!!


魔改造されたアークロイヤル号が、垂直に空へ駆け上がった。 雲を突き抜け、空の色が濃紺へと変わる。


「……見えたぞ。あれが『竜の巣』か」


眼下に広がっていたのは、雲海に浮かぶ巨大な岩塊の群れ。 そして、そこを悠然と飛び回る、数百頭の巨大な影。


『グオォォォォォ……ッ!!』


ドラゴンの咆哮が、船の結界をビリビリと震わせた。


「人間風情が、我が領域に土足で踏み込むか!」


現れたのは、黄金の鱗を持つ全長50メートル超の巨竜――『天竜帝スカイ・ドラゴン・エンペラー』。 その口からは、万物を灰にする「ブレス」の予備動作が見える。


「……美味そうだ」


直人は、恐怖するどころか、ドラゴンの太ももの筋肉を見て舌なめずりした。


「あの筋肉の締まり具合……。焼けば噛みごたえがあり、煮込めばホロホロになる。……決定だ。今夜のメインディッシュは**『ドラゴンステーキ』**だ!」


【調理:重力プレス・ミートハンマー】


「小賢しい! 灰になれ!」 天竜帝が極大のブレスを吐き出す。


調理開始クッキング・スタート。……≪グラビティ・リフレクト(重力反射)≫」


直人が指を弾くと、ブレスの軌道が直角に曲がり、何もない空へ消えた。


「なっ!?」


「肉を焼く前に、まずは『叩いて』柔らかくしないとな」


直人は右手を振り下ろした。


「≪超重力・肉叩き(グラビティ・テンダライザー)≫!!」


ズドォォォォンッ!!


天竜帝の巨体が、見えない巨大ハンマーで叩かれたように急降下し、浮遊島の岩盤に叩きつけられた。 「グガッ!? か、体が……動かん!?」


「いいサシが入るように、マッサージしてやるよ」


直人は**≪テレキネシス≫**でドラゴンの巨体を固定し、関節技を決めながら「スジ切り」のイメージを送る。 圧倒的な暴力(下処理)。 プライド高き天竜帝も、直人の「食材を見る目」に本能的な恐怖を感じ、震え上がった。


「ま、待て! 降参だ! 食わないでくれぇぇッ!」


「なら、体の一部(再生可能な尻尾)だけよこせ。あと、俺の部下(輸送係)になれ」


「な、なる! なりますぅぅッ!」


【実食:天空の晩餐会】


数時間後。 アークロイヤル号の甲板では、切り落とされたばかりの「ドラゴンの尾の肉」が焼かれていた。


メニュー:特上ドラゴン・ステーキ ~ガーリックバター醤油~


肉:赤身の中に魔力の光が走る、最高級ドラゴンミート。厚さ5センチの極厚カット。


焼き:ドラゴンの脂(融点が高い)を使い、強火で表面をカリッと焼き固める。中はレアで。


ソース:「ルメリナ醤油」、「本みりん」、たっぷりの**「おろしニンニク」、そして仕上げに「バター」**をひとかけら。


ジュウウウウウッ……!!!


香ばしい醤油とバターの香り、そしてドラゴン特有の「野性味あふれる肉の香り」が成層圏に漂う。


「……食ってみろ」


エレナがナイフを入れる。 表面はカリッ。中は驚くほど柔らかい。


口に運ぶ。


「……ッ!!!!」


エレナの全身に、電撃のような衝撃が走った。


「熱いッ! 肉自体が熱を発しているようだ! ……そして、なんと力強い味だ! 牛肉よりも濃厚で、ジビエのような臭みは一切ない。噛むたびに、生きる活力が爆発的に湧いてくる!」


「これがドラゴンの生命力だ。……滋養強壮なんてレベルじゃない。食うだけでレベルが上がるぞ」


ガレスたちも、肉汁でベタベタになりながら叫んでいた。 「ボス! 全身が燃えるようです! 筋肉が膨張していく!」 「バター醤油が……最強すぎる! ドラゴン相手でも、醤油は勝てるんだ!」


【ステータス更新】


【新生ルメリナ公国】


【領土】 天空浮遊島スカイ・エリア 直轄領化。


【輸送網】 ドラゴン便(超特急空輸) 開業。リニアより速い。


【特産品追加】


ドラゴンミート:一切れで金貨100枚。王族でも一生に一度食えるかどうかの幻の肉。


天空野菜スカイ・ベジ:雲の水で育った、苦味のないピーマンや人参。


【ナオト・カジヤ】


【新規習得スキル】


≪竜殺し(ドラゴン・スレイヤー) Lv.1≫:ではなく、≪竜調理人ドラゴン・シェフ Lv.150≫。


≪天空支配者 Lv.1≫:気象をもコントロールする。


「ふぅ……。空も美味かったな」


直人はステーキを完食し、眼下に広がる世界を見下ろした。 陸、海、空。 全ての食材、全ての物流、全ての経済を掌握したルメリナ公国。


「さて……。ここにあるものは大体食い尽くしたか」


直人はコーヒー牛乳(ドラゴンミルク入り・超濃厚)を飲み干し、まだ見ぬ「異世界(別の次元)」への扉に思いを馳せた。 食の探求者ナオトの旅は、まだ終わらない。 美味いものがある限り、彼はどこまでも「侵略(出店)」し続けるのだ。



食の帝王、誕生】


「業務連絡。……社長(女王)の肩書きを変更する」


天空の浮遊島でのドラゴン討伐から数日後。 直人は、世界中の指導者たち(帝国皇帝、ドワーフ王、エルフ女王、魔王、教皇)を、新しく建設した**『天空の議事堂』**に招集していた。


