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アイデア  作者: Clef


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1/1

コードナンバー:666

「はぁ、はぁ」

勇者は逃げていた。

パーティーは壊滅し、散り散りになっている。

魔王討伐。人類の総力をかけて挑んだ。だが、勝てなかった。

勇者の胸には後悔や、怒りなどなかった。

ただ、逃げたかった。生きたかった。()()ですらそうなのだ。他のものが耐えられるはずがない。

「くそ、」

逃げ続けて、数刻。もはや体力が残っていない。

だが、逃げなければならない。逃げなければ、追いつかれる。追いつかれれば死んでしまう。

そうして、走っていると前方が暗くなっていた。

いや、暗い。なんてものじゃない。夜よりも洞窟よりも暗い。全ての光を吸い込み、何もないと思わされる無限の闇。

それが近づいてくると気づいた時には遅かった。

「ま、」

その一言を言うより早く、闇へと飲み込まれる。

『………これで、99,822か。』

その刹那、聞こえたのは旅の先々で出会った吟遊詩人の声だった。

「変な……走馬灯だな」

そして、全てが闇へと消える。魔王も、勇者も、街も星も、世界も、全てが無限の闇へと消えていった。






「お疲れ」

そう言ってコーヒーの入ったカップを手渡してくる。机に広がるクッキーを見るに、おやつタイム。というやつなのだろう。

「どうも」

受け取り、一口飲む。相変わらずのコーヒーに苦笑しつつ、デスクで休む。

「今回でいくつだっけ?」

「99,822です」

問いかけに答える。

「……暗記してるの?」

「えぇ、彼らも同じ人間ですから」

「ふーん、そうなんだ。あんまり背負いすぎないでね」

「大丈夫ですよ。強いので」

久しぶりの元の世界。世界に良し悪しはあまりないと思ってはいるが、やはりこの世界が1番だ。

ただ、世界を滅ぼすというのはあまり気分の良いものではない。

「666。1週間の休暇後、新たな任務だ。」

「了解です。ボス。」

俺はエレベート多次元宇宙局から家に帰る。

「1週間の休暇か、何しよっかな」






次の任務も終盤に差し掛かる。

「お前、何する気だ」

「この世界の厄災。それは他の世界にも呪いをかける。それが目覚める前にこの世界を滅ぼす。それだけだ」

「ふざけるな」

「ふざけてるのはお前だ。世界は大樹の枝のように複雑にそして多様に広がっている。だが、その大樹は一つの枝がかかった病気によって枯れるかもしれない。そうなったら、どうする?枝を切るだろ。それと同じだ」

「………………」

「大丈夫だ、苦しむことはない。幸せに死ねるよ」

装置を起動し、世界にあるすべての生命体を寝かす。彼らは夢の中で最良の人生を歩み、死んでいく。

「じゃあな」

世界を後にする。

設定

世界には厄災が眠っていることがある。その厄災には他の世界にも影響を及ぼすものもある。

なので、その厄災が目覚める前にその世界を滅ぼす。というのがこの作品の設定です。

考えた時は行けそうだと思ったんですけど、予想以上に話しを作るのが難しくて、ボツになりました。

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