円卓の頂点に座るエレナに対し、直人は一枚の辞令(羊皮紙)を突きつけた。


「ルメリナ公国女王、エレナ・フォースター。……本日付で**『世界皇帝ワールド・エンペラー』**に昇格だ」


「……は?」


エレナが、フォークに刺したドラゴンステーキを落としそうになる。


「せ、世界皇帝だと? 貴様、ついに頭が沸いたか?」


「正常だ。計算してみろ」


直人はモニターに世界地図を表示させた。 そこはもう、国境線など意味を成さないほど、ルメリナの物流網(鉄道・航路・空路)で埋め尽くされている。


経済:世界の富の99%がルメリナを経由する。


食料:ルメリナが輸出を止めれば、世界は3日で餓死する。


武力:帝国騎士団も魔王軍もドラゴンも、ルメリナの「用心棒」だ。


「実質、もう世界は統一されている。国境なんてものは、物流の邪魔なだけだ」


直人は真顔で言った。


「だから、名実ともに一つにする。……**『神聖ルメリナ地球帝国』**の樹立だ。アンタはその頂点に立て」


【戴冠式:空の上の玉座】


数日後。 天空の浮遊島に建設された、雲を突き抜ける巨大な神殿。 世界中の人々が、魔導スクリーン(生中継)を固唾を飲んで見守っていた。


玉座への階段を、エレナが静かに登っていく。 纏うのは、アラクネの糸とクラウド・シープの羊毛で織られ、ミスリルの装飾が施された、この世で最も美しく高貴なドレス。


その左右には、かつての敵たちが跪いている。


近衛隊長:黒騎士ヴォルフガング(元帝国)&ガレス。


儀仗兵:魔王軍四天王(正装)。


聖歌隊:エルフとセイレーンの混成部隊。


上空護衛:天竜帝率いるドラゴン部隊。


「……重いな」


玉座の前に立ったエレナが呟く。それは物理的な王冠の重さではなく、全人類の胃袋を背負う責任の重さだ。


「安心しろ。飯のリソースは俺が管理する」


宰相の衣を纏った直人が、王冠(オリハルコンと賢者の石製)を捧げ持った。


「アンタはただ、堂々と座って、美味い飯を食って笑っていればいい。……それが、この世界の『平和の象徴』だ」


直人は、エレナの頭上に王冠を戴せた。


「……戴冠コロネーション


ファンファーレが鳴り響く。 世界中から、「万歳!」「皇帝陛下万歳!」「今夜は宴だ!」という歓声が、地鳴りのように湧き上がった。


エレナは振り返り、世界を見下ろした。 かつては滅びかけた小国の姫。 それが今、食と絆によって結ばれた、70億の民を統べる皇帝となったのだ。


「……聞け、我が愛しき民よ!」


エレナの声が、世界中に響き渡る。


「私は剣で世界を支配しない。恐怖でも支配しない。……私が約束するのはただ一つ!」


エレナは高らかに宣言した。


「『明日も、明後日も、死ぬまで一生、美味い飯を腹一杯食わせる』!! これが、我が帝国の法であり、正義である!!」


「「「うおおおおおおおおおおッ!!!!!」」」


史上最も平和で、最も食欲をそそる皇帝の誕生であった。


【祝賀会:地球丸ごとフルコース】


式の後は、当然ながら史上最大規模の宴である。 天空の広場には、直人がこれまでの冒険で手に入れた全ての食材が並べられた。


前菜:


新大陸産・本マグロとタイの舟盛り(全長10メートル)。


世界各国のチーズと生ハムのタワー。


スープ:


「究極のコンソメ」:牛、鶏、香味野菜、そしてドラゴンの骨から抽出した黄金のスープ。


魚料理:


「スペース・クラブのチリソース」:宇宙蟹を中華風に。ピリ辛ソースが食欲を点火する。


肉料理:


「ドラゴン・ウェリントン」:ドラゴンフィレ肉をトリュフとパイ生地で包み焼きにした、王者の料理。


食事:


「世界統一ラーメン」:陸・海・空の出汁をブレンドしたスープに、特製手打ち麺。


デザート:


「皇帝のパフェ」:魔導フルーツ全部乗せ。高さ1メートルの甘い塔。


「……美味い。美味すぎるぞ、ナオト」


エレナは王冠を少し傾けながら、ドラゴン・ウェリントンを頬張っていた。 口元についたソースを拭おうともせず、幸せそうに目を細める。


「世界を手に入れたことよりも……この一口の方が、私には価値がある気がする」


「奇遇だな。俺もだ」


直人はグラス(中身は最高級ヴィンテージ・ワイン)を傾けた。


「世界征服なんて、最高の食材を集めるための『手段』に過ぎないからな」


【ステータス更新】


【神聖ルメリナ地球帝国】


【元首】 食の女帝 エレナ一世


【宰相】 美食の魔王 ナオト


【領土】 全地球(および衛星軌道上)


【国是】 「食う寝る遊ぶ」


【ナオト・カジヤ】


【職業】 宰相 兼 宮廷料理長 兼 世界の黒幕。


【レベル】 Lv.999 (測定不能領域へ)


【称号】 ≪食神グルメ・ゴッド


「さて、エレナ皇帝陛下。……世界は統一したが、まだ終わりじゃないぞ」


宴の喧騒の中、直人は夜空の星々を見上げた。


「宇宙船(スペース・クラブ改)の準備ができている。……次は**『銀河系』**だ。あっちの星には、もっと未知の食材があるらしい」


「……ふっ、貴様という奴は」


エレナは呆れたように、しかし楽しげに笑った。


「いいだろう。地獄の果てまで……いや、宇宙の果てまで付き合ってやる。私の胃袋が満たされるその日までな!」


二人の、そしてルメリナ帝国の「美味しい侵略」は、星の海へと続いていく。 ご馳走様でした!


(完)

